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生い立ちと成り立ち 4
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玖未の部屋の電気がついたのを確認するように見上げていると
「悠仁、かっけー」
右京が自分のマフラーを俺の首に掛ける。
「いらねぇ」
「遠慮するなって、顔まで埋めていいぞ。俺がさっきまで顔埋めてたけど、俺と悠仁の仲…」
「お前、さっき一瞬反応してただろ?」
「ぁ…申し訳ございません、若」
「玖未が俺に手を出そうが、ナイフを向けようが絶対に手を出すな。俺は玖未の全ての言動を必要なものとして受け止める。玖未の言葉が少なきゃ手が出るかもしれないがそれが玖未なら受け止めるだけだ。絶対に殺気立って動くな。その気配を玖未が感じればどう思う?」
「昔の借金取りとイコールだと思うと思います…大人の今なら軽蔑や嫌悪を隠さず反発する…申し訳ございませんでした。以後このようなことがないよう肝に銘じて対応いたします」
右京が深く頭を下げる時には、組員たちが俺たちを囲んでいたのでこれで俺の意思は全組員に伝えられる。
「若、車が通りに着きました」
野沢の手配で玖未のアパートから見えないところへ着いた車に乗って屋敷に戻る。
朝から表の仕事なのは毎日のことだ。その中で報告を受け、夜中には玖未を送る。
まずは、玖未の知る借金取りイコール俺ではないと理解してもらわなければならない。
さらに調べていた中山舞花と日野貴明もどちらも白で素性に問題はないようだった。
日野貴明が玖未の代理人として行った手続き等に関して詳細を知るために、藤開発株式会社顧問弁護士、森口に会社で話を聞く。
「きちんとした手順を踏んで未成年後見人に任命されて、家庭裁判所の監督を受けてもいるようなので、相続放棄等に特に不審なところは見当たらないですね」
「森口先生、未成年後見人は誰でもなれるのですか?」
野沢が俺たちの知りたいことを掘り下げて聞く。
「いえ。未成年者が多額の財産を持っているとか、多額の死亡保険金を受取っているような場合は、必ずしも希望している方が未成年後見人に選ばれるという保証は無いです。その場合は、司法書士や弁護士といった専門家を家庭裁判所が選任するケースも有りますから」
「だけど玖未ちゃんの場合には当てはまらない?」
「そうですね、右京さん。彼女の場合は負の遺産相続を放棄するのが目的でしたから。彼女の履歴を見る限り、幼少期からずっとこの施設に出入りしていますよね。施設の子たちの親がわりというのは当然施設スタッフですから不自然ではない…でも社長も、野沢さんも右京さんも納得されていないのは…施設長の名前でないところでしょうか?」
「そうだ」
「これは他の子のケースを調べないと何とも言えないと思います。施設内の役割分担として息子の貴明が未成年後見人を何件も受けているか…この玖未さんの件だけ引き受けているのか…そのあたりですね」
「そこは今、調べるように指示した。高校入学の保証人は父親がまだ生きていたにも関わらず施設長…半年で父親が亡くなると同時に玖未は退学。退学の必要があるか?その後の玖未は専門学校に行った形跡がないのだから、独学で試験を受けて調理師免許を取得したようだ。調べると受験資格の条件は中卒以上、かつ飲食店で2年以上勤務した実務経験が必要。その勤務先を紹介したのも日野貴明…胡散臭いんだよ、こいつ。玖未の弱みに漬け込んで…」
もし何かあったならば…社会的排除してやる。
「悠仁、かっけー」
右京が自分のマフラーを俺の首に掛ける。
「いらねぇ」
「遠慮するなって、顔まで埋めていいぞ。俺がさっきまで顔埋めてたけど、俺と悠仁の仲…」
「お前、さっき一瞬反応してただろ?」
「ぁ…申し訳ございません、若」
「玖未が俺に手を出そうが、ナイフを向けようが絶対に手を出すな。俺は玖未の全ての言動を必要なものとして受け止める。玖未の言葉が少なきゃ手が出るかもしれないがそれが玖未なら受け止めるだけだ。絶対に殺気立って動くな。その気配を玖未が感じればどう思う?」
「昔の借金取りとイコールだと思うと思います…大人の今なら軽蔑や嫌悪を隠さず反発する…申し訳ございませんでした。以後このようなことがないよう肝に銘じて対応いたします」
右京が深く頭を下げる時には、組員たちが俺たちを囲んでいたのでこれで俺の意思は全組員に伝えられる。
「若、車が通りに着きました」
野沢の手配で玖未のアパートから見えないところへ着いた車に乗って屋敷に戻る。
朝から表の仕事なのは毎日のことだ。その中で報告を受け、夜中には玖未を送る。
まずは、玖未の知る借金取りイコール俺ではないと理解してもらわなければならない。
さらに調べていた中山舞花と日野貴明もどちらも白で素性に問題はないようだった。
日野貴明が玖未の代理人として行った手続き等に関して詳細を知るために、藤開発株式会社顧問弁護士、森口に会社で話を聞く。
「きちんとした手順を踏んで未成年後見人に任命されて、家庭裁判所の監督を受けてもいるようなので、相続放棄等に特に不審なところは見当たらないですね」
「森口先生、未成年後見人は誰でもなれるのですか?」
野沢が俺たちの知りたいことを掘り下げて聞く。
「いえ。未成年者が多額の財産を持っているとか、多額の死亡保険金を受取っているような場合は、必ずしも希望している方が未成年後見人に選ばれるという保証は無いです。その場合は、司法書士や弁護士といった専門家を家庭裁判所が選任するケースも有りますから」
「だけど玖未ちゃんの場合には当てはまらない?」
「そうですね、右京さん。彼女の場合は負の遺産相続を放棄するのが目的でしたから。彼女の履歴を見る限り、幼少期からずっとこの施設に出入りしていますよね。施設の子たちの親がわりというのは当然施設スタッフですから不自然ではない…でも社長も、野沢さんも右京さんも納得されていないのは…施設長の名前でないところでしょうか?」
「そうだ」
「これは他の子のケースを調べないと何とも言えないと思います。施設内の役割分担として息子の貴明が未成年後見人を何件も受けているか…この玖未さんの件だけ引き受けているのか…そのあたりですね」
「そこは今、調べるように指示した。高校入学の保証人は父親がまだ生きていたにも関わらず施設長…半年で父親が亡くなると同時に玖未は退学。退学の必要があるか?その後の玖未は専門学校に行った形跡がないのだから、独学で試験を受けて調理師免許を取得したようだ。調べると受験資格の条件は中卒以上、かつ飲食店で2年以上勤務した実務経験が必要。その勤務先を紹介したのも日野貴明…胡散臭いんだよ、こいつ。玖未の弱みに漬け込んで…」
もし何かあったならば…社会的排除してやる。
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