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そうだ、学園へ行こう
Ⅶ キスが大好きなクラス
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「それで、私達を呼んだのってこれを渡すため?」
「いや、半分以上は挨拶のため」
手渡されたのは学生証。
基本的には必要無いけど、万が一に備えてデータ以外も持ってた方がいいんだとか。態々そんな事を教えてくれるのは、エルさんが私達の事情を知ってるから。
まあ、学園長だからね。知らない方がおかしいでしょ。
そして、丁度いい時間になったのでそれぞれの教室に向かう。エルさんとフィリスは同じDクラスで、アンネ先生が受け持っているBクラスは私が入る所。
残念ながら、お姉ちゃんもルルも違うクラスだそうです。
あ、クラスによる違いは特に無いよ。特待生は授業が免除されるらしいけど、それはどのクラスでも一緒だし。
「……大丈夫かなぁ」
「安心してください」
穿いてますよって?
……間違いなく伝わらないから言わない。
「好奇心の強い子が多いですから」
「えっと、それは別の意味で大丈夫ですか?」
「恐らくは」
余計に不安になってきたんだけど。
というか、もうすぐ着いちゃう。不安だよ~、女の子しか居ないなんて……虐められたりしないといいなー。
「私が呼んだら入ってきて下さい」
「はい」
暫く待つと出欠を取ってる声が聞こえてくる。
三十人くらいかな? 声の感じからすると結構元気な女の子が多いね。
今は多分、編入生が居るって言ってる?
『おお~っ!』
……うん、ノリがいい。
でも、変にお嬢様っぽくなくて良かったかも。
「入っていいですよ」
ちょっと緊張気味に扉を開ける。
当然だけど、皆こっちを見ててビクッとした。いやほら、美少女ばっかりだから一斉に見られると凄いんだよ?
「あれ?? あの子ビミョーにちっちゃくない? しかもすっごい可愛いんだけど!」
「ビクビクしてて守ってあげたくなるぅー!」
『それなーっ!!』
クラスの一体感が凄いよここ。
まだ一ヶ月とかそのくらいでしょ? なんでそんなに纏まってるわけ?
「自己紹介をどうぞ」
先生、あれは放置なんですかそうですか。
「は、はい……えっと、アリス・ファンシア、14歳でしゅ……」
『………』
……誤魔化しが効かないレベルで噛んだ。穴があったら入りたい。お願い、こっちを見ないで……
「だ、大丈夫だよっ、可愛かったから!」
「ねっ! それに噛むくらい普通だって!」
「そうそう、私達だってしょっちゅう噛むし!」
『それはない』
「ちょっ!? そこは同意する所じゃんか!」
何人も私をフォローしてくれる。
なんかハシゴを外された人が居たけどね。
「ふふっ……ありがと、もう大丈夫だよ」
そう言うと、明らかにほっとした様子の皆。
でもって、私の席は廊下側の後ろから二番目。隣に居るのはさっきハシゴを外された人だった。
髪は薄紫色で、どことなく明るい雰囲気。
すると、自然な感じで頭に手が乗せられた。
「えへへ……って、何で私は撫でられてるの?」
「そりゃ、可愛いからでしょーよ」
「嫌じゃないけどその理屈はどうなのかな……」
最近、会ったばかりの人に撫でられることが多い気がする今日この頃。撫でたくなるオーラでも出てたり?
「先生の話、聞かなくていいの?」
「聞いてるよ~♪」
ホントかなぁ……まあ、先生が溜め息吐きながらも注意しないって事は本当なんだろうけど。
話し終えた先生は、最後に「アリスさんに色々教えてあげて下さい」と言って教室を出て行った。うん、学校の事とか全く知らないもんね。
「あたしはエリカ、よろしくねー。さんとか付けられるとむず痒いから無し!」
「うん、よろしくエリカ」
直後、教室を見渡してぎょっとした。
クラスの半数に囲まれていたから。もう半分は見てるだけで自分の席に座ってるけど、半分でも十分多いよね。
好きな物やら嫌いなものやら好きなタイプ――
「ギャップのある女の子」
「……女の子だけ?」
「うん、女の子だけ」
『へぇ~!』
そこに嘘はつけません!
日本と違って同性愛に違和感はないみたいだけど、女の子にしか興味がないっていうのは少ないのかな?
「ねね、ちゅーしようよ!」
「ほえ? ちゅ、ちゅー?」
「いいでしょ? 先っぽ、先っぽだけだから!」
「ちゅーに先っぽもなにも無いよね!?」
強いて言うなら唇の先。舌は入れないよって?
というか、これは冗談抜きで言ってるよね。先生……『好奇心が強い』ってこういう方向なんですね? 割とウェルカムだけど。
「いいよ」
ほっぺくらいなら全然、スキンシップとして通るもん。日本じゃダメかもしれな――
「んっ!?」
『キャーーッ♡』
あ、あれ? 唇にされてるよ?
