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東雲ゆいか
東雲ゆいかの監禁 1
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「はい、ありがとうございます! 失礼します」
ハキハキと返事をした後に、僕は身体の力が抜け、スマホをカウンターに置き、うなだれる。
「あ!」
その時僕は右手側に置いておいた名刺ケースとスマートフォンを取り落としてしまった。
「拾います」
珈琲カップを持ち傍に控えていた雫さんがカップをカウンターへ置き、何も言わずにそれらを拾い上げてくれる。
「……すいません」
「大事なもの、なのでしょう?」
彼女は優しく、僕に確認するかのように訊ねる。『大事なもの』その響きの中には「普通に」ではなく、「特別な」という意味合いが含まれていることに気付く。
「……はい、わかりますか?」
「いつも大事そうにお手入れされていますから。画面も磨かれ、汚れもない。お仕事道具として――いえ、まるでご自分の一部の様に――」
そう言って彼女は拾った僕のスマホのふちを愛おしそうに人差し指でなぞる。
「……失礼しました。お返しします」
頬を少し赤らめた彼女が僕にそう言ってスマホを差し出してくる。そこまで見ていてくれていることを知り、僕は一瞬肉体的な疲れを忘れた。
「ですが、その様に大事になされいるものを不注意で落として仕舞われるほどお疲れなのでしたら、お休みされたらいかがでしょうか?」
「……そう、したいんですけど」
彼女に心配させたことがとても心苦しい。疲れた姿を見せるのも憚られたのだが、どうしても身体に力が入らない。仕事が落ち着くまでライスシャワーに来ることを止めようかとも思ったのだが、逆に心配させる気がして、生存報告のように僕は週一の通いを続けていた。
「TVで拝見しました。お電話も引っ切り無しにかかっていらっしゃいますし、全て出るのは大変ではないかと」
「あ、ご迷惑でしたら直ぐに外で……」
「いえ、今は他のお客様がおられませんし、大丈夫です。お返事も豆ですし、必ず返信なされるのもお疲れでしょう?」
「いえ、でもそれが仕事ですから……。それに僕はどんな電話にも出ることにしてます。自分が相手に繋がらないと嫌な性分なので……ただの自己満足です」
「ご立派な、心がけかと思います」
「……はは、いや、まあ、お恥ずかしい」
そう言って彼女は優しく微笑んでくれた。
TVの取材はそれなりに反響があった。うちの店の売り上げも上がったが、当然僕の出勤回数は増えた。増える顧客に対応する為にやるべきことも増えたし、準備も手を抜けない。だが、何より大学の試験も迫っている。そちらをおろそかにしては本末転倒だ。
手が抜けない性格が逆に災いしていた。どれもこれも中途半端にすることが出来ない。だからこそ、その分体力を消耗してしまっているのだから。
「あの、心配して頂けて嬉しいです。でもこれは僕の問題ですから……」
こうなっては仕方ない。この状態のままこの店に来ることもまずいか、と考えていると――。
「いえ、宜しければ私にも考えさせて下さい。何より、それが私の役目でもありますから」
彼女は蒼い瞳を細め、微笑む。
その優しい声に僕の心は羽が生えたように軽くなる。
最近、彼女は僕に対して表情が増えたような気がする。気のせい――だと思う自分と、それが確かだと思う自分がないまぜになり、その配合はよく分からない。ただ、ただのお客様よりは距離が詰まった、とは思う。僕は彼女の提案に従い、現状の自分の状態と問題を頭の中でまとめ、口にすることにした。
「……常連さんの方はいいんです。それは今までの蓄積で何とかこなせます。でも、問題はご新規さんです」
そう、TVを見て僕を指名する層だ。
「彼女たちは一見が圧倒的に多いです。マニュアルもないのでその場での対応になります。僕のスタイルは地道にその子の特徴を調べて、それに合わせていくものです。そう『常連用』に」
彼女たちに見える選択肢を修正し、次回利用に繋げるために少しずつアジャストしていく。そして利用が続いた場合、よりよい次のデートを提案し、楽しみを増幅させ満足を拡大させていく。そう、僕のスタイルは一回のデートだけでは完璧な満足を得るには物足りなくなりやすいのだ。
「それでも一見の方にご満足頂けるように最大限の努力はします。でも、それが一気に増えたので――」
僕の労力は何倍にも膨れ上がったのだ。そして一見様は9割がたリピートしない。ただ流行に流され、話のタネに一回試したいだけの人が多いからだ。仕事の意欲として、なかなかモチベーションが上がらない要因の一つだ。そして何よりもっとも問題だったのが――。
「――トラブルが、増えました。特に、未成年の」
それが最大の問題であり、僕を疲れさせている要素であった。
