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第1章 異世界転移と旅立ち
第18話 アントンの武器屋
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翌朝、朝食をいただき昨日のアントンの武器屋に行く。
「おうヤストか、出来たぞ。」
アントンが見せてくれたサーベルは昨日より鋭く美しくなっていた。
早速魔眼で見てみると、
鉄のサーベル
ランク C
切れ味 A
耐久性 G
レア度 C
属性 なし
特殊 なし
攻撃力 + 45
素材 鉄、銀(少量)
鉄と銀を用いたサーベル、切れ味はとても鋭いが、耐久度はとても低い。
「試し切りは壊れそうで怖くてしてねえが、切れ味は間違いなくすごいぜ。 それでこれをどうするんだ?」
《時間停止の付与は、言ったらまずいよな?》
(判断は難しいですが、今後も協力を願うなら話しても良いかと思いますが・・・、ヤスト、魔眼で人の善悪が見れたはずですよね?)
《基本的に使いたくないが、しょうがないな。》
魔眼でアントンを見てみると、透き通った茶色のオーラの様なものが見えた。
直感で、透き通ってれば善人で正直に物を言っているのが分かった、茶色はその人・種族を表す色でドワーフは土に縁がある事と、職人気質なのが理解できた。
《善人で正直者のようだな、職人気質なのは当然だ。 話すことにするよ。》
おれが黙っているのを見てアントンが話し出す。
「出来れば使い道も教えて欲しいが、どうしても無理なら言わなくて良いぞ。」
「いえ、このサーベルで魔物と戦うつもりです。」
「それは無理だ!! 1回2回なら大丈夫だろうが、すぐに折れて使い物にならなくなるぞ!」
「今から話すことを、他言無用でお願いできますか?」
「ん? 何か秘密があるのか? 鍛冶に関しては門外不出のところも多いから秘密は守るぞ。」
《アリス、アントンさんは真実を話しているみたいだから、魔法の事を話すよ。》
(分かりました。 時空魔法ではなく、時間魔法と言って下さい。 少しはマシでしょうから。)
「アントンさん、おれは特殊な魔法を使えるんですよ、時間魔法ってのは知っていますか?」
「ん? 時間魔法と言うと時間を止めたり進めたりする伝説の魔法か?」
「伝説かどうかは分かりませんが、おれは時間魔法を使えます。」
「なに!? そんな伝説の魔法を使えるのか!??」
「はい、武器に時間魔法で停止の付与をすれば、基本的にその物は壊れなくなります。 壊れないということは、耐久度は最高を維持しつづけます。」
「なるほどな、そんな魔法を使えるのは簡単には人に話せないな。 その秘密は必ず守るから付与するところから見せてくれないか?」
アントンを見てみると、透き通った茶色に興奮した赤がかなり混ざっているオーラが出ている、興味深々のようなので、もう一度他言無用と断ってから、実際に魔法を付与することにした。
「分かりました、アントンさんを信用して見せるのですが、急にお客さんが入ってこられて、見られては困るので、どこか人が来ないところはないですか?」
「おぉ、それなら奥に工房があるからそこでして見せてくれ。」
アントンはすぐに店を閉めて、工房へと急かす。
おれは作業台の上に置かれたサーベルに向かって、集中して時間停止の付与を行う。 前回以上に魔力を込めたつもりだ。 確認の為に魔眼で見てみると、
鉄のサーベル
ランク S
切れ味 A
耐久性 S
レア度 S
属性 なし
特殊 付与:時間停止
攻撃力 + 60
素材 鉄、銀(少量)
鉄と銀を用いたサーベル、切れ味はとても鋭く、時間停止の付与がかかっている。時間停止の付与を解除するか、同じ時間停止の付与のかかった物でないと破壊不可能。
成功したようだ。 ただ、攻撃力も上がり、切れ味がAでそれ以外がSランクとすごいことになっている。
《なんかすごいことになっているな。》
(すごそうですね。 一段とキレイになっていますよ。)
「何というか・・・ 触ってみてもいいか?」
「大丈夫ですよ。 壊れる事もないようなので、いろいろ試してください。」
「うむ」
そう言って、アントンは金槌で叩いてみたり、調べ始めた。
「これは耐久度が上がったというより、この物体の時間が止まったんだな。 極端に鋭くしても刃が欠けることもないし・・・ すごいことだ。」
