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第二話 4

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 クスクス…前の二人が笑いながらこそこそ話している。

「早口じゃないのにやけにテンポのいい会話だな」
「ああ、しかも無駄にセクシーな正宗の声に負けないくらい綸ちゃんの声もセクシーだな…ほんの少しハスキーボイス」
「そりゃ、啼かせたくなるな…男は」

 双子とおぼしき男たちは何を話してるんだか…

「くだらない…」

 夕方帰宅ラッシュの交差点で車がスピードを落とした…その時、ドアを開けて半分転げ落ちながら走り出した。

「綸っ…」

 呼ばれても足が痛くてもとにかく人の多い方へ走り、何駅かもわからない地下への入口へ駆け込み、改札でカードを翳すと後ろを振り向いた…しんど…もう大丈夫そうだ。

 駅を確認し何とか家の最寄り駅までたどり着いた。が、ふと彼らが待ち構えているのではと考え一駅乗り過ごし下車した。今日起こったことを少しゆっくり考えたい。

 足を引きずり駅前のファストフード店に入り珈琲を手に考える。まず左足首捻挫、同じく左の膝と手は一旦アスファルトで擦ってるので擦り傷。どれも日にち薬で大丈夫な程度だろう。

 何故、私の事を調べた?高須正宗…全く接点がないのに…あっ店長の言ってた高須組?若って言ってたからそうなの?でも会ってもいないよね…

 思い当たるのがあの百貨店しかなく、欠勤連絡等のために交換していた店長の電話に初めて電話を掛けた。

「駒村ですが…」
‘…ああ…何ともない?’
「…どういう意味ですか?」

 私の最終勤務日のこと。店長が忘れ物を取りに行った時、高須組の人に声を掛けられ私の事を聞かれた。名前と勤務終了を伝えたら、他に知っている事は?と聞かれ狂ったようにマサムネを聞いていると言ったらしい。

‘駒村さんがどうかしましたか?って勇気を出して聞いたんだよ、僕。そしたら、男も見惚れる色気ムンムンな雰囲気と声で、俺のものにする、そう言ったんだ’
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