公爵令嬢は破棄したい!

abang

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公爵令嬢は負けられない3

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セシール達は、リアム、マイロ、カインと合流し、二の門に到着していた。

降りて来たセシール達を見て、安心したような目を向けた後、セシール達が来たことに士気が益々高まった。

ダンテは声を上げた。

「これより我々はセシール様と二の門を死守する!!!!」


王宮より来た兵士達は、前に出たセシールのノーフォード当主かのような堂々とした雰囲気に、希望が見えて、失いかけた戦意を奮い立たせた。

元よりノーフォード家の騎士である者たちは、セシールのその後ろ姿にゾクゾクと、何か込み上げるものを感じ、抑えきれない高揚感は彼らの魔力を膨らませた。

ウオォオオオオオオオォォ!!!!!!

それは地響きが成程の声であった。



そして、セシールはよく通る声を大きく上げ、皆に言う。


「この門より先は戦場!!!わたくしを庇いながら戦えるほど甘くはありません!!!例えわたくしの手足がもげようと、命を落とそうと捨て置きなさい!!!!」



「それは…!」できません。と続けようとしたクレマンがあんなにセシールを溺愛しているリアムに制され、その顔を見ると、
真剣な眼差しでセシール見て、もう片方の手を握りしめていた。



その覚悟を決めた表情にクレマンは何もいえなかったしリアムもノーフォードの者だと、その強さを実感した。



そして、セシールのその後ろ姿に、皇后となれる者の器を感じた。




「今よりわたくしはただの貴女達の仲間です。守るべきは殿下のお命、そしてアルベーリアです!わたくしはノーフォードの名ににかけて勝利に導きます!!!!」


そういうと、セシールは開門の合図と同時に闇を放った。

凄い勢いで、闇な門から流れて出てて、撤退した兵を追い、門の前まで来ていた敵軍を闇の炎が焼き尽くす。

その隙に、全軍門を出て、二の門は閉じられた。
決して狭くはないノーフォード邸の敷地、次々と流れこむ大量の兵士たちに。100人に満たない此方は圧倒的に不利な状況であったが、誰一人、その目から光を失ってはいなかった。


すると、小柄でいかにも女の子らしいマイロが突然両手をあげると、地面が黙々と盛り上がって二の門を塞いだ。

そしてそのまま三体のゴーレムを作り出し、小さな声で呟いた。


「マチルダ様に強いの作り方教わったの…」


そんなマイロにため息をついて笑ったカインも両手を上に挙げ、そのまま下ろした。

すると、カインの魔力がパチパチと弾けながら、兵士たちの上に次々と真っ直ぐ振り落ちてきて刺さった。


「なっ!なんだアイツら!詠唱も魔法陣も、ひっひかないぞ!!!」

「これじゃあおいつかねぇよっ!!!!」


敵軍はザワザワと騒ぎ出したが、後ろから突き刺さるアルフレッドの魔力に、意を決したように、


「に、逃げ場はない!!進めぇーーーッ!!!」


セシールの周りに浮かんだ小さなブラックホールが次々と飛んでいきそのまま敵を焼き尽くす。


リアムの魔法により正気を失った者たちが相打ちを初め、攻撃の魔法により、一の門より流れ入る兵は次々と斬り刻まれた。


その身を強化し、剣に魔力を纏うダンテの足元は地についておらず、魔力により浮遊しながらすごいスピードで薄紫のオーラをバチバチと発しながら、斬り倒して行った。


エイダとエイミーはセシールの両側少し離れた所より、体術にて応戦。剣も通らぬその安定した魔力を纏う身で、
次々と敵を殴り倒して、彼女達の触れた所は内側から破裂した。

「エイダ、心臓なら一発でイケる」

「エイミー、頭でも一発よ」


次々と倒されていく兵だか、新たに攻め入る兵も多かった。

だか、数で圧倒する筈だったアルフレッドも焦っていた。


「ハァ、ッ!中々数が減らないですね!」


「ダンテ!ええ、わたくしの前を少しだけお願いしてもいい??」


「喜んで。」

セシールを守るようにして立ったダンテは背中から、強大な魔力を感じていた。


すると、目の前の兵士から、一の門を挟んだ向こう側から、所々から血飛沫が上がる。

セシールは少しだけ辛そうに、「ごめんなさい」と言ってその目を一瞬見開いた。


「ギィヤァアア!!!!」

「なんっ」ブシュ


人が次々に内側から引き裂かれていく。


エイダとエミリーは目を閉じて、リアムとマイロはただそれを眺めていた。


カインは眉を顰めてその光景を見ていたし、クレマンは目を見開き、驚愕した後、そっと目を逸らした。


そして、片手で魔法の針を飛ばして、セシールへ向かおうとする死に損ないにとどめを刺した。

そして、辺りが静かになった。

「…終わったのか??」

するとセシールはゆっくり首を横に振った。


「全軍、恐れず前へー!前へー!!!」

また新たに大量の敵兵がなだれ込んでくる声が聞こえて、

クレマンは短く息をすって深呼吸した。


「お嬢様、奴らどんだけいるのでしょう?」

「リアム…見当もつかないわ、大国ですものね、、」


ダンテが、振り返ってセシールを心配そうに見た。


「セシール様、無理をなさらないで下さい。」




すると、赤々とする炎が一の門の前に広がった。



そして、セシールの前を庇うように、三つの光が空間を開け、現れた。



立っていたのは鮮やか紅の魔女と、蜂蜜のような髪と瞳を持つ青年、そして濃紺の髪に金色の瞳が輝く青年であった。






「あら、セシール。派手にやったのね。」クスクス



「綺麗な庭だね。」ニコリ



「はぁ、全くお前達は……」






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