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第十三話 2

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「お父さんはいつもこんなご馳走食べてるの?」
「いや、京太たちの作る芋煮やら普通の飯の方が多いぞ」

 美味しそうに日本酒を飲んだ彼は私に聞いた。

「不自由や不便はないのか?皆お前の事は口を揃えて‘何も頼んで来ない’と言ってるが?」
「マンションに何もかも十分揃ってるしね…もう少し仕事は増やせないか相談したいなと思ってるところ。暇な時があるから」
「暇な時に、エステだとか爪とか行けばいいんじゃないか?」

 爪ってネイルサロンに行く事か…

「うーん、行ったこと無いし興味ないかな」
「暇な時、本家に来られてはいかがですか?」

 と言う畠山さんに、本家で私がやることがあるのかと聞いてみると

「若の婚約者である綸さんに雑用をお願いするのは如何かと思うところですが…何かしらしていたいんですよね、きっと」

 大きく頷く私に、お父さんは遊んでいてもいいのに…と半ば呆れていた。

 お父さんの部屋には組員を入れず、掃除片付けを畠山さんがしている。

 私は入っても構わないので忙しい時はシュレッダーの作業だけでも助かる。

 台所に入ってもらってもいい。

 庭があるので土いじりしてもいい。

「魅力的な過ごし方」

 私が言うと二人は声をあげて笑った……と…

「何がそんなにおかしい?」

 正宗が突然入って来て驚いたが、向かいの二人は笑ったままだ。

「何がそんなにおかしい?」

 私の隣に座った正宗がもう一度聞くと

「若、お疲れ様です」

 畠山さんが挨拶の後、先ほどの話を正宗にする。私の髪を撫でながら聞いていた彼は、ふっと笑うと

「綸にすれば魅力的だよな。エステで寝転んでるよりずっと」
「そうでしょ?行ってもいい?」
「ああ、無理するな。毎日はダメだ」
「…ちゃんと、考えながらにします」

 毎日行きそうなのを見越して釘を刺された私を見て、また笑いながらお父さんが正宗に尋ねた。

「お前、会食は?」
「終わった」
「まだ、終わる時間じゃないだろ」
「…話は終わらせて抜けて来た」

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