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第33話 激しく愛しく

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 ランドルフの手がベアトリクスの頬を撫でた。
 ベアトリクスは目を伏せた。
 その唇にランドルフは口づけた。

 ランドルフの唇がベアトリクスの口内を舐める。

「んん……!」

 歯茎を、頬の内側を、舌を、撫でるランドルフにベアトリクスは答えて、舌を伸ばす。

 舌が絡み合う。

 口が離れればヨダレが糸を引き、ランドルフは急いでそれを手の甲で拭った。

 ランドルフは服を脱ぎ、ベアトリクスも寝間着を脱ぐ。
 ここ最近はベアトリクスも自分で寝間着くらいなら脱げるようになりつつあった。

「ねえ、私、上手くなったと思わない?」
「そうですね」

 照れ笑いをしてランドルフはベアトリクスの裸体を見つめる。
 美しいその裸体は何度見ても見慣れなかった。

「ああ……この体を自分の腕にかき抱くことができるなんて……」

 ランドルフはベアトリクスに抱きついた。

「……汗をかいてる? ランドルフ」
「す、すみません、不快でしたか?」
「いえ、いいの。もう暑くなってきたものね……」

 ベアトリクスはランドルフを抱きしめ返しながらそう返す。

「ねえ、ランドルフ、今日は私ががんばってみたいの!」
「はい?」

 ランドルフは戸惑った。

「さあさ、寝転がって!」
「は、はい……」

 ランドルフは言われるがままに、ベッドに仰向けに横たわった。
 この国で一二を争う寝心地の良さを誇るベッドに体を預けながらも、ランドルフの体はちっともくつろげなかった。

 ベアトリクスがランドルフの腹の上に恐る恐る跨がる。

「ああ……すごい眺めです、ベアトリクス……」

 ランドルフは手を伸ばし、ベアトリクスの胸に触れた。

「んっ……」

 ベアトリクスは跳ねた。
 ランドルフの腹をベアトリクスの愛液が濡らした。

「あ、ご、ごめんなさい……」
「もう汗で濡れているんだ。そう変わりはしませんよ」

 そう言われてもベアトリクスは恥じらった。
 彼女は手をランドルフの胸板に置いた。
 尻をじりじりと後ろに下げれば、硬くなったランドルフに当たった。

「い、いきますね?」
「うん」

 腰を浮かす。
 肉棒に手で触れて固定する。

「ふう……」

 息を吐いて、彼女は腰を下ろした。

「んんっ!」

 肉棒が膣口をかき分け、彼女の中に侵入する。
 ベアトリクスの自重で奥へ奥へと深く入っていく。

「んんー!」

 ベアトリクスの顔が赤い。
 その痴態にランドルフは溜まらず自分から突き上げた。

「きゃあっ!」

 最奥が突かれて背をのけぞらせる。

「あ、ああ……」

 生理的な涙がベアトリクスの頬を伝う。

「ら、ランドルフ、やだっ! ああっ!」

 ランドルフの腰は止まらない。
 己の上で跳ね飛ぶ白い体、その暴れ動く双丘が彼の劣情を煽った。

「すみません! ああ、我慢できない!」
「ランドルフっ! やんっ! 馬鹿ぁ……!」

 ベアトリクスの体がビクンと跳ねて、彼女は絶頂に達した。



「もう……!」

 怒りにまかせてベアトリクスはランドルフの腹を叩く。
 よく鍛えられた腹筋に衝撃は柔らかく吸収されていく。

「私ががんばるって言ったじゃない!」
「すみません……我慢の利かない男で……」
「罰です。私が良いと言うまで吐精を禁じます」
「い、いや、禁止されて我慢できるようなものでは……」
「問答無用です」

 ベアトリクスは体を動かし出した。
 ゆっくりと前後に体を揺する。
 ベアトリクスの中でランドルフの肉棒が動く。
 水音がかすかにする。

「……うう」

 視覚と肉体への刺激にランドルフは頬を紅潮させる。

「べ、ベアトリクス……」
「どう? どう?」
「い、いいです……とてもいい……いいけど……こ、これは……」
「これは? これは何?」
「気持ちよすぎて……とても……とても……我慢が……」
「うふふ」

 ベアトリクスは喜びに顔を歪めた。

「嬉しい。でも、我慢してもらいます。まだまだこれからです」
「うう……」

 ベアトリクスは腰を浮かせた。
 ズルズルと膣の中からランドルフの肉棒が出ていき、そしてまた腰を下ろす。

「うふふ……」

 上下に動きながらベアトリクスは快楽にのけぞり、上を向いた。
 双丘が見せつけられるように突き出る。

「はあ……はあ……」

 ランドルフの肉棒はピクピクと動く。
 必死に我慢しているのが、分かり、ベアトリクスは愉悦に体を揺らした。

「あっ……」
「気持ちいい? 気持ちいい?」
「は、はい……」

 ベアトリクスは腰を浮かせるとき、ランドルフの肉棒の引っかかりを締め付けることを覚えた。
 そうする度に、ランドルフの先から我慢しきれない汁が漏れる。
 それがベアトリクスの中を犯すと、ベアトリクスは歓喜に震えた。

「ランドルフ……」
「ご、ごめんなさい」
「すごくいい……」

 ベアトリクスは恍惚の顔をランドルフに向けた。

「べ、ベアトリクス……」
「いいわ、いつでも、いいわ」

 そう言って、激しくベアトリクスは腰を上下に動かし出した。

「はあ……ああん……はあ……」
「うっ……ぐっ……出るっ……!」

 どくんと脈打ち、ベアトリクスの中にランドルフの精は注がれた。

 ベアトリクスは腰を下ろし、ランドルフの太ももに腰掛けた。

「はあ……」

 体力の限界に到達し、ベアトリクスはランドルフにもたれかかった。
 ランドルフはその体を抱きしめた。

 ランドルフの大きな体にベアトリクスはすっぽりと収まった。

「……大好き」
「はい、俺も、愛している」
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