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現在とか未来とか 9
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すごく忙しかったのは、その月曜日だけで、火曜、水曜と灰谷兄妹の部屋へ行く以外はゆっくりした日だった。夜、あまり眠れないのは動いていないせいだと思いたい。
今日、木曜日も悠仁たちがマンションで仕事をして、たまに野沢さんは会社へ出て行く。私はタブレットを貸してもらって悠仁の隣で動画を見ていた。
「料理見てんのか」
「スマホより見やすい」
「それ、玖未のだ。映画もテレビも見られる」
「え…」
「玖未ちゃん、お取り寄せとかしていいよ」
「ぇえ…」
すごい…急激に生活が今どき風だと驚いていると
「ただいま戻りました」
「失礼します」
帰って来た野沢さんと一緒に、見たことのある大きい人が入ってきた。
「玖未、見たことあるな?」
「…集団ストーカーの時に見た…ぁ…」
しまった…送ってもらっていたんだけどずっと集団ストーカーと心の中で呼んでいたから…
「ごめんなさい…」
「そう思っていたワケだ?」
「…たまに?」
可笑しそうに聞く悠仁に何とか誤魔化せたと思う。
「大西だ。玖未が動く時には大西が玖未につく」
「つく?」
「そうだ。繁華街での集団ストーカーを見ていた奴も多い」
誤魔化せてなかったようだ…
「玖未が須藤の大事にする女だと知れ渡ると、いくつかの危険が考えられる。だから、俺が一人で動かないのと同じように玖未にも大西をつける。慣れないだろうが分かって欲しい」
「悠仁がそう言うなら必要ってこと…大丈夫。集団ストーカーが一人になっただけだから」
誤魔化せてなかったので開き直ってみた。
今日、木曜日も悠仁たちがマンションで仕事をして、たまに野沢さんは会社へ出て行く。私はタブレットを貸してもらって悠仁の隣で動画を見ていた。
「料理見てんのか」
「スマホより見やすい」
「それ、玖未のだ。映画もテレビも見られる」
「え…」
「玖未ちゃん、お取り寄せとかしていいよ」
「ぇえ…」
すごい…急激に生活が今どき風だと驚いていると
「ただいま戻りました」
「失礼します」
帰って来た野沢さんと一緒に、見たことのある大きい人が入ってきた。
「玖未、見たことあるな?」
「…集団ストーカーの時に見た…ぁ…」
しまった…送ってもらっていたんだけどずっと集団ストーカーと心の中で呼んでいたから…
「ごめんなさい…」
「そう思っていたワケだ?」
「…たまに?」
可笑しそうに聞く悠仁に何とか誤魔化せたと思う。
「大西だ。玖未が動く時には大西が玖未につく」
「つく?」
「そうだ。繁華街での集団ストーカーを見ていた奴も多い」
誤魔化せてなかったようだ…
「玖未が須藤の大事にする女だと知れ渡ると、いくつかの危険が考えられる。だから、俺が一人で動かないのと同じように玖未にも大西をつける。慣れないだろうが分かって欲しい」
「悠仁がそう言うなら必要ってこと…大丈夫。集団ストーカーが一人になっただけだから」
誤魔化せてなかったので開き直ってみた。
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