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part 18-9
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テーブルは芦田さんと福嶋さんに任せて
「龍之介、ここTシャツしかないよね。着替え、持って来ようか?」
シャワー室のドア越しに声を掛けると、ガタッ…
「今はいい」
とドアが開いて龍之介が濡れた髪をかき上げた…はぁ…見惚れてないでバスタオル、バスタオルっ。
「はい。大丈夫なの?」
「紗栄子が体温を確かめろ」
くっと顎を持ち上げられるのと彼の舌が私の口内にねじ込まれるのは同時で、一瞬呼吸の仕方を忘れてしまう。その私を待つことなく、龍之介は舌を刷毛のように使いながら繰り返し上顎を大きくなぞる…っん…はぁ…
「紗栄子…感じてんの?ん?体温を確かめてくれよ」
呼吸だよ、と言う申し開きの隙も与えられず舌が絡め取られて、私は濡れた彼の胸に触れた。
「ただいまぁ、腹へった」
「キロ6、切ってたよね?食べないまま汗を出すためだけにあの走りって龍はバカだね」
「そう。普通は自殺行為って…あれ?紗栄ちゃんは?」
「ご飯のいい匂いはしてるけど、何?もう龍と奥でイチャイチャ始めた?」
「舞生…大いにあり得る」
「だよね、くうちゃん。けど、今日は仕事てんこ盛りなんだよ」
キッチンの直ぐ側にあるシャワー室の真ん前で話す二人の声がはっきりと聞こえるのに、龍之介は絡めた舌の裏側をゆっくりと舐め、唇の裏側を丁寧になぞる。
ちょっと…ちょっと…奥でもなくここにいるし…どんな顔して出たらいいの?
「龍之介、ここTシャツしかないよね。着替え、持って来ようか?」
シャワー室のドア越しに声を掛けると、ガタッ…
「今はいい」
とドアが開いて龍之介が濡れた髪をかき上げた…はぁ…見惚れてないでバスタオル、バスタオルっ。
「はい。大丈夫なの?」
「紗栄子が体温を確かめろ」
くっと顎を持ち上げられるのと彼の舌が私の口内にねじ込まれるのは同時で、一瞬呼吸の仕方を忘れてしまう。その私を待つことなく、龍之介は舌を刷毛のように使いながら繰り返し上顎を大きくなぞる…っん…はぁ…
「紗栄子…感じてんの?ん?体温を確かめてくれよ」
呼吸だよ、と言う申し開きの隙も与えられず舌が絡め取られて、私は濡れた彼の胸に触れた。
「ただいまぁ、腹へった」
「キロ6、切ってたよね?食べないまま汗を出すためだけにあの走りって龍はバカだね」
「そう。普通は自殺行為って…あれ?紗栄ちゃんは?」
「ご飯のいい匂いはしてるけど、何?もう龍と奥でイチャイチャ始めた?」
「舞生…大いにあり得る」
「だよね、くうちゃん。けど、今日は仕事てんこ盛りなんだよ」
キッチンの直ぐ側にあるシャワー室の真ん前で話す二人の声がはっきりと聞こえるのに、龍之介は絡めた舌の裏側をゆっくりと舐め、唇の裏側を丁寧になぞる。
ちょっと…ちょっと…奥でもなくここにいるし…どんな顔して出たらいいの?
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