「僕らの仕事は18歳未満のご利用はNGです。高校生など学生も禁止してます。前回の真琴ちゃんのことは止む終えない調査の面もあってあれでしたけど……」
二階堂真琴と言う名の33歳が利用していたのだからそれは問題ないだろう。しかし本物の女子高生である方の真琴ちゃんが利用したことは公には出来ない。
「TVを見て、未成年が年齢を偽って僕を指名するケースが増えたんです。カラオケボックスに来るよう指定されていったらそこに居た全員が女子高の服を着ていてその場で指名キャンセルなんてこともざらです。僕は単に話のネタで呼ばれたのでしょう。僕らはサイトで顔も見えない人間に指名されることが多いのでなりすましなんて日常茶飯事ですから……」
そしてそういう顧客にならない人でも粗雑に扱う訳にはいかないのだ。つぶやきや、SNSでいくらでも僕らの悪評を拡散できるし、そういう愉快犯のような客程簡単にそれを実行するのだから。
「お金にならない。でも雑には扱えない。いざこちらが強硬手段に出ようにも未成年に下手に出たら逆に痛い目を見るのは僕らキャストの方です。叱ることも、なかなか難しいんです」
「……」
彼女は天を見上げ、軽く瞳を閉じ何事か考えている様子だった。
「……時を置く、それしかないような気がします」
漸く口を開いた彼女はそう言い、僕の目を真摯に見つめてきた。
「……危険だと、主が告げています」
「え?」
「今すぐ、お休みを取ることをお勧めします。一刻も早く、です」
真剣な顔であり、彼女の顔に笑みは無い。その言葉には真実が宿っている、そう直観出来た。
しかし、その直後僕のスマートフォンが鳴った。
「あ、すいません。時間だ……」
東雲ゆいかという名の二十歳の大学生、それが今日の最後の仕事相手。待ち合わせが近い、その報せだった。
「お出かけですか?」
「はい、これからお客様との待ち合わせで新宿へ……。こんな夜の時間帯に近いのは珍しいんですけどね。僕の場合出勤は21時までにして貰っているのであまり遊べないはずなので……」
今が17時で待ち合わせは18時だ。3時間だけというと少し遊びご飯を食べたら終わってしまう。まあ仕事としては楽な部類ではあるのだが。
「これが終わったら、すぐに休暇を申請します。どうもありがとうございました!」
「あ――」
彼女のその心配そうな瞳を振り切るように僕は店を出た。申し訳なさで僕の頭の中は一杯だった。これが終わったら、彼女のアドバイス通りにしよう。そう思っていた。そしてそれは、別の意味で実現することになったのだが――。
ハキハキと返事をした後に、僕は身体の力が抜け、スマホをカウンターに置き、うなだれる。
「あ!」
その時僕は右手側に置いておいた名刺ケースとスマートフォンを取り落としてしまった。
「拾います」
珈琲カップを持ち傍に控えていた雫さんがカップをカウンターへ置き、何も言わずにそれらを拾い上げてくれる。
「……すいません」
「大事なもの、なのでしょう?」
彼女は優しく、僕に確認するかのように訊ねる。『大事なもの』その響きの中には「普通に」ではなく、「特別な」という意味合いが含まれていることに気付く。
「……はい、わかりますか?」
「いつも大事そうにお手入れされていますから。画面も磨かれ、汚れもない。お仕事道具として――いえ、まるでご自分の一部の様に――」
そう言って彼女は拾った僕のスマホのふちを愛おしそうに人差し指でなぞる。
「……失礼しました。お返しします」
頬を少し赤らめた彼女が僕にそう言ってスマホを差し出してくる。そこまで見ていてくれていることを知り、僕は一瞬肉体的な疲れを忘れた。
「ですが、その様に大事になされいるものを不注意で落として仕舞われるほどお疲れなのでしたら、お休みされたらいかがでしょうか?」
「……そう、したいんですけど」
彼女に心配させたことがとても心苦しい。疲れた姿を見せるのも憚られたのだが、どうしても身体に力が入らない。仕事が落ち着くまでライスシャワーに来ることを止めようかとも思ったのだが、逆に心配させる気がして、生存報告のように僕は週一の通いを続けていた。
「TVで拝見しました。お電話も引っ切り無しにかかっていらっしゃいますし、全て出るのは大変ではないかと」
「あ、ご迷惑でしたら直ぐに外で……」
「いえ、今は他のお客様がおられませんし、大丈夫です。お返事も豆ですし、必ず返信なされるのもお疲れでしょう?」
「いえ、でもそれが仕事ですから……。それに僕はどんな電話にも出ることにしてます。自分が相手に繋がらないと嫌な性分なので……ただの自己満足です」
「ご立派な、心がけかと思います」
「……はは、いや、まあ、お恥ずかしい」
そう言って彼女は優しく微笑んでくれた。
TVの取材はそれなりに反響があった。うちの店の売り上げも上がったが、当然僕の出勤回数は増えた。増える顧客に対応する為にやるべきことも増えたし、準備も手を抜けない。だが、何より大学の試験も迫っている。そちらをおろそかにしては本末転倒だ。
