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4月SS 6

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 畳の上で綸を胸に抱きしめ微睡む。彼女がぐっすり眠ったのを感じながら、微睡みの中で昨夜の睡眠不足を詫び、安心して眠ってくれる喜びを感じる。

 綸には‘綸の場所だ’と言ったが、俺の場所もここだ。綸を包み込むここしかない。

 電話がワンコールだけ聞こえ目を開けると、そっと綸を起こさないように時間を確認する。

 5時半…夕食30分前に潤がコールしてくれたということだ。綸を抱え直し、あと5分と目を閉じた。そして、あまりギリギリに起こしても可哀想なので起こすことにする。

「綸」
「ぅん…ありがと…時間?」
「ああ」

 中途半端な短時間睡眠を刻み、決して体調のいいとは言えない綸が瞼を上げようと奮闘している様子も愛しい。

 昨日より今日、今日より明日、彼女を愛してると言える自信がある。

「…さむね…照代さんの手紙、伊東さん小笹さんに見せておいて良かった…ね…特に小笹さん…ふふっ…さっき大人な挨拶してくれてたよ…照代さんに」
「ああ」

 まだ開ききらぬ瞼を震えさせながら言葉を発する彼女は、夢か現かの状態であろう。

「照代さんって…ここにぴったりの名前…‘照’って漢字が似合うよね…ここは…太陽と海が照らし合う場所だもの」
「ああ」
「まさ…むね…あとで海行く…一緒に」
「ああ、見に行こうな。さあ起きられるか?俺の可愛い奥様?」
「うーん、ごめんね…本家では台所行かなきゃとか、あれこれ動く予定が頭にあって…ぱっと起きられる…けど…正宗と二人だったら起きられない…ずっとこうしていたいもん…ね…頑張らなくてもいいって思えるの、最近…正宗の前でだけ…旦那様限定です……」
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