73 / 179
フランス治安情報局
69話 マリ達の正体
しおりを挟む
パスカル、マリの同級生で同じクラス、彼は、普通の中流家庭の家に生まれ、何、不自由なく、今まで、生きてきた。特に、特技もなく、学校での成績も普通でどこにでもいる、普通の16歳の男の子だ。だが、当たり前のように暮らしているこの環境が何ひとつ、刺激のあるものはなく、このまま、普通の人として、人生が終わってしまうのだろうと、いつも、考えていた。
ところが、この学校に彗星のごとく現れた、この三銃士ともいうべき存在がとても気になり、昨日、その力の片鱗を見せつけられ、自分の人生において、これ以上の刺激のある出来事はないだろうと、自らの心がマリ達の正体を突き止めたいという強い衝動にかられていた。
「姉さん、頼むよ、ね、今日の13時には学校が終わるからさ、車で調べたいことがあるんだよ」
「なによ、調べたいことって」
マリの同級生パスカルは今日こそは、マリの自宅を見つけ、あの三人が一体どういう素性なのか調べたいと考えていた。
「同級生で不思議な3人がいるんだ。いつも一緒にいて、人間とは思えない、すごい能力を
持っているんだ」
「はあ~?あんた、漫画やテレビの見過ぎじゃないの?高校1年生の子供がそんな力あるわけないじゃない、バカじゃないの?」
「本当だよ。しかも、その3人はいつも、学校から少し離れたところから、高級車でお迎えだってくるんだ」
「なによ、そんなのめずらしくないわ。親の稼ぎが多くて、忙しい親は人を雇って、お迎えに来てもらうなんて、よくあるじゃない。ましてや1台に3人が乗れば、経済的じゃない。あんたは本当に考えがまだまだ、子供ね。でも、まあ、いいわ、今日は特に予定もないし、あんたにつきあってあげる。そのかわり、あんた、今月はあんたはもちろんだけど、私の分も変わりに家事をやりななさい」
フランスでは、子供は、家の手伝いをするのは、当たり前で、毎日、子供たちができる範囲で家事を分担する。
「わかったよ。じゃあ、姉さん、13時に学校の前で待ち合わせ。たのむよ」
「わかったわよ」
パスカルは、姉の承諾が得られて、ホッとした。今日こそは、必ず正体を見破ってやると、朝ご飯をむしゃむしゃ食べながら、考えていた。
放課後、いつも通り、マリ達3人は学校から出てきた。パスカルは早めに学校から出て、プジョーでも小さめの車に乗っている姉の車に乗り込んで待機していた。
「姉さん、出て来たヨ。あの3人だよ!」
「ヒュー、男の子はすごいかっこいいじゃない、背が高くて、イケてるわね。その横の金髪の女の子もとんでもない美人でスタイル抜群じゃないの。一番前に歩いている黒髪の女の子はなんか、日本のお人形みたいで、こっちもなかなかプリティじゃない。あんた、どの子がねらいなのよ」
「そんなんじゃないよ」
「いいのよ、とぼけなくったって、そうねえ、あんたは、意外と普通の美人は避けるだろうから、たぶん前を歩いているプリティガールね。でも、あんた、これって、ストーカーじゃない、
あんたも男なら、直接聞けばいいじゃない。こんなこそこそして、カッコ悪い」
「だから、そんなんじゃないよ。学校でも聞いたさ。そりょあ、そしたらさ『パスカル、別に私達は普通の高校生だよ。だから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ』なんて言われて、何も聞き出せなかったんだ」
「あら、そうなの。まあ、いいわ、しばらく、後ろから離れて付けてみましょ」
3人は学校から100mぐらい離れたところから、迎えにきた、黒の高級車に乗り込んだ。
「たしかに、あんなすごい高級車、ちょっと普通じゃないわね」
「あ、姉さん、走り出しちゃったよ。早く、跡をつけて」
急いで、パスカル達はその車の跡をつけた。しばらくして、前の車が何回か交差点を曲がった時に運転をしている松田葉子が
「マリさん」
「どうしました葉子さん?」