「そうですね。 今出来るのは状態を維持するだけなので、武器なら元々の攻撃力に依存する事になります。」
「いや、維持だけでもすごいぞ。 防具ではどうだ? 壊れない防具は最強じゃないのか?」
「それが、壊れないんですが状態を維持固定してしまうので、全身防具に時間停止をかければ身動きが出来ませんし、防具は壊れなくても衝撃は伝わってきます。」
「ふむ、そう簡単にはいかんか。」
「今回は、この胸当てに時間停止を付与して、皮鎧の上に装備するつもりです。」
昨日購入した、胸当てをアイテムボックスから取り出す。
「おぉ、アイテムボックス持ちか!?」
「あぁ、これも内緒にしといてください。」
「分かった、それは向かいの店で買ったのか?」
「そうです、昨日ここに来る前に購入しました。」
「それはおれの弟ホラントが作った品物だな、おれ達はこの町で武器防具屋を営んでいるんだ。 あいつは防具が得意で、おれは武器が得意なんだよ。」
2人が似ている理由が分かった。ドワーフはみんな同じ顔をしているのかと思ってしまった。
「そうなんですね、ではこの胸当てにも魔法をかけてみますね。」
胸当てを作業台に乗せて、時間停止の魔法を付与する。確認してみると、
鉄の胸当て
ランク S
耐久性 S
レア度 S
属性 なし
特殊 付与:時間停止
防御力 +25
素材 鉄
一般的な鉄の胸当てだが模様が矢などを受け流す効果有り、時間停止の付与がかかっている。時間停止の付与を解除するか、同じ時間停止の付与のかかった物でないと破壊不可能。
こちらも防御力も上がり、ランクは全てSになった。
「出来ました。 そういえば注意点が1つ、時間停止の付与がかかった物は、同じ時間停止の付与がかかった物ならば破壊可能です。 そのサーベルでこの胸当てを切るとサーベルが折れるか、刃こぼれすると思います。」
「なるほどな、完全な万能ではないのか。 実際には伝説と言われている魔法だから、時間停止の付与が付いた武器防具はここにあるくらいだろうだがな。 すまないが、このナイフにも時間停止をかけて研究させてくれないか? おれの両腕にかけて絶対に秘密は守る!」
もう一度、魔眼でアントンを見てみると、純粋で善人であることは分かる。 正直なところ自分も自分の時間停止が武器にどのように影響するのかは知りたいと思っていた。
「分かりました。 ただし、調べた後は結果を教えてもらうことと、ナイフにかけた魔法を解除させていただきますがそれでもよろしいでしょうか? それと鍛冶技術を私に教えてくれませんか? 場所もこの工房を使わせていただければありがたいです。」
「おれの好奇心を満たすだけだしそれでかまわない。 おれには弟子はいないし、教えるのは下手だと思うがそれで良いならいいぞ。 まさか鍛冶のスキルを持っているのか?」
「お願いします。 鍛冶のスキルは有りませんが、魔道具作成のスキルはあります。」
「なかなかいいスキルを持っているんだな、だから付与がすんなりいけたんだな。」
「そう思います。 鍛冶を行うのに何か必要な物とかはありますか?」
「まずは道具類はここにあるので十分だろ、素材は少し乏しいから出来れば用意してもらいたい。 アイテムボックス持ちなら採掘に行ってみればどうだ? この町から3時間も行けば採掘出来る鉱山があるぞ、商人ギルドに許可をもらえば採掘出来るはずだ。 冒険者におれが依頼を出したと言う形にすれば話が早いと思うぞ。」
早速、商人ギルドへ手紙を書いてもらい、ナイフに時間停止の付与をしてから、胸当てサーベルを装備し、商人ギルドへと向かう。
「おうヤストか、出来たぞ。」
アントンが見せてくれたサーベルは昨日より鋭く美しくなっていた。
早速魔眼で見てみると、
鉄のサーベル
ランク C
切れ味 A
耐久性 G
レア度 C
属性 なし
特殊 なし
攻撃力 + 45
素材 鉄、銀(少量)
鉄と銀を用いたサーベル、切れ味はとても鋭いが、耐久度はとても低い。
「試し切りは壊れそうで怖くてしてねえが、切れ味は間違いなくすごいぜ。 それでこれをどうするんだ?」
《時間停止の付与は、言ったらまずいよな?》
(判断は難しいですが、今後も協力を願うなら話しても良いかと思いますが・・・、ヤスト、魔眼で人の善悪が見れたはずですよね?)
