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現在とか未来とか 12

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「…怖いけど…ありがと…でも怖い」
「その怖さごと愛されとけ」
「…うん」

彼の言う愛と、私が好きだというのには大きな温度差があることは言うまでもない。

だけれども…私の新しい未来には悠仁が一緒にいることがとても自然だということも、どこかで確信していた。

頷いた私の額にチュッと音を立てた悠仁は

「玖未を生涯大切にする」

そう言いゆっくりと唇を重ねる。手を繋いだまま唇をしっとりと、しっかりと何度も重ねてペロッと私の上唇を舐めた悠仁は

「荒獅子が熱い」

と片手で一瞬赤い椿の辺りに触れたあと、その手で私の頭を支えるように再び唇を重ねる。

唇をしっかりと重ねたまま唇を割るわけではない彼の舌が、私の唇の縦ジワがないか確かめるように動いている。

彼の唇と舌を受け止める唇をじっとさせていていいのか…心配になってきた時、悠仁が唇を啄みながら私の手を自分のセーターの中に入れて荒獅子に触れさせると同時に、舌をゆっくりと口内へ差し込んだ。

悠仁…

ん…玖未…

そんな声を掛け合いながら…実際にはそんな声は出さないけれど、呼び合い求め合うようなキス。

口内をゆっくりと動くのは彼の舌だが、1秒ごとに自分が彼を求め始めているのを感じて、閉じた目をさらにきゅっと閉じるように力を入れた。

「玖未」

唇で私の下唇を挟みながら私を呼ぶ彼をそっと見る。

「早くケガ治せよ…じゃないと抱けねぇ…」
「…ぅん…」
「でもきっちり治せ」

そう言った悠仁は私の顎に貼られた絆創膏に口づけた。

「痕が残ろうが俺は玖未を離さないが…出来るだけ思い出したくはないだろ?」
「ぅん…」
「あと数週間待とうが、今日から60年も70年もある俺と玖未の人生の一部だからな…問題ねぇ」
「…長いね」
「8年が長いってどころじゃねぇな」
「そう…だね」
「今からのこと、楽しみだろ?」
「うん…ちょっと」
「十分だ。まずは…ちょっとした贅沢は?」
「…そういうのが一番たくさんありそう…どうしよ…」
「毎日ひとつずつやればいい」

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