「2台後ろの車につけられていますよ、間違いありません」
助手席に座っている国土監視局のポーラも
「あれは、学校の前に止まっていた車ですね。恐らく、学校の生徒だと思います」
ユウキはその言葉を聞き、後ろに目を向けて、観察した。
「マリ、運転手は誰かは、わからないが、助手席に座っているのは、同じクラスのパスカルだね」
「パスカル?そういえば、昨日の午後から、数回、私達のことを聞いてきてたよね」
「あ、そうだったね」
「全く、気持ち悪い男だね。こそこそ、隠れて付いてくるなんて、正々堂々と自宅を見たいとか、言えばいいじゃない」
イブはこそこそ、する人が大嫌いな性格でいつも、はっきりと物を言わない人にしかりつけている。
「マリさん、どうしますか?このままですと、治安情報局の場所や、少なくとも我々の素性がばれることになりますよ」
「う~ん、困ったな、どうしよう~」
ポーラがうれしそうに
「マリさん、それなら、この近くにある、私の家に寄りませんか。一度、車から降りて、私の家に入り、裏口から出て、また、葉子にピックしてもらえば、かわせるんじゃないですか」
「お~、いいですね。それ、そうすれば、普通の家の子だと思われるし、3人一緒でも、そのうちの一人の家に帰りに寄ったことにすればいいですからね」
「はい」
「それじゃあ、向かいましょう」
「葉子、次の交差点、左に曲がって」
「了解」
イブは少しイライラした様子で
「ポーラの家に着いたら、私が、あいつにはっきり言ってくるよ。もう着いてくるなって」
「イブ、今日は14時から、治安情報局の局の全員ではじめてのミーティングをするから、
こんなことで、時間を取られたくないの、無視して、さっさと局に戻りましょう」
「マリが、そういうんなら、承知しました!」
イブはまだ、不服そうだったが、マリの指示なので、がまんした。
「あ、見えてきましたよ。ここが、パリで使っている家ですよ~」
マリ達がポーラはどんな家に住んでいるのかな~と車内から家を見たら、そこは、お城のような、どでかい家でポーラが胸からリモコンのようなものをポチっと押したら、大きな門が開いた。
「葉子、このまま行って、あの家の前で降ろして」
「了解、ポーラ、ここがあなたの家なの?」
「う~ん、家はあちこちにあるけど、ここは、勤め先が一番近い家だから、今はここから通っているわ」
そこでマリが
「ポーラさん、親は何をしてるんですか?」
「あ~うちですか、うちは、警備会社をやってるんですよ」
ユウキが
「でも、こんなすごい家に住めるくらいなのに、なんで国土監視局に努めるんですか?」
「うちは、父がかなり厳しくて、『現場を知らない人間はろくな人間にならない、しばらくはこの家には住んでいいが、自分の給料で生活して、世の中の厳しさを学んでこい』なんて言われて、結構いつも金欠なんですよ。だから、本当はマリさん達と一緒に住んで、ベータのごはんを食べて、食費を浮かしたいぐらいなんです」
そして、家の前に着いた。
「どうぞ、こちらです」
ポーラと3人は言われた通り車から降りて、大きな階段を数段あがり、大きな扉をポーラが指紋と静脈認証のような機械に触れ、すぐに扉が開いた。それを見て、マリは
「すご~い」
ユウキが、
「マリ、ウチの局も全く防犯設備がないから、ポーラの会社に頼んだ方がいいんじゃない」
「本当、そうだね。そうしたら、すごく安心だよね」
皆は室内に入り、圧倒された、バロック様式で造られたこの建物は、宮殿のような面持ちで
マリ達を包み込んだ。イブはすぐに
「マリ、本当は私、こういう家に住みたいんだよね。今度、みんなで、泊まろうよこの家、ポーラ1人じゃ、大きすぎるでしょ」
「え~、いつでも来てください。使用人もいるんですけど、お客様が来られる時は、食事から、何から何まで、すべて対応してもらえるようになっているので、私も助かります」
「あら、そうなの、じゃあ、気が向いたら、利用させてもらうわ」
相変わらず、イブは偉そうな態度で話した。
