50 / 180
フランス2
46話 滞在の条件
しおりを挟む
「あ~お腹が空いたよ~」
マリは人段落ついたせいか、急にお腹が空いてきた。
「葉子さん、まだ、あのお店やってますか?」
「やっているとは思いますけど、あれだけの騒ぎを起こしましたから、あそこには近づかないほうがいいと思いますよ」
「そうかあ、残念。どこかいい店を知ってますか?」
「もちろん知ってますよ」
「それでは、行きましょうか」
そう言って、取調室を出ようとした時、
「あなたは一緒には行けませんよ」
とクロード警部補がイブを止めた。
「邪魔よ。私もマリと一緒に行動することになったのよ。それに、わたしも1日中歩いて、お腹が空いてきたし」
「ポール、どうしますか?」
「そうだな。ちょっと、今、話していた内容を全部、信じろというには無理はあるが、この女性の照会もしたが、身元もはっきりしないし、仮に外国籍だとしてもETIAS(旅行情報認証)やパスポートもなければ、どこにも行くことはできないから、通常であれば、拘留ということになるな」
それを聞いていたマリが不思議そうに
「あの~ちょっと、よろしいですか。イブさんの話を信じていないようですが、どうすれば、信じてくれるのですか。ユウキくんが、サターン人と認めてますし、この星の人ではないのですから、あらゆる法律も関係ないと思いますけど・・・そうだよねユウキくん」
「そうですね。その通りです、私もサターン人とは一緒にいたくはないし、かばいたくもないのですが、マリの指示なので、言わせてもらいますが、はっきり言って、地球人の手におえるような生命体ではありません。逆に無理やり拘留なんかしたら、このパリの街を一瞬で消してしまう力も持っていますから。ですから、マリと一緒にいるのがこの世界のためだと思います」
「本当ですか?このパリを一瞬で消してしまうなんてことが・・・」
イブは下を向いてクスクスと笑っていた。そこで葉子が
「ちょっと待ってくださいよ。ユウキさん、あの時、もしマリさんがイブさんを助けなかったらどうなっていたんですか?」
「おそらく、今頃、ここは焼け野原になっていたでしょう」
イブはまた笑っていた。
「じゃあ、もし、あの時、わたしがイブさんを助けようとしているマリさんを止めていたら・・・」
「はい、大変なことになっていたでしょう」
葉子はマリの行動が軽率で幼いと考えていたが、マリさんの不思議な直感的な能力がこの街を救ったのだと、震えるような思いで、鳥肌がたった。
こんな話をしても、まだ国土監視局の3人は信じ切れていないようだったが、
「わかりました。マリさんがそこまで言うなら、しばらくお任せします。ですが、フランスとしても、野放しと言うわけにはいきませんので、しばらくの間、監視する者をつけさせてもらいます」
「え~、もういいですよ。松田葉子さんがいるのにもう一人!無理です」
「こちらも無理です。この条件を飲めないなら、イブさんはこちらに残ってもらいます」
「ふ~困ったな」
マリはふくれた顔をしたが、小さなことで言い争って、この街が消えてしまっては大変だと思い、
「とりあえず、わかりました」
ポール局長はホッとした。そして、
「マリ、今日はこれで終わりますが、また、明日、9時にホテルに迎えの車を回しますから
お手数なんですが、フランス軍へ事情聴取へ皆さんで行っていただけますか。今回の件での処分など、必要な情報を知りたいということで」
「それって、行かないとダメなんですか?学校に行く準備をしたいんですけど・・・
あれ?そういえば、赤い球体はイブさんが出して、そんでもって、この世界の平和に協力してくれることになって」
マリはしばらく考えて
「フランスに滞在する必要って、もうないんじゃないのかな」
マリはユウキと葉子を見て話した。二人も頷いて
「ハハハ、そうだね。マリはフランスに来て初日に人類破滅の危機を解決してしまったね」
葉子も隣で笑いながら頷いた。
「でも、せっかく、いろいろと段取りしてもらったし、両親にも、すぐに帰ったら怪しまれるし、しばらく滞在、留学させてもらうしかないね!」
マリはすっきりとした顔で二人を見た。
「ポーラ、疲れているところ悪いが、今日はお前がイブさんの監視をしてくれないか。事情が分かっている者が適任だからな」
「わかりました。でも局長、明日の朝には、代わりの人をよこしてください。明日は私、休みなんですから、それと、深夜残業もつけますからね」
「わかった。わかった。今回は特別だからな、ホテルの滞在やその他、経費なども任せるから」
それを聞いたポーラはにっこり笑って
「それでは、皆さ~ん、パリジェンヌのわたしがパリのおいしい~レストランにご案内しますから」
急に陽気になったポーラにマリ達はびっくりしたが、言われるがまま付いていくことにした。
イブは、とても満足そうな顔でマリを見つめながら、向った。夜の光輝くパリの街へ
