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part 15-13
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ここで痛めつけての粛清などで終わらせない。
これまで職場も住まいも同じだった二人が縁切りして、精神的にも物理的にも一人ぼっちという感覚を味わいながら、過酷な環境に身を置く。いつまで続くのかという苦痛を全身で受け取れ。逃げ場もなく味方もいない辛さを噛みしめろ。
心身ともに削られ、抉られる思いをすればいい。
親父に報告と挨拶をしてから会社へ向かおうとすると
「サエコは来てないんだって?」
廊下で姐さんに会った。
「買い物の片付けから、カフェバー勤務。昨夜は買い物と時間、ありがとうございました」
「だいたい龍之介と考えてることは同じだったからね。すぐに連れて来なよ?」
「ん」
再び廊下を進み、ネクタイを締め直しつつ
「空雅、カウンターのモニターは?」
と確認する。
「もう付いてる頃です。オレが今から出勤するんで、紗栄ちゃんが来る15時までに微調整はしておきます」
「ん」
「くうちゃん、今日は朝から休みなしだね。頑張って」
「18時に紗栄ちゃんと一緒に上がるから大丈夫」
カフェバーの裏口の外側にカメラがあったのに加えて、内側にもカメラを設置してその映像はカウンター内に流しておく。それくらいは紗栄子も理解するだろう。組員を倍増するなどの対応は、自分の出勤でたくさんの組員を動かすことを気にして出勤しなくなる可能性がある。紗栄子が紗栄子の日常を送れることが最優先だ。
会社へ向かう車の中で松居に電話する。芦田にすることが当たり前だったこれまでと違い、松居にも芦田と同等の意識で紗栄子に付いてもらうため。そして俺の電話を松居から芦田へ報告するという仕事を増やすため。
そうでなければ松居は1日“はい”で終わってしまう無口な男だ。信用していない訳ではない。
これまでに率先して体を張る場面も見ているからそんな心配はしていないが、10年後20年後を見据えて芦田でなく松居を紗栄子付き筆頭として育てたい。この電話で芦田はそれに気づくはずだ。
これまで職場も住まいも同じだった二人が縁切りして、精神的にも物理的にも一人ぼっちという感覚を味わいながら、過酷な環境に身を置く。いつまで続くのかという苦痛を全身で受け取れ。逃げ場もなく味方もいない辛さを噛みしめろ。
心身ともに削られ、抉られる思いをすればいい。
親父に報告と挨拶をしてから会社へ向かおうとすると
「サエコは来てないんだって?」
廊下で姐さんに会った。
「買い物の片付けから、カフェバー勤務。昨夜は買い物と時間、ありがとうございました」
「だいたい龍之介と考えてることは同じだったからね。すぐに連れて来なよ?」
「ん」
再び廊下を進み、ネクタイを締め直しつつ
「空雅、カウンターのモニターは?」
と確認する。
「もう付いてる頃です。オレが今から出勤するんで、紗栄ちゃんが来る15時までに微調整はしておきます」
「ん」
「くうちゃん、今日は朝から休みなしだね。頑張って」
「18時に紗栄ちゃんと一緒に上がるから大丈夫」
カフェバーの裏口の外側にカメラがあったのに加えて、内側にもカメラを設置してその映像はカウンター内に流しておく。それくらいは紗栄子も理解するだろう。組員を倍増するなどの対応は、自分の出勤でたくさんの組員を動かすことを気にして出勤しなくなる可能性がある。紗栄子が紗栄子の日常を送れることが最優先だ。
会社へ向かう車の中で松居に電話する。芦田にすることが当たり前だったこれまでと違い、松居にも芦田と同等の意識で紗栄子に付いてもらうため。そして俺の電話を松居から芦田へ報告するという仕事を増やすため。
そうでなければ松居は1日“はい”で終わってしまう無口な男だ。信用していない訳ではない。
これまでに率先して体を張る場面も見ているからそんな心配はしていないが、10年後20年後を見据えて芦田でなく松居を紗栄子付き筆頭として育てたい。この電話で芦田はそれに気づくはずだ。
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