気持ちよくても、皆の前でするのは恥ずかしい……でも興奮する。これはこれでありかな。
「私もしたーいっ!」
「エリカだけズルいよねー」
「という訳でー、お願いっ!」
それから次々とちゅーされまくる私。
ディープな方をする人も結構居て、もう蕩けそうでやばい……他のクラスまでこんななの? フィリス達もしてるのかな……女の子とちゅーしてるのは別に問題ないけど。
何人かとしている内に授業が始まってしまい、その後の休み時間は、代わる代わるクラスメイトとちゅーをいっぱいしてた。勿論、そんな状態で授業の内容なんて入ってくるはずもなく。
それは、お昼休みが来ても続いていた……
「いや、半分以上は挨拶のため」
手渡されたのは学生証。
基本的には必要無いけど、万が一に備えてデータ以外も持ってた方がいいんだとか。態々そんな事を教えてくれるのは、エルさんが私達の事情を知ってるから。
まあ、学園長だからね。知らない方がおかしいでしょ。
そして、丁度いい時間になったのでそれぞれの教室に向かう。エルさんとフィリスは同じDクラスで、アンネ先生が受け持っているBクラスは私が入る所。
残念ながら、お姉ちゃんもルルも違うクラスだそうです。
あ、クラスによる違いは特に無いよ。特待生は授業が免除されるらしいけど、それはどのクラスでも一緒だし。
「……大丈夫かなぁ」
「安心してください」
穿いてますよって?
……間違いなく伝わらないから言わない。
「好奇心の強い子が多いですから」
「えっと、それは別の意味で大丈夫ですか?」
「恐らくは」
余計に不安になってきたんだけど。
というか、もうすぐ着いちゃう。不安だよ~、女の子しか居ないなんて……虐められたりしないといいなー。
「私が呼んだら入ってきて下さい」
「はい」
暫く待つと出欠を取ってる声が聞こえてくる。
三十人くらいかな? 声の感じからすると結構元気な女の子が多いね。
今は多分、編入生が居るって言ってる?
『おお~っ!』
……うん、ノリがいい。
でも、変にお嬢様っぽくなくて良かったかも。
「入っていいですよ」
ちょっと緊張気味に扉を開ける。
当然だけど、皆こっちを見ててビクッとした。いやほら、美少女ばっかりだから一斉に見られると凄いんだよ?
「あれ?? あの子ビミョーにちっちゃくない? しかもすっごい可愛いんだけど!」
「ビクビクしてて守ってあげたくなるぅー!」
『それなーっ!!』
クラスの一体感が凄いよここ。
まだ一ヶ月とかそのくらいでしょ? なんでそんなに纏まってるわけ?
「自己紹介をどうぞ」
先生、あれは放置なんですかそうですか。
「は、はい……えっと、アリス・ファンシア、14歳でしゅ……」
『………』
……誤魔化しが効かないレベルで噛んだ。穴があったら入りたい。お願い、こっちを見ないで……
「だ、大丈夫だよっ、可愛かったから!」
「ねっ! それに噛むくらい普通だって!」
「そうそう、私達だってしょっちゅう噛むし!」
『それはない』
「ちょっ!? そこは同意する所じゃんか!」
何人も私をフォローしてくれる。
なんかハシゴを外された人が居たけどね。
「ふふっ……ありがと、もう大丈夫だよ」
そう言うと、明らかにほっとした様子の皆。
でもって、私の席は廊下側の後ろから二番目。隣に居るのはさっきハシゴを外された人だった。
髪は薄紫色で、どことなく明るい雰囲気。
すると、自然な感じで頭に手が乗せられた。
「えへへ……って、何で私は撫でられてるの?」
「そりゃ、可愛いからでしょーよ」
「嫌じゃないけどその理屈はどうなのかな……」
最近、会ったばかりの人に撫でられることが多い気がする今日この頃。撫でたくなるオーラでも出てたり?
「先生の話、聞かなくていいの?」
「聞いてるよ~♪」
ホントかなぁ……まあ、先生が溜め息吐きながらも注意しないって事は本当なんだろうけど。
話し終えた先生は、最後に「アリスさんに色々教えてあげて下さい」と言って教室を出て行った。うん、学校の事とか全く知らないもんね。
「あたしはエリカ、よろしくねー。さんとか付けられるとむず痒いから無し!」
「うん、よろしくエリカ」
直後、教室を見渡してぎょっとした。
クラスの半数に囲まれていたから。もう半分は見てるだけで自分の席に座ってるけど、半分でも十分多いよね。
好きな物やら嫌いなものやら好きなタイプ――
「ギャップのある女の子」
「……女の子だけ?」
「うん、女の子だけ」
『へぇ~!』
そこに嘘はつけません!
日本と違って同性愛に違和感はないみたいだけど、女の子にしか興味がないっていうのは少ないのかな?
「ねね、ちゅーしようよ!」
「ほえ? ちゅ、ちゅー?」
「いいでしょ? 先っぽ、先っぽだけだから!」
「ちゅーに先っぽもなにも無いよね!?」
強いて言うなら唇の先。舌は入れないよって?
というか、これは冗談抜きで言ってるよね。先生……『好奇心が強い』ってこういう方向なんですね? 割とウェルカムだけど。
「いいよ」
ほっぺくらいなら全然、スキンシップとして通るもん。日本じゃダメかもしれな――
「んっ!?」
『キャーーッ♡』
あ、あれ? 唇にされてるよ?
気持ちよくても、皆の前でするのは恥ずかしい……でも興奮する。これはこれでありかな。
「私もしたーいっ!」
「エリカだけズルいよねー」
「という訳でー、お願いっ!」
それから次々とちゅーされまくる私。
ディープな方をする人も結構居て、もう蕩けそうでやばい……他のクラスまでこんななの? フィリス達もしてるのかな……女の子とちゅーしてるのは別に問題ないけど。
何人かとしている内に授業が始まってしまい、その後の休み時間は、代わる代わるクラスメイトとちゅーをいっぱいしてた。勿論、そんな状態で授業の内容なんて入ってくるはずもなく。
それは、お昼休みが来ても続いていた……
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