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part 12-17

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女2人は裁ちばさみが嫌だと足一本を選んだ。それだけ怖い思いを紗栄子がしたってこと思い知れ。

「若」
「触れたくねぇ」
「藤堂の制裁です、若」
「チッ…舞生、空雅」

福嶋に促され俺が言うと、舞生が清水、空雅が女をうつ伏せにして片足を軽く持ち上げる。俺はその膝あたりを斜めに蹴り上げ、舞生と空雅がすぐに足を離さないことで折る。

コイツらは終わった。最後は伊坂だ。

「伊坂、どうやって紗栄子を連れ出した?」

折れた肋が痛み汗をかく伊坂の前に立つ。

「あの時間に…ゴミを出しに来ることは分かっていたので、その前にゴミ箱を夜のように外へ出しました…で…紗栄子さんが来たことは、磨りガラスで分かって…若がケガをしたから病院へと…」

ガッツッ…

「っぶねっ…」

芦田の蹴りが座る伊坂の後ろから背中に入り、前のめりに俺の方へ倒れて来たので足を引いて避けた。

「若、申し訳ありません。が…伊坂…若の名前を使って紗栄子さんを拉致など一時期でも同じ藤堂を名乗った家族とは認めない。やっと家族を理解し始めた紗栄子さんがお前の言葉を信じて裏切られた気持ちも…分かってくれと思うのも無駄だな…残念だ」

言わずにいられなかったのだろう。

「若、表に整っております」
「ん」

スマホを見ていた福嶋が俺に伝える。時間だな。

「伊坂、言い残すことは?」
「…世話になったのに…申し訳ないです。すみませんでした」
「時間だ、お前の迎えが来ている」
「迎え…ですか?」
「チャイニーズマフィア。中国本土へ送られて特攻のように使い捨てられるのだと思うが、せいぜい頑張ってくれ」
「紗栄子さんのナイスファイトを思い出して頑張ってください。では、お元気で」

俺の後に福嶋が言うと、組員2人が伊坂を表に連れて行く。迎えの車が来ているのだから…終わった。

紗栄子、待たせたな。
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