「皆さん、あそこが裏口の扉です。遅れそうですから、急いで行きましょう」
そう言って、マリ達は裏口から葉子が待機している車に乗り込んだ。
「あんた、この家、たしか、フランスの民間警備会社の社長の家じゃない」
「姉さん、知ってるの?」
「知ってるわよ。だってこの建物、ブルボン王朝から続く、元貴族の有名な建物だもの」
「本当!」
「たしかにあんたの言った通り、只者じゃないわね。あの3人、フフフ、なんだか、私もあんた以上に興味が湧いてきたわ。今度、私に紹介してよ。あの3人」
「姉さんじゃなくて、僕が知りたいんだよ。あの3人を」
「いいじゃない、別に、紹介してくれれば、この私が聞き出してあげるわよ。あの3人の秘密をね」
やはり、姉弟、よく似ている。そんな話をしている時、マリ達はなんなく裏口から車で
走り去った。さらにパスカルと、その姉の疑問を深めたことも知らずに・・・
ところが、この学校に彗星のごとく現れた、この三銃士ともいうべき存在がとても気になり、昨日、その力の片鱗を見せつけられ、自分の人生において、これ以上の刺激のある出来事はないだろうと、自らの心がマリ達の正体を突き止めたいという強い衝動にかられていた。
「姉さん、頼むよ、ね、今日の13時には学校が終わるからさ、車で調べたいことがあるんだよ」
「なによ、調べたいことって」
マリの同級生パスカルは今日こそは、マリの自宅を見つけ、あの三人が一体どういう素性なのか調べたいと考えていた。
「同級生で不思議な3人がいるんだ。いつも一緒にいて、人間とは思えない、すごい能力を
持っているんだ」
「はあ~?あんた、漫画やテレビの見過ぎじゃないの?高校1年生の子供がそんな力あるわけないじゃない、バカじゃないの?」
「本当だよ。しかも、その3人はいつも、学校から少し離れたところから、高級車でお迎えだってくるんだ」
「なによ、そんなのめずらしくないわ。親の稼ぎが多くて、忙しい親は人を雇って、お迎えに来てもらうなんて、よくあるじゃない。ましてや1台に3人が乗れば、経済的じゃない。あんたは本当に考えがまだまだ、子供ね。でも、まあ、いいわ、今日は特に予定もないし、あんたにつきあってあげる。そのかわり、あんた、今月はあんたはもちろんだけど、私の分も変わりに家事をやりななさい」
フランスでは、子供は、家の手伝いをするのは、当たり前で、毎日、子供たちができる範囲で家事を分担する。
「わかったよ。じゃあ、姉さん、13時に学校の前で待ち合わせ。たのむよ」
「わかったわよ」
パスカルは、姉の承諾が得られて、ホッとした。今日こそは、必ず正体を見破ってやると、朝ご飯をむしゃむしゃ食べながら、考えていた。
放課後、いつも通り、マリ達3人は学校から出てきた。パスカルは早めに学校から出て、プジョーでも小さめの車に乗っている姉の車に乗り込んで待機していた。
「姉さん、出て来たヨ。あの3人だよ!」
「ヒュー、男の子はすごいかっこいいじゃない、背が高くて、イケてるわね。その横の金髪の女の子もとんでもない美人でスタイル抜群じゃないの。一番前に歩いている黒髪の女の子はなんか、日本のお人形みたいで、こっちもなかなかプリティじゃない。あんた、どの子がねらいなのよ」
「そんなんじゃないよ」
「いいのよ、とぼけなくったって、そうねえ、あんたは、意外と普通の美人は避けるだろうから、たぶん前を歩いているプリティガールね。でも、あんた、これって、ストーカーじゃない、
あんたも男なら、直接聞けばいいじゃない。こんなこそこそして、カッコ悪い」
「だから、そんなんじゃないよ。学校でも聞いたさ。そりょあ、そしたらさ『パスカル、別に私達は普通の高校生だよ。だから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ』なんて言われて、何も聞き出せなかったんだ」
「あら、そうなの。まあ、いいわ、しばらく、後ろから離れて付けてみましょ」