《基本的に使いたくないが、しょうがないな。》
魔眼でアントンを見てみると、透き通った茶色のオーラの様なものが見えた。
直感で、透き通ってれば善人で正直に物を言っているのが分かった、茶色はその人・種族を表す色でドワーフは土に縁がある事と、職人気質なのが理解できた。
《善人で正直者のようだな、職人気質なのは当然だ。 話すことにするよ。》
おれが黙っているのを見てアントンが話し出す。
「出来れば使い道も教えて欲しいが、どうしても無理なら言わなくて良いぞ。」
「いえ、このサーベルで魔物と戦うつもりです。」
「それは無理だ!! 1回2回なら大丈夫だろうが、すぐに折れて使い物にならなくなるぞ!」
「今から話すことを、他言無用でお願いできますか?」
「ん? 何か秘密があるのか? 鍛冶に関しては門外不出のところも多いから秘密は守るぞ。」
《アリス、アントンさんは真実を話しているみたいだから、魔法の事を話すよ。》
(分かりました。 時空魔法ではなく、時間魔法と言って下さい。 少しはマシでしょうから。)
「アントンさん、おれは特殊な魔法を使えるんですよ、時間魔法ってのは知っていますか?」
「ん? 時間魔法と言うと時間を止めたり進めたりする伝説の魔法か?」
「伝説かどうかは分かりませんが、おれは時間魔法を使えます。」
「なに!? そんな伝説の魔法を使えるのか!??」
「はい、武器に時間魔法で停止の付与をすれば、基本的にその物は壊れなくなります。 壊れないということは、耐久度は最高を維持しつづけます。」
「なるほどな、そんな魔法を使えるのは簡単には人に話せないな。 その秘密は必ず守るから付与するところから見せてくれないか?」
アントンを見てみると、透き通った茶色に興奮した赤がかなり混ざっているオーラが出ている、興味深々のようなので、もう一度他言無用と断ってから、実際に魔法を付与することにした。
「分かりました、アントンさんを信用して見せるのですが、急にお客さんが入ってこられて、見られては困るので、どこか人が来ないところはないですか?」
「おぉ、それなら奥に工房があるからそこでして見せてくれ。」
アントンはすぐに店を閉めて、工房へと急かす。
おれは作業台の上に置かれたサーベルに向かって、集中して時間停止の付与を行う。 前回以上に魔力を込めたつもりだ。 確認の為に魔眼で見てみると、
鉄のサーベル
ランク S
切れ味 A
耐久性 S
レア度 S
属性 なし
特殊 付与:時間停止
攻撃力 + 60
素材 鉄、銀(少量)
鉄と銀を用いたサーベル、切れ味はとても鋭く、時間停止の付与がかかっている。時間停止の付与を解除するか、同じ時間停止の付与のかかった物でないと破壊不可能。
成功したようだ。 ただ、攻撃力も上がり、切れ味がAでそれ以外がSランクとすごいことになっている。
《なんかすごいことになっているな。》
(すごそうですね。 一段とキレイになっていますよ。)
「何というか・・・ 触ってみてもいいか?」
「大丈夫ですよ。 壊れる事もないようなので、いろいろ試してください。」
「うむ」
そう言って、アントンは金槌で叩いてみたり、調べ始めた。
「これは耐久度が上がったというより、この物体の時間が止まったんだな。 極端に鋭くしても刃が欠けることもないし・・・ すごいことだ。」
「そうですね。 今出来るのは状態を維持するだけなので、武器なら元々の攻撃力に依存する事になります。」
「いや、維持だけでもすごいぞ。 防具ではどうだ? 壊れない防具は最強じゃないのか?」
