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第24話 あいしてます
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その頃には私は息も絶え絶えで、胸が上下に動き続けていた。
目を開くとユリウスは寝間着の紐を解いていた。
左手で私の頭を撫でてから、ユリウスは寝間着を脱いだ。
パサリと布の落ちる音。
すべてをさらけ出したユリウスが、私の足の間に硬くなったものを押し込む。
「んっ……」
「痛いか?」
「だいじょうぶ……だいじょうぶです……」
「いくぞ」
一気に奥まで押し込まれて、上半身がのけぞる。
「あっ……ああっ……」
「ミラベル」
甘い声が私を呼んで、私はその顔を見上げる。
潤んだ目がこちらを見ていた。
ユリウスは思った以上に余裕のない顔をしていた。
「ミラベル……ミラベル……!」
「はい……」
名前が、こんなに優しい名前の呼ばれ方が、ひたすらに嬉しかった。
私は彼のたくましい背に手を回す。
彼も腕を伸ばして私を抱き締める。
私の中には脈打つ彼自身が収まっていく。
「動くぞ、いいか?」
「動いてください。ぐちゃぐちゃに……してください……」
私の懇願にユリウスは私の肩を柔らかく噛んだ。
「あ……」
全身で求められている。
その事実が私の心を満たしていく。
ぎゅっと抱き締め合っているその事実が愛おしい。
頬を寄せ合い、離れがたいように全身をくっつけている。
ただ下半身だけがゆっくりと抽挿を繰り返している。
胎の中がその先に与えられるものを求めている。
私の中はユリウスを逃がしたくないように、力が入る。
「……あいしてます」
小さく呟いた言葉に返事はなく、ただ打ち付けられる腰の動きが鋭くなった。
「……おれは」
その先は聞こえなかった。
私の意識が飛んでいたのか、彼が何も言わなかったのか。
それはわからないまま、私の胎の中にあの熱いほとばしりが注ぎ込まれていった。
「ミラベル……」
名前を呼ばれたのは、多分、気のせいじゃなかった。
「ん……」
次に起きたとき、ユリウスはまだ寝室にいて、私を後ろから抱き締めていた。
裸の胸の前に回されているたくましい腕にひっそりと口付けをした。
「……駄目ですよね。愛してるなんて」
私は子供を産むための王妃。
それ以上を、望んではいけない。
だけど、この心が止まらないのはよくわかっていた。
「……せめて、心の中だけで、あなたを愛してもいいですか」
「ああ」
「えっ!?」
耳元で低い声がして、体が跳びはねた。
「ゆ、ユリウス……さん、起きてて……!?」
「呼び捨てでいい、ミラベル」
「は、はい……」
「……俺を、愛してくれるのか、ミラベル」
耳元で切なげな声音が私を呼んだ。
「……愛して、しまいました。あなたが優しくしてくれたから……単純な女だと笑ってくれて構いません」
「……そうか」
ユリウスが私の首筋に後ろから顔を埋める。
「俺は君に酷いことを強いた。だから……君に嫌われる覚悟もしていたのに……君は俺を愛してくれるんだな……」
「…………はい」
「嬉しい」
「っ……!」
それは、私の言葉でもあった。
「君を愛して良いのなら、俺も君を愛したい。愛してる」
「……わ、私のどこを?」
喜びに飲み込まれそうになるのを我慢して、私はそう尋ねていた。
「……誰かに愛されたのは、初めてだったから」
胸が締め付けられるような切ない声音だった。
まるで迷子の子供のように頼りない彼の言葉に私は戸惑う。
魔王とはそれほど孤独なものなのだろうか?
