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第16話 愛を交わす
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「愛人」
ランドルフは呟いた。
そこに宿る感情がベアトリクスには読めなかった。
恐る恐る言葉を続けた。
「……私とあなたの出会いは思えば奇妙なものでした。どんなおとぎ話にもこんな姫はいないでしょう。騎士様と出会うのが風呂で裸な姫だなんて」
「それは……その……申し訳ありません……」
「あなたのせいではないわ。ないのよ、ランドルフ」
ベアトリクスはすり切れたような笑みを見せた。
「私は待ってたの。そして誰でもよかったの。ひどい女でしょ?」
「いえ……そんなことは……」
「罵っていいのに。好きになんてならなくていいのに。淫乱な売女と呼んでくれて構わないの。私はそういう女」
ベアトリクスは続けた。
「誰でも良かった。あの時は。ただ私と情を交わしてくれるなら相手なんて選ばなかった。ねえ、そんな女、まだ好き?」
「はい」
ランドルフの返答は早かった。
「そんなことはこの身で知りました。最初は驚いてどうしていいか分からなかったけど……あなたに迫られて、俺は嫌な気はしてなかった」
ランドルフは思い出しながら続ける。
「戸惑って逃げ出して、でも俺、それでも好きです。あなたが好きだ。他の誰にあなたが奪われても、きっと好きだ。理屈や理由でなく……性欲でもなく……ただあなたの振る舞いが俺に刻み込まれる。好きだ」
「ありがとう」
ベアトリクスは笑った。
目に涙を浮かべて笑った。
「愛人になって、ランドルフ。私がどこに行くことになっても、誰に抱かれることになっても、私をあなたが愛して?」
「なります。あなたを愛します」
ランドルフは立ち上がった。
机を回り込み、ベアトリクスにひざまずく。
ベアトリクスの手を取り、彼はそこに口付けた。
ベアトリクスは次いで両手を伸ばした。
ランドルフは素直にそれに応える。
二人は抱きしめあった。
「キスがほしい。手だけじゃなくて唇に長くて深いキスが」
「はい、姫様」
ランドルフは身を屈め、ベアトリクスの唇にキスを落とした。
それは長かった。
次第に二人はどちらからともなく舌を絡め始めた。
「んっ……んん……」
息が止まるのではないか。
そう思えるほど長く、二人は口付けを続けた。
口を離す頃にはふたりの間には糸が引いていた。
濃厚な唾液をベアトリクスは上品にハンカチで拭った。
「ベアトリクス……」
ランドルフの囁きにベアトリクスはその身をランドルフに預けた。
ランドルフは抱き上げ、そしてベッドに運ぶ。
黄色い花が目についた。
「よろしいですか?」
「ええ、ずっとずっとよろしかったのよ」
ベアトリクスはベッドに横たわったまま、自分に覆いかぶさるランドルフの頬に手を伸ばした。
「ずっとこうしたかったの……私、好きな人と、なんて考えたこともなかった。自分に許されるなんて思ってもなかった」
「ベアトリクス……愛しています。あなたを……あなたの姿を美しいと思いました。あなたの決意を素敵だと思いました。俺を……受け入れて」
「はい……」
ランドルフはベアトリクスのネグリジェの前をほどいた。
白い双丘が薄暗い部屋の中にあってなお、眩しく見えた。
「触ります」
ランドルフはそう声をかけるとベアトリクスの乳房を揉んだ。
優しく、おそるおそる、その胸の根本を触る。
ベアトリクスの柔らかな胸にランドルフの指は沈んでいく。
「……爪が見えなくなる」
「……なあに、それ」
「あなたの胸が、柔らかすぎて……痛くはないですか?」
「全然平気。もっと激しくても……きっと平気」
「……はい」
ランドルフはゆっくりと味わっていた手を胸の先へと移動させる。
ピンク色のベアトリクスの乳首を摘むように持つ。
「んっ……」
ベアトリクスは口を噛み締めた。
「我慢、しないでください。声、聞きたい」
「恥ずかしい……」
「今になって?」
