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第11話 私と同じだから〈♡〉

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 私の胸の中で眠る小さな少女。
 眠る前は物凄く妖艶な空気を纏っていたけれど、今は子供のようにすやすやと眠っている。実の所、ユーリ様が何歳なのかは分からない。少なくとも私より歳下ではないと思う。

「ユーリ様……」

 こんなに綺麗な人に買われるなんて、思っても見ませんでした。性奴隷や容姿の整った奴隷は、性嗜好の偏った変態貴族に買われるのがオチ、というのが奴隷の常識です。
 鞭で叩かれたり、痛めつけられながらのセックスはまだいい方……と聞いた時は暫く眠れませんでした。もしもそんな人に買われたらどうしよう、という恐怖で。

 そんな考えは、いい意味で裏切られましたけど。いえ、呼ばれた当初は凄く怖かったですよ? 呼ばれた先に小さな女の子が居た時は驚きましたね。
 それに、奴隷仲間の皆さんが固まるくらいの美人さんでしたから。こんな所に来たら危ないですよ? と言いたくなるほどに。本当に誘拐されてもおかしくありません。

 ただ……表情が不自然だったんです。
 別に普通の顔をしているはずなのに、無理やり取り繕ったかのような……ああ、私と同じなんだろうな、と直感しました。昔から私の勘は当たるんです。
 あの顔は、間違いなく大事な誰かに裏切られたせいに違いありません。痛くて、苦しくて、恨むことも出来なくて、全て隠してしまう。

 私を買ったのも、裏切られた誰かに似ていたからなんだと思います。
 頬を撫でる暖かい手。
 自然に微笑むユーリ様。

 恋人、なんでしょうか。
 だとすれば、ユーリ様は女性が好きなんでしょう。実際にそれは証明されましたし、聞いた時に悲しいお顔をされていました。その人はどうして、ユーリ様を裏切ったのですか?

 少しお話をしただけでも分かります。
 ユーリ様は優しい。……甘すぎるほどに。
 奴隷ということを抜きにしても、私とユーリ様は赤の他人。お金で買った自分の所有物にそこまで優しくする必要はありません。人によっては命は大切なものだ、という方もいらっしゃるでしょうけど……私はそう思えなくなってしまったので。

 それに、キスだって独りよがりのものではなく私の言葉を聞きながらしてくれました。あの人とは違います。ユーリ様になら全てを捧げてもいい、と本能が訴えかけてくるんです。
 同じ痛みを知る仲