手が抜けない性格が逆に災いしていた。どれもこれも中途半端にすることが出来ない。だからこそ、その分体力を消耗してしまっているのだから。
「あの、心配して頂けて嬉しいです。でもこれは僕の問題ですから……」
こうなっては仕方ない。この状態のままこの店に来ることもまずいか、と考えていると――。
「いえ、宜しければ私にも考えさせて下さい。何より、それが私の役目でもありますから」
彼女は蒼い瞳を細め、微笑む。
その優しい声に僕の心は羽が生えたように軽くなる。
最近、彼女は僕に対して表情が増えたような気がする。気のせい――だと思う自分と、それが確かだと思う自分がないまぜになり、その配合はよく分からない。ただ、ただのお客様よりは距離が詰まった、とは思う。僕は彼女の提案に従い、現状の自分の状態と問題を頭の中でまとめ、口にすることにした。
「……常連さんの方はいいんです。それは今までの蓄積で何とかこなせます。でも、問題はご新規さんです」
そう、TVを見て僕を指名する層だ。
「彼女たちは一見が圧倒的に多いです。マニュアルもないのでその場での対応になります。僕のスタイルは地道にその子の特徴を調べて、それに合わせていくものです。そう『常連用』に」
彼女たちに見える選択肢を修正し、次回利用に繋げるために少しずつアジャストしていく。そして利用が続いた場合、よりよい次のデートを提案し、楽しみを増幅させ満足を拡大させていく。そう、僕のスタイルは一回のデートだけでは完璧な満足を得るには物足りなくなりやすいのだ。
「それでも一見の方にご満足頂けるように最大限の努力はします。でも、それが一気に増えたので――」
僕の労力は何倍にも膨れ上がったのだ。そして一見様は9割がたリピートしない。ただ流行に流され、話のタネに一回試したいだけの人が多いからだ。仕事の意欲として、なかなかモチベーションが上がらない要因の一つだ。そして何よりもっとも問題だったのが――。
「――トラブルが、増えました。特に、未成年の」
それが最大の問題であり、僕を疲れさせている要素であった。
「僕らの仕事は18歳未満のご利用はNGです。高校生など学生も禁止してます。前回の真琴ちゃんのことは止む終えない調査の面もあってあれでしたけど……」
二階堂真琴と言う名の33歳が利用していたのだからそれは問題ないだろう。しかし本物の女子高生である方の真琴ちゃんが利用したことは公には出来ない。
「TVを見て、未成年が年齢を偽って僕を指名するケースが増えたんです。カラオケボックスに来るよう指定されていったらそこに居た全員が女子高の服を着ていてその場で指名キャンセルなんてこともざらです。僕は単に話のネタで呼ばれたのでしょう。僕らはサイトで顔も見えない人間に指名されることが多いのでなりすましなんて日常茶飯事ですから……」
そしてそういう顧客にならない人でも粗雑に扱う訳にはいかないのだ。つぶやきや、SNSでいくらでも僕らの悪評を拡散できるし、そういう愉快犯のような客程簡単にそれを実行するのだから。
「お金にならない。でも雑には扱えない。いざこちらが強硬手段に出ようにも未成年に下手に出たら逆に痛い目を見るのは僕らキャストの方です。叱ることも、なかなか難しいんです」
「……」
彼女は天を見上げ、軽く瞳を閉じ何事か考えている様子だった。
「……時を置く、それしかないような気がします」
漸く口を開いた彼女はそう言い、僕の目を真摯に見つめてきた。
「……危険だと、主が告げています」
「え?」
「今すぐ、お休みを取ることをお勧めします。一刻も早く、です」
真剣な顔であり、彼女の顔に笑みは無い。その言葉には真実が宿っている、そう直観出来た。
しかし、その直後僕のスマートフォンが鳴った。
「あ、すいません。時間だ……」
東雲ゆいかという名の二十歳の大学生、それが今日の最後の仕事相手。待ち合わせが近い、その報せだった。
「お出かけですか?」
「はい、これからお客様との待ち合わせで新宿へ……。こんな夜の時間帯に近いのは珍しいんですけどね。僕の場合出勤は21時までにして貰っているのであまり遊べないはずなので……」
今が17時で待ち合わせは18時だ。3時間だけというと少し遊びご飯を食べたら終わってしまう。まあ仕事としては楽な部類ではあるのだが。
「これが終わったら、すぐに休暇を申請します。どうもありがとうございました!」
「あ――」
彼女のその心配そうな瞳を振り切るように僕は店を出た。申し訳なさで僕の頭の中は一杯だった。これが終わったら、彼女のアドバイス通りにしよう。そう思っていた。そしてそれは、別の意味で実現することになったのだが――。
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