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第29話 王の手からそれらはこぼれ落ちて
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「……分かった」
ローレンスはうなずいた。
ソファに深く座り直し、ベアトリクスから視線を切った。
「……ベアトリクス、殺しなどしない。この先、お前は生きるのだ。生きてこの国に危難が訪れる度に苦しむがいい。これは自分が聖女を拒んだ罰であると。……アルフレッドの領地のことはまた追って報せる」
「……その大赦に感謝します、ローレンス陛下」
ベアトリクスは頭を深々と下げた。
ほつれた髪がはらりと落ちた。
「……帰りましょう、ランドルフ」
「はい、姫様」
二人は連れ立ってローレンスの自室から出て行こうとした。
その背に国王は声をかけた。
「ランドルフ、少し残れ」
騎士はためらいながら姫を見つめた。
姫は頷き、ひとり前に進んだ。
「私は大丈夫。外にはサラがいるもの」
「はい……」
ランドルフは残り、ベアトリクスが出て行った部屋のドアを閉めた。
「……俺なんぞに、何の用でしょう?」
「なあ、この俺が、従妹を本気で抱きたいと思っていたと聞いたら、君は笑うか?」
「…………!」
ランドルフは王の告白に驚愕したが、すぐに微笑んだ。
「笑いません。何しろ姫様は……それはそれはすばらしいお方ですから」
「知っている。ぽっと出の貴様なぞに言われずとも、知っているとも」
「……失礼いたします」
「ああ、二度とその面を俺に見せるな、ランドルフ」
「かしこまりました」
ランドルフはローレンスに背を向け、部屋から出て行った。
ひとり残されたローレンスはフッと息を吐き、天井を見上げた。
彼は今日この日、失恋をしたのだった。どれほど歪だろうとも。
ランドルフの閉めたドアを気遣わしげに振り返ったベアトリクスは近付いてくる人影に気付かなかった。
「ベアトリクス様!」
「うわ!? ……サラ!」
抱きついてきたサラは、泣いていた。
「ああ、大丈夫ですか? 姫様、姫様、何もされていませんか? 姫様……!」
嗚咽を漏らしながら、ベアトリクスを抱き続けるサラにベアトリクスは遠慮がちに背に手を回した。
「ああ、サラ、泣かないで。私は大丈夫。何もなかったわ」
「ごめんなさい……ごめんなさい……あなたを守れなくてごめんなさい……」
「何を言っているの、サラ。あなたはいつでも全力で私を守ってくれたわ。ランドルフ殿を呼んでくれたのだってあなたなのでしょう? 詳しくは分からないけど……魔女の技術で黄色い小鳥を操ってくれたのね?」
「は、はい……」
涙を流しながらサラはうなずいた。
「藁にもすがる思いでした……ああ、本当に、あなたが穢れなくてよかった……」
「いいの、いいのよ、サラ。泣かないで」
そうしている内にランドルフが部屋から出てきた。
「あ、あのーサラさん。黄色い小鳥なんですが……」
「ああ、頑張ってくれたわね……」
サラは涙を拭いベアトリクスから離れると、ランドルフの差し出した鳥を拾い上げた。
「大丈夫。療養すればまた元気に飛べますよ」
「よかった……!」
ランドルフはホッと胸をなで下ろした。
「それにしても……ランドルフ殿、よく王宮の中に入れてもらえたわね」
「黄色い小鳥の指示です。姫君の忘れ物を届けよ、と。そう言ったら王宮の人たちも入れてくれました」
「忘れ物?」
ベアトリクスはきょとんとした。
「はい、忘れ物」
「……サラ、私何か忘れた?」
「ええ、ランドルフ殿を」
サラはしれっと言った。
「……そうね。置いてくるんじゃなかったわ」
ベアトリクスはそう言うとランドルフに抱きついた。
「愛してる……離さない……私の愛しい人」
「……はい」
ランドルフはベアトリクスを強く抱きしめた。
「さあさ、離宮に戻りましょう!」
サラはきっぱりと言い放った。
離宮のベアトリクスの部屋に戻り、ランドルフとベアトリクスは抱き合いながらベッドにもぐりこんだ。
服も脱がず、そのままふたりは眠りについた。
サラはその様子に苦笑いをして、部屋から出た。
「……後のことは任せます」
「はい、サラ様」
うら若い侍女にいつも自分が待機している部屋の番を任せると、サラは外に出た。
まずはいつもの小屋に黄色い小鳥を連れて行き、手当てをしてやる。
そうしてから彼女は王宮へ足を向けた。
「まだ起きておいででしたか、ローレンス陛下」
「眠れると思うか? 失恋したんだぞ」
ローレンスの自室のソファ、先刻までベアトリクスが座っていたそこに我が物顔で腰掛けて、サラは鼻で笑った。
「……回りくどいことをなさるからです。最初から素直に愛を囁いていれば、また違った結果が出ていたかもしれません」
「王族唯一の子女を聖女ではなく我が妃にする……ははは、そんなこと許されるわけもない」
「その結果が聖女にも妃にもできないのですから、ざまあないですわね」
「傷をほじくりに来たのか?」
「いいえ、ただ……私の役割は終わったとあなたに伝えに来ました」
「……ベアトリクス付きを辞めると?」
「辞めろと言われるまでは辞めるつもりはありません。しかし……もう、もう大丈夫ですから」
「なるほど……つまり? 君は聖女になる覚悟を固めたと」
サラは乾いた微笑みを見せた。
「……私の父は、ベアトリクス様の父君です」
「ああ、知っているとも。大した醜聞だったらしいな。母がネチネチと言っていたよ。その裏で自分の夫は妹を犯していたというのに、だ。まったく俺たちは大した獣たちの血を引いている……」
「……王族の血を引いている子女……ベアトリクス様が駄目なら私がおります。あなたはどうせ、ベアトリクス様をどうにかしてモノにしたかったのでしょうから、提案はしてきませんでした。しかし失恋した今ならお心変わりもされているかと」
「それで? 好きでもない男に抱かれると、大した女だな、サラ……我が従姉君」
ローレンスはしばしサラを眺めていたが、首を横に振った。
「やめておこう、失恋の痛手が消えないうちに君を抱くのは……単純にかっこうが悪い」
「それは何より。それでは失礼致します、黒い鳥の陛下」
「ああ、夜遅くまで世話をかけたな黄色い鳥の姫殿下」
「お辞めください。聖女にならなくても良いというのなら、私は一生侍女のサラでいます。聖女になるのだって、この国のためではありません。姫様の小さな胸を痛めるようなことがなきようにとの思いからです」
「言うほど小さいか? あの胸」
「どこを見ておいでですか……」
呆れて見せて、サラはローレンスの部屋から退室した。
月のない夜はもはや明けようとしていた。
ローレンスはうなずいた。
ソファに深く座り直し、ベアトリクスから視線を切った。
「……ベアトリクス、殺しなどしない。この先、お前は生きるのだ。生きてこの国に危難が訪れる度に苦しむがいい。これは自分が聖女を拒んだ罰であると。……アルフレッドの領地のことはまた追って報せる」
「……その大赦に感謝します、ローレンス陛下」
ベアトリクスは頭を深々と下げた。
ほつれた髪がはらりと落ちた。
「……帰りましょう、ランドルフ」
「はい、姫様」
二人は連れ立ってローレンスの自室から出て行こうとした。
その背に国王は声をかけた。
「ランドルフ、少し残れ」
騎士はためらいながら姫を見つめた。
姫は頷き、ひとり前に進んだ。
「私は大丈夫。外にはサラがいるもの」
「はい……」
ランドルフは残り、ベアトリクスが出て行った部屋のドアを閉めた。
「……俺なんぞに、何の用でしょう?」
「なあ、この俺が、従妹を本気で抱きたいと思っていたと聞いたら、君は笑うか?」
「…………!」
ランドルフは王の告白に驚愕したが、すぐに微笑んだ。
「笑いません。何しろ姫様は……それはそれはすばらしいお方ですから」
「知っている。ぽっと出の貴様なぞに言われずとも、知っているとも」
「……失礼いたします」
「ああ、二度とその面を俺に見せるな、ランドルフ」
「かしこまりました」
ランドルフはローレンスに背を向け、部屋から出て行った。
ひとり残されたローレンスはフッと息を吐き、天井を見上げた。
彼は今日この日、失恋をしたのだった。どれほど歪だろうとも。
ランドルフの閉めたドアを気遣わしげに振り返ったベアトリクスは近付いてくる人影に気付かなかった。
「ベアトリクス様!」
「うわ!? ……サラ!」
抱きついてきたサラは、泣いていた。
「ああ、大丈夫ですか? 姫様、姫様、何もされていませんか? 姫様……!」
嗚咽を漏らしながら、ベアトリクスを抱き続けるサラにベアトリクスは遠慮がちに背に手を回した。
「ああ、サラ、泣かないで。私は大丈夫。何もなかったわ」
「ごめんなさい……ごめんなさい……あなたを守れなくてごめんなさい……」
「何を言っているの、サラ。あなたはいつでも全力で私を守ってくれたわ。ランドルフ殿を呼んでくれたのだってあなたなのでしょう? 詳しくは分からないけど……魔女の技術で黄色い小鳥を操ってくれたのね?」
「は、はい……」
涙を流しながらサラはうなずいた。
「藁にもすがる思いでした……ああ、本当に、あなたが穢れなくてよかった……」
「いいの、いいのよ、サラ。泣かないで」
そうしている内にランドルフが部屋から出てきた。
「あ、あのーサラさん。黄色い小鳥なんですが……」
「ああ、頑張ってくれたわね……」
サラは涙を拭いベアトリクスから離れると、ランドルフの差し出した鳥を拾い上げた。
「大丈夫。療養すればまた元気に飛べますよ」
「よかった……!」
ランドルフはホッと胸をなで下ろした。
「それにしても……ランドルフ殿、よく王宮の中に入れてもらえたわね」
「黄色い小鳥の指示です。姫君の忘れ物を届けよ、と。そう言ったら王宮の人たちも入れてくれました」
「忘れ物?」
ベアトリクスはきょとんとした。
「はい、忘れ物」
「……サラ、私何か忘れた?」
「ええ、ランドルフ殿を」
サラはしれっと言った。
「……そうね。置いてくるんじゃなかったわ」
ベアトリクスはそう言うとランドルフに抱きついた。
「愛してる……離さない……私の愛しい人」
「……はい」
ランドルフはベアトリクスを強く抱きしめた。
「さあさ、離宮に戻りましょう!」
サラはきっぱりと言い放った。
離宮のベアトリクスの部屋に戻り、ランドルフとベアトリクスは抱き合いながらベッドにもぐりこんだ。
服も脱がず、そのままふたりは眠りについた。
サラはその様子に苦笑いをして、部屋から出た。
「……後のことは任せます」
「はい、サラ様」
うら若い侍女にいつも自分が待機している部屋の番を任せると、サラは外に出た。
まずはいつもの小屋に黄色い小鳥を連れて行き、手当てをしてやる。
そうしてから彼女は王宮へ足を向けた。
「まだ起きておいででしたか、ローレンス陛下」
「眠れると思うか? 失恋したんだぞ」
ローレンスの自室のソファ、先刻までベアトリクスが座っていたそこに我が物顔で腰掛けて、サラは鼻で笑った。
「……回りくどいことをなさるからです。最初から素直に愛を囁いていれば、また違った結果が出ていたかもしれません」
「王族唯一の子女を聖女ではなく我が妃にする……ははは、そんなこと許されるわけもない」
「その結果が聖女にも妃にもできないのですから、ざまあないですわね」
「傷をほじくりに来たのか?」
「いいえ、ただ……私の役割は終わったとあなたに伝えに来ました」
「……ベアトリクス付きを辞めると?」
「辞めろと言われるまでは辞めるつもりはありません。しかし……もう、もう大丈夫ですから」
「なるほど……つまり? 君は聖女になる覚悟を固めたと」
サラは乾いた微笑みを見せた。
「……私の父は、ベアトリクス様の父君です」
「ああ、知っているとも。大した醜聞だったらしいな。母がネチネチと言っていたよ。その裏で自分の夫は妹を犯していたというのに、だ。まったく俺たちは大した獣たちの血を引いている……」
「……王族の血を引いている子女……ベアトリクス様が駄目なら私がおります。あなたはどうせ、ベアトリクス様をどうにかしてモノにしたかったのでしょうから、提案はしてきませんでした。しかし失恋した今ならお心変わりもされているかと」
「それで? 好きでもない男に抱かれると、大した女だな、サラ……我が従姉君」
ローレンスはしばしサラを眺めていたが、首を横に振った。
「やめておこう、失恋の痛手が消えないうちに君を抱くのは……単純にかっこうが悪い」
「それは何より。それでは失礼致します、黒い鳥の陛下」
「ああ、夜遅くまで世話をかけたな黄色い鳥の姫殿下」
「お辞めください。聖女にならなくても良いというのなら、私は一生侍女のサラでいます。聖女になるのだって、この国のためではありません。姫様の小さな胸を痛めるようなことがなきようにとの思いからです」
「言うほど小さいか? あの胸」
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