3人は学校から100mぐらい離れたところから、迎えにきた、黒の高級車に乗り込んだ。
「たしかに、あんなすごい高級車、ちょっと普通じゃないわね」
「あ、姉さん、走り出しちゃったよ。早く、跡をつけて」
急いで、パスカル達はその車の跡をつけた。しばらくして、前の車が何回か交差点を曲がった時に運転をしている松田葉子が
「マリさん」
「どうしました葉子さん?」
「2台後ろの車につけられていますよ、間違いありません」
助手席に座っている国土監視局のポーラも
「あれは、学校の前に止まっていた車ですね。恐らく、学校の生徒だと思います」
ユウキはその言葉を聞き、後ろに目を向けて、観察した。
「マリ、運転手は誰かは、わからないが、助手席に座っているのは、同じクラスのパスカルだね」
「パスカル?そういえば、昨日の午後から、数回、私達のことを聞いてきてたよね」
「あ、そうだったね」
「全く、気持ち悪い男だね。こそこそ、隠れて付いてくるなんて、正々堂々と自宅を見たいとか、言えばいいじゃない」
イブはこそこそ、する人が大嫌いな性格でいつも、はっきりと物を言わない人にしかりつけている。
「マリさん、どうしますか?このままですと、治安情報局の場所や、少なくとも我々の素性がばれることになりますよ」
「う~ん、困ったな、どうしよう~」
ポーラがうれしそうに
「マリさん、それなら、この近くにある、私の家に寄りませんか。一度、車から降りて、私の家に入り、裏口から出て、また、葉子にピックしてもらえば、かわせるんじゃないですか」
「お~、いいですね。それ、そうすれば、普通の家の子だと思われるし、3人一緒でも、そのうちの一人の家に帰りに寄ったことにすればいいですからね」
「はい」
「それじゃあ、向かいましょう」
「葉子、次の交差点、左に曲がって」
「了解」
イブは少しイライラした様子で
「ポーラの家に着いたら、私が、あいつにはっきり言ってくるよ。もう着いてくるなって」
「イブ、今日は14時から、治安情報局の局の全員ではじめてのミーティングをするから、
こんなことで、時間を取られたくないの、無視して、さっさと局に戻りましょう」
「マリが、そういうんなら、承知しました!」
イブはまだ、不服そうだったが、マリの指示なので、がまんした。
「あ、見えてきましたよ。ここが、パリで使っている家ですよ~」
マリ達がポーラはどんな家に住んでいるのかな~と車内から家を見たら、そこは、お城のような、どでかい家でポーラが胸からリモコンのようなものをポチっと押したら、大きな門が開いた。
「葉子、このまま行って、あの家の前で降ろして」
「了解、ポーラ、ここがあなたの家なの?」
「う~ん、家はあちこちにあるけど、ここは、勤め先が一番近い家だから、今はここから通っているわ」
そこでマリが
「ポーラさん、親は何をしてるんですか?」
「あ~うちですか、うちは、警備会社をやってるんですよ」
ユウキが
「でも、こんなすごい家に住めるくらいなのに、なんで国土監視局に努めるんですか?」
「うちは、父がかなり厳しくて、『現場を知らない人間はろくな人間にならない、しばらくはこの家には住んでいいが、自分の給料で生活して、世の中の厳しさを学んでこい』なんて言われて、結構いつも金欠なんですよ。だから、本当はマリさん達と一緒に住んで、ベータのごはんを食べて、食費を浮かしたいぐらいなんです」
そして、家の前に着いた。
「どうぞ、こちらです」
ポーラと3人は言われた通り車から降りて、大きな階段を数段あがり、大きな扉をポーラが指紋と静脈認証のような機械に触れ、すぐに扉が開いた。それを見て、マリは
「すご~い」
ユウキが、
「マリ、ウチの局も全く防犯設備がないから、ポーラの会社に頼んだ方がいいんじゃない」
「本当、そうだね。そうしたら、すごく安心だよね」
皆は室内に入り、圧倒された、バロック様式で造られたこの建物は、宮殿のような面持ちで
マリ達を包み込んだ。イブはすぐに