ランドルフは少し笑った。
胸の根本から先っぽへ何度も揉み上げる。
「ああ……はあ……んん……」
ベアトリクスは声を我慢していられなくなってきた。
「どんどん固くなってきます……」
「言わなくて、平気……」
「……舐めても?」
「いいわ、許します」
ランドルフはベアトリクスの右胸の先を口に含んだ。
ねっとりと唾液でそれを濡らす。
舌先で転がす。
ベアトリクスは胸に与えられた刺激に、内ももが反応するのを感じた。
「いやだ……おかしい……触られているの胸なのに……下が疼くの……」
ランドルフはベアトリクスの胸によだれを垂らしながら口を離して答える。
「俺のも、ずっと待ちきれないってなってます」
そう言ってランドルフは浮かしていた下半身をベアトリクスの下半身にこすりつけた。
騎士の制服のしっかりした布地越しにも分かる剛直が、そこにはあった。
「……すごい」
熱にうかされたようにベアトリクスの顔が赤らむ。
「寝巻き、全部脱がしますね……」
胸元が緩んだネグリジェは簡単に腕からすり抜け、下へと落ちた。
ベアトリクスは下着をつけていなかった。
柔らかな下生えが露わになる。
ランドルフは息を呑んだ。
裸になったベアトリクスの美しさに、しばし固まり、それを見つめた。
「あ、あんまり見ないで……」
ベアトリクスは恥ずかしげに顔を覆った。
腕で胸こそ隠れたが、下は無防備であった。
ランドルフは深呼吸をした。
「わ、私ばかり見られてずるいわ。脱いで、ランドルフ」
「はい、そろそろ限界です」
ランドルフは上を乱暴に脱ぎベッドの下に落とした。
そして下も脱ぎ去った。
ベアトリクスが顔に当てていた手を外す。
裸のベアトリクスとランドルフが向かい合う。
「……大きい」
「もう、見られたじゃないですか」
「それを……私の中に……?」
「何度もそうなさろうとしていたじゃないですか」
「そう、だけど……」
ベアトリクスは急に自分が処女であることを思い出した。
ゴクリと息を呑む。
「や、優しくしてね……」
「当たり前です」
ランドルフはそう言ってベアトリクスに再び覆いかぶさった。
ランドルフは呟いた。
そこに宿る感情がベアトリクスには読めなかった。
恐る恐る言葉を続けた。
「……私とあなたの出会いは思えば奇妙なものでした。どんなおとぎ話にもこんな姫はいないでしょう。騎士様と出会うのが風呂で裸な姫だなんて」
「それは……その……申し訳ありません……」
「あなたのせいではないわ。ないのよ、ランドルフ」
ベアトリクスはすり切れたような笑みを見せた。
「私は待ってたの。そして誰でもよかったの。ひどい女でしょ?」
「いえ……そんなことは……」
「罵っていいのに。好きになんてならなくていいのに。淫乱な売女と呼んでくれて構わないの。私はそういう女」
ベアトリクスは続けた。
「誰でも良かった。あの時は。ただ私と情を交わしてくれるなら相手なんて選ばなかった。ねえ、そんな女、まだ好き?」
「はい」
ランドルフの返答は早かった。
「そんなことはこの身で知りました。最初は驚いてどうしていいか分からなかったけど……あなたに迫られて、俺は嫌な気はしてなかった」
ランドルフは思い出しながら続ける。
「戸惑って逃げ出して、でも俺、それでも好きです。あなたが好きだ。他の誰にあなたが奪われても、きっと好きだ。理屈や理由でなく……性欲でもなく……ただあなたの振る舞いが俺に刻み込まれる。好きだ」
「ありがとう」
ベアトリクスは笑った。
目に涙を浮かべて笑った。
「愛人になって、ランドルフ。私がどこに行くことになっても、誰に抱かれることになっても、私をあなたが愛して?」
「なります。あなたを愛します」
ランドルフは立ち上がった。
机を回り込み、ベアトリクスにひざまずく。
ベアトリクスの手を取り、彼はそこに口付けた。
ベアトリクスは次いで両手を伸ばした。
ランドルフは素直にそれに応える。
二人は抱きしめあった。
「キスがほしい。手だけじゃなくて唇に長くて深いキスが」
「はい、姫様」
ランドルフは身を屈め、ベアトリクスの唇にキスを落とした。