「それが、壊れないんですが状態を維持固定してしまうので、全身防具に時間停止をかければ身動きが出来ませんし、防具は壊れなくても衝撃は伝わってきます。」
「ふむ、そう簡単にはいかんか。」
「今回は、この胸当てに時間停止を付与して、皮鎧の上に装備するつもりです。」
昨日購入した、胸当てをアイテムボックスから取り出す。
「おぉ、アイテムボックス持ちか!?」
「あぁ、これも内緒にしといてください。」
「分かった、それは向かいの店で買ったのか?」
「そうです、昨日ここに来る前に購入しました。」
「それはおれの弟ホラントが作った品物だな、おれ達はこの町で武器防具屋を営んでいるんだ。 あいつは防具が得意で、おれは武器が得意なんだよ。」
2人が似ている理由が分かった。ドワーフはみんな同じ顔をしているのかと思ってしまった。
「そうなんですね、ではこの胸当てにも魔法をかけてみますね。」
胸当てを作業台に乗せて、時間停止の魔法を付与する。確認してみると、
鉄の胸当て
ランク S
耐久性 S
レア度 S
属性 なし
特殊 付与:時間停止
防御力 +25
素材 鉄
一般的な鉄の胸当てだが模様が矢などを受け流す効果有り、時間停止の付与がかかっている。時間停止の付与を解除するか、同じ時間停止の付与のかかった物でないと破壊不可能。
こちらも防御力も上がり、ランクは全てSになった。
「出来ました。 そういえば注意点が1つ、時間停止の付与がかかった物は、同じ時間停止の付与がかかった物ならば破壊可能です。 そのサーベルでこの胸当てを切るとサーベルが折れるか、刃こぼれすると思います。」
「なるほどな、完全な万能ではないのか。 実際には伝説と言われている魔法だから、時間停止の付与が付いた武器防具はここにあるくらいだろうだがな。 すまないが、このナイフにも時間停止をかけて研究させてくれないか? おれの両腕にかけて絶対に秘密は守る!」
もう一度、魔眼でアントンを見てみると、純粋で善人であることは分かる。 正直なところ自分も自分の時間停止が武器にどのように影響するのかは知りたいと思っていた。
「分かりました。 ただし、調べた後は結果を教えてもらうことと、ナイフにかけた魔法を解除させていただきますがそれでもよろしいでしょうか? それと鍛冶技術を私に教えてくれませんか? 場所もこの工房を使わせていただければありがたいです。」
「おれの好奇心を満たすだけだしそれでかまわない。 おれには弟子はいないし、教えるのは下手だと思うがそれで良いならいいぞ。 まさか鍛冶のスキルを持っているのか?」
「お願いします。 鍛冶のスキルは有りませんが、魔道具作成のスキルはあります。」
「なかなかいいスキルを持っているんだな、だから付与がすんなりいけたんだな。」
「そう思います。 鍛冶を行うのに何か必要な物とかはありますか?」
「まずは道具類はここにあるので十分だろ、素材は少し乏しいから出来れば用意してもらいたい。 アイテムボックス持ちなら採掘に行ってみればどうだ? この町から3時間も行けば採掘出来る鉱山があるぞ、商人ギルドに許可をもらえば採掘出来るはずだ。 冒険者におれが依頼を出したと言う形にすれば話が早いと思うぞ。」
早速、商人ギルドへ手紙を書いてもらい、ナイフに時間停止の付与をしてから、胸当てサーベルを装備し、商人ギルドへと向かう。
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