「マリ、本当は私、こういう家に住みたいんだよね。今度、みんなで、泊まろうよこの家、ポーラ1人じゃ、大きすぎるでしょ」
「え~、いつでも来てください。使用人もいるんですけど、お客様が来られる時は、食事から、何から何まで、すべて対応してもらえるようになっているので、私も助かります」
「あら、そうなの、じゃあ、気が向いたら、利用させてもらうわ」
相変わらず、イブは偉そうな態度で話した。
「皆さん、あそこが裏口の扉です。遅れそうですから、急いで行きましょう」
そう言って、マリ達は裏口から葉子が待機している車に乗り込んだ。
「あんた、この家、たしか、フランスの民間警備会社の社長の家じゃない」
「姉さん、知ってるの?」
「知ってるわよ。だってこの建物、ブルボン王朝から続く、元貴族の有名な建物だもの」
「本当!」
「たしかにあんたの言った通り、只者じゃないわね。あの3人、フフフ、なんだか、私もあんた以上に興味が湧いてきたわ。今度、私に紹介してよ。あの3人」
「姉さんじゃなくて、僕が知りたいんだよ。あの3人を」
「いいじゃない、別に、紹介してくれれば、この私が聞き出してあげるわよ。あの3人の秘密をね」
やはり、姉弟、よく似ている。そんな話をしている時、マリ達はなんなく裏口から車で
走り去った。さらにパスカルと、その姉の疑問を深めたことも知らずに・・・
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。
みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。
マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。
そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。
※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
隠れチート!異世界スローライフを謳歌する侯爵令嬢
(笑)
恋愛
侯爵家の令嬢として異世界に転生したアリシアは、静かなスローライフを夢見ている。しかし、彼女の中には秘められた強大な魔力が眠っており、その力が国の未来に深く関わる存在だと知らされる。彼女は自身の力に戸惑いながらも、平穏な日常を守るためにどう行動すべきかを模索していく。
王家や騎士団、そして謎の襲撃者たちに囲まれる中、アリシアはその力をどのように使うべきか、そして何を守るために戦うのかを選択しなければならない。彼女の静かな願いと、国の命運が交差する中で、アリシアは自分の道を切り開いていく。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
転生した悪役令嬢は異世界でメイドカフェを開きます。あ、勇者様はスポンサーでお願いします!
高井うしお
ファンタジー
リリアンナは冷たい言葉と共に王子に婚約破棄された。しかしそれは彼女の目的の序章に過ぎなかったのだ。
「私、メイドカフェの妖精さん(運営する人)になれるなら鬼になります!」
「え?」
リリアンナは異世界転生したメイドフェチだったのである。
一方、高校生の時に異世界転移し、魔王討伐を終えた勇者ハルトは褒美に領地を与えられ、悠々自適の生活を送る予定だった。
だが、ついでに王からリリアンナを花嫁として押し付けられる。
こいつは、やばい!だが……。
「離婚? やだ、王の名前で鳴り物入りで結婚したのに出来るわけないじゃないですかー」
かくして、ハルトは魔王よりやっかいな嫁とともにメイドカフェを経営することに……?
━━━━━━━━━━━━━━━
お陰様でホットランキングにのれました。
ありがとうございます。
お気に入り登録をぜひお願いします!
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる