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double punch*ダブルパンチ

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「会社はお一人ですか?」
「そう。弁護士にこれだけの収入なら法人にして法人税の方がいいとアドバイスをもらってから会社の登記をしたけど一人のまま。でももう一人では体力の限界が来て求人に至りました」

 ちょっとおどけて言う彼は、ブログも続けているはずで…一人でどれだけ稼いでいるのだろう?別世界の人に見えてきた。

「お仕事の説明は、ありがとうございました。私の履歴書を…持ち歩いているもので良ければお渡ししますが…」
「働いてくれる?」
「履歴書は?」
「一応もらうけど、働いてくれるなら採用」

 長谷川さんは私から履歴書を受け取りパッと見ると

「給料はいくらもらってた?」
「えっ…大卒の新卒の一般的な金額かと…」
「20万ちょっと?」
「はい」
「じゃあ、月30万で雇用契約書をすぐ作ってもらうから明日朝10時に来て下さい」
「30万?」
「少ない?」

 まさか…

「そんなに振ったら…首、取れるよ」
「…多いですね…」
「だったら決まり。履歴書の電話は繋がる?弁護士に雇用契約書を作ってもらうけど、その弁護士に聞いて明日必要なものがあればあとで連絡します」
「繋がります。お願い致します」
「一度鳴らそうか…登録しておいて」

 こうして私の再就職が決まった。
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