こんなにも優しい人なのに。
自分自身の喜びと、ユリウスへの思いで私は涙がこぼれてくるのを、我慢できなかった。
背後からでもそれに気付いてくれたユリウスは私の体をくるりと半回転させた。
涙目で彼に向かい合う。
ユリウスの舌が私の目尻に伸びた。
私の涙は、ユリウスに舐め取られていった。
目を開くとユリウスは寝間着の紐を解いていた。
左手で私の頭を撫でてから、ユリウスは寝間着を脱いだ。
パサリと布の落ちる音。
すべてをさらけ出したユリウスが、私の足の間に硬くなったものを押し込む。
「んっ……」
「痛いか?」
「だいじょうぶ……だいじょうぶです……」
「いくぞ」
一気に奥まで押し込まれて、上半身がのけぞる。
「あっ……ああっ……」
「ミラベル」
甘い声が私を呼んで、私はその顔を見上げる。
潤んだ目がこちらを見ていた。
ユリウスは思った以上に余裕のない顔をしていた。
「ミラベル……ミラベル……!」
「はい……」
名前が、こんなに優しい名前の呼ばれ方が、ひたすらに嬉しかった。
私は彼のたくましい背に手を回す。
彼も腕を伸ばして私を抱き締める。
私の中には脈打つ彼自身が収まっていく。
「動くぞ、いいか?」
「動いてください。ぐちゃぐちゃに……してください……」
私の懇願にユリウスは私の肩を柔らかく噛んだ。
「あ……」
全身で求められている。
その事実が私の心を満たしていく。
ぎゅっと抱き締め合っているその事実が愛おしい。
頬を寄せ合い、離れがたいように全身をくっつけている。
ただ下半身だけがゆっくりと抽挿を繰り返している。
胎の中がその先に与えられるものを求めている。
私の中はユリウスを逃がしたくないように、力が入る。
「……あいしてます」
小さく呟いた言葉に返事はなく、ただ打ち付けられる腰の動きが鋭くなった。
「……おれは」
その先は聞こえなかった。
私の意識が飛んでいたのか、彼が何も言わなかったのか。
それはわからないまま、私の胎の中にあの熱いほとばしりが注ぎ込まれていった。
「ミラベル……」
名前を呼ばれたのは、多分、気のせいじゃなかった。
「ん……」
次に起きたとき、ユリウスはまだ寝室にいて、私を後ろから抱き締めていた。
裸の胸の前に回されているたくましい腕にひっそりと口付けをした。
「……駄目ですよね。愛してるなんて」
私は子供を産むための王妃。
それ以上を、望んではいけない。
だけど、この心が止まらないのはよくわかっていた。
「……せめて、心の中だけで、あなたを愛してもいいですか」
「ああ」
「えっ!?」
耳元で低い声がして、体が跳びはねた。
「ゆ、ユリウス……さん、起きてて……!?」
「呼び捨てでいい、ミラベル」
「は、はい……」
「……俺を、愛してくれるのか、ミラベル」
耳元で切なげな声音が私を呼んだ。
「……愛して、しまいました。あなたが優しくしてくれたから……単純な女だと笑ってくれて構いません」
「……そうか」
ユリウスが私の首筋に後ろから顔を埋める。
「俺は君に酷いことを強いた。だから……君に嫌われる覚悟もしていたのに……君は俺を愛してくれるんだな……」
「…………はい」
「嬉しい」
「っ……!」
それは、私の言葉でもあった。
「君を愛して良いのなら、俺も君を愛したい。愛してる」
「……わ、私のどこを?」
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「……誰かに愛されたのは、初めてだったから」
胸が締め付けられるような切ない声音だった。
まるで迷子の子供のように頼りない彼の言葉に私は戸惑う。
魔王とはそれほど孤独なものなのだろうか?
こんなにも優しい人なのに。
自分自身の喜びと、ユリウスへの思いで私は涙がこぼれてくるのを、我慢できなかった。
背後からでもそれに気付いてくれたユリウスは私の体をくるりと半回転させた。
涙目で彼に向かい合う。
ユリウスの舌が私の目尻に伸びた。
私の涙は、ユリウスに舐め取られていった。
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