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組と会社そして家 17

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ほとんど食べ終わり、ゆっくりと飲む時間になったところで大西から電話があった。

‘若、お休みのところ申し訳ございません’
「かまわない。俺から急に連絡入れたからな」
‘夏休み、ありがとうございます。明後日から4日間が私の休み、そのあと津川さんの休みとさせていただいてよろしいですか?’
「ん。かまわないが、明後日?急に…前もって予定を立てなくていいのか?しばらく由佐はいるぞ」
‘ありがとうございます。実はさっきご連絡いただいてからすぐに釜山行きの便が予約出来たので、世間の夏休みが始まる前に行ってきます’
「それならいい。玖未と由佐には伝えておく」
‘よろしくお願いします’

通話を終えるのを待っていたかのように、由佐が

「何なに?明後日からオレ、姫ちゃん付き?」

と身を乗り出す。

「ん。まずは津川とだ。玖未、明後日から大西は休みだ。釜山だと」
「プサン…外国?中国?韓国?」
「韓国だ」
「すごいね…」
「行きたいか?行けるぞ」
「…飛行機やだな…」

玖未がそう言うと俺たち4人が顔を見合わせた。

「…ん?」
「玖未さん、偶然ですが…ここにいる私たちも実は飛行機が苦手なんです」
「そうだよね…落ちる瞬間が絶対怖いもの」
「もう、それは玖未ちゃん…ははっ、落ちる前提?」
「右京は違うの?」
「前提ではないかな。例えば船なら、泳いで助かるかもしれないけど飛行機は為す術がないところが嫌」
「…私…船でも為す術がない人だ…」
「スイミングスクールでレッスン受ける、姫ちゃん?」
「無理」
「即答?」
「…水に顔が浸けられない…」

フルフルと首を横に振った玖未がトイレに立つと、由佐が小声で俺たちに伝えた。

「桜龍神のクラブ、昨夜から営業停止だって。裏垢から約2週間だね…合法ハーブという名の薬、もちろん違法のが出回ってたらしい。アッパー系ってやつみたいだ。もう再開は無理だと思うよ」
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