それは長かった。
次第に二人はどちらからともなく舌を絡め始めた。
「んっ……んん……」
息が止まるのではないか。
そう思えるほど長く、二人は口付けを続けた。
口を離す頃にはふたりの間には糸が引いていた。
濃厚な唾液をベアトリクスは上品にハンカチで拭った。
「ベアトリクス……」
ランドルフの囁きにベアトリクスはその身をランドルフに預けた。
ランドルフは抱き上げ、そしてベッドに運ぶ。
黄色い花が目についた。
「よろしいですか?」
「ええ、ずっとずっとよろしかったのよ」
ベアトリクスはベッドに横たわったまま、自分に覆いかぶさるランドルフの頬に手を伸ばした。
「ずっとこうしたかったの……私、好きな人と、なんて考えたこともなかった。自分に許されるなんて思ってもなかった」
「ベアトリクス……愛しています。あなたを……あなたの姿を美しいと思いました。あなたの決意を素敵だと思いました。俺を……受け入れて」
「はい……」
ランドルフはベアトリクスのネグリジェの前をほどいた。
白い双丘が薄暗い部屋の中にあってなお、眩しく見えた。
「触ります」
ランドルフはそう声をかけるとベアトリクスの乳房を揉んだ。
優しく、おそるおそる、その胸の根本を触る。
ベアトリクスの柔らかな胸にランドルフの指は沈んでいく。
「……爪が見えなくなる」
「……なあに、それ」
「あなたの胸が、柔らかすぎて……痛くはないですか?」
「全然平気。もっと激しくても……きっと平気」
「……はい」
ランドルフはゆっくりと味わっていた手を胸の先へと移動させる。
ピンク色のベアトリクスの乳首を摘むように持つ。
「んっ……」
ベアトリクスは口を噛み締めた。
「我慢、しないでください。声、聞きたい」
「恥ずかしい……」
「今になって?」
ランドルフは少し笑った。
胸の根本から先っぽへ何度も揉み上げる。
「ああ……はあ……んん……」
ベアトリクスは声を我慢していられなくなってきた。
「どんどん固くなってきます……」
「言わなくて、平気……」
「……舐めても?」
「いいわ、許します」
ランドルフはベアトリクスの右胸の先を口に含んだ。
ねっとりと唾液でそれを濡らす。
舌先で転がす。
ベアトリクスは胸に与えられた刺激に、内ももが反応するのを感じた。
「いやだ……おかしい……触られているの胸なのに……下が疼くの……」
ランドルフはベアトリクスの胸によだれを垂らしながら口を離して答える。
「俺のも、ずっと待ちきれないってなってます」
そう言ってランドルフは浮かしていた下半身をベアトリクスの下半身にこすりつけた。
騎士の制服のしっかりした布地越しにも分かる剛直が、そこにはあった。
「……すごい」
熱にうかされたようにベアトリクスの顔が赤らむ。
「寝巻き、全部脱がしますね……」
胸元が緩んだネグリジェは簡単に腕からすり抜け、下へと落ちた。
ベアトリクスは下着をつけていなかった。
柔らかな下生えが露わになる。
ランドルフは息を呑んだ。
裸になったベアトリクスの美しさに、しばし固まり、それを見つめた。
「あ、あんまり見ないで……」
ベアトリクスは恥ずかしげに顔を覆った。
腕で胸こそ隠れたが、下は無防備であった。
ランドルフは深呼吸をした。
「わ、私ばかり見られてずるいわ。脱いで、ランドルフ」
「はい、そろそろ限界です」
ランドルフは上を乱暴に脱ぎベッドの下に落とした。
そして下も脱ぎ去った。
ベアトリクスが顔に当てていた手を外す。
裸のベアトリクスとランドルフが向かい合う。
「……大きい」
「もう、見られたじゃないですか」
「それを……私の中に……?」
「何度もそうなさろうとしていたじゃないですか」
「そう、だけど……」
ベアトリクスは急に自分が処女であることを思い出した。
ゴクリと息を呑む。
「や、優しくしてね……」
「当たり前です」
ランドルフはそう言ってベアトリクスに再び覆いかぶさった。
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