マリは人段落ついたせいか、急にお腹が空いてきた。
「葉子さん、まだ、あのお店やってますか?」
「やっているとは思いますけど、あれだけの騒ぎを起こしましたから、あそこには近づかないほうがいいと思いますよ」
「そうかあ、残念。どこかいい店を知ってますか?」
「もちろん知ってますよ」
「それでは、行きましょうか」
そう言って、取調室を出ようとした時、
「あなたは一緒には行けませんよ」
とクロード警部補がイブを止めた。
「邪魔よ。私もマリと一緒に行動することになったのよ。それに、わたしも1日中歩いて、お腹が空いてきたし」
「ポール、どうしますか?」
「そうだな。ちょっと、今、話していた内容を全部、信じろというには無理はあるが、この女性の照会もしたが、身元もはっきりしないし、仮に外国籍だとしてもETIAS(旅行情報認証)やパスポートもなければ、どこにも行くことはできないから、通常であれば、拘留ということになるな」
それを聞いていたマリが不思議そうに
「あの~ちょっと、よろしいですか。イブさんの話を信じていないようですが、どうすれば、信じてくれるのですか。ユウキくんが、サターン人と認めてますし、この星の人ではないのですから、あらゆる法律も関係ないと思いますけど・・・そうだよねユウキくん」
「そうですね。その通りです、私もサターン人とは一緒にいたくはないし、かばいたくもないのですが、マリの指示なので、言わせてもらいますが、はっきり言って、地球人の手におえるような生命体ではありません。逆に無理やり拘留なんかしたら、このパリの街を一瞬で消してしまう力も持っていますから。ですから、マリと一緒にいるのがこの世界のためだと思います」
「本当ですか?このパリを一瞬で消してしまうなんてことが・・・」
イブは下を向いてクスクスと笑っていた。そこで葉子が
「ちょっと待ってくださいよ。ユウキさん、あの時、もしマリさんがイブさんを助けなかったらどうなっていたんですか?」
「おそらく、今頃、ここは焼け野原になっていたでしょう」
イブはまた笑っていた。
「じゃあ、もし、あの時、わたしがイブさんを助けようとしているマリさんを止めていたら・・・」
「はい、大変なことになっていたでしょう」
葉子はマリの行動が軽率で幼いと考えていたが、マリさんの不思議な直感的な能力がこの街を救ったのだと、震えるような思いで、鳥肌がたった。
こんな話をしても、まだ国土監視局の3人は信じ切れていないようだったが、
「わかりました。マリさんがそこまで言うなら、しばらくお任せします。ですが、フランスとしても、野放しと言うわけにはいきませんので、しばらくの間、監視する者をつけさせてもらいます」
「え~、もういいですよ。松田葉子さんがいるのにもう一人!無理です」
「こちらも無理です。この条件を飲めないなら、イブさんはこちらに残ってもらいます」
「ふ~困ったな」
マリはふくれた顔をしたが、小さなことで言い争って、この街が消えてしまっては大変だと思い、
「とりあえず、わかりました」
ポール局長はホッとした。そして、
「マリ、今日はこれで終わりますが、また、明日、9時にホテルに迎えの車を回しますから
お手数なんですが、フランス軍へ事情聴取へ皆さんで行っていただけますか。今回の件での処分など、必要な情報を知りたいということで」
「それって、行かないとダメなんですか?学校に行く準備をしたいんですけど・・・
あれ?そういえば、赤い球体はイブさんが出して、そんでもって、この世界の平和に協力してくれることになって」
マリはしばらく考えて
「フランスに滞在する必要って、もうないんじゃないのかな」
マリはユウキと葉子を見て話した。二人も頷いて
「ハハハ、そうだね。マリはフランスに来て初日に人類破滅の危機を解決してしまったね」
葉子も隣で笑いながら頷いた。
「でも、せっかく、いろいろと段取りしてもらったし、両親にも、すぐに帰ったら怪しまれるし、しばらく滞在、留学させてもらうしかないね!」
マリはすっきりとした顔で二人を見た。
「ポーラ、疲れているところ悪いが、今日はお前がイブさんの監視をしてくれないか。事情が分かっている者が適任だからな」
「わかりました。でも局長、明日の朝には、代わりの人をよこしてください。明日は私、休みなんですから、それと、深夜残業もつけますからね」
「わかった。わかった。今回は特別だからな、ホテルの滞在やその他、経費なども任せるから」
それを聞いたポーラはにっこり笑って
「それでは、皆さ~ん、パリジェンヌのわたしがパリのおいしい~レストランにご案内しますから」
急に陽気になったポーラにマリ達はびっくりしたが、言われるがまま付いていくことにした。
イブは、とても満足そうな顔でマリを見つめながら、向った。夜の光輝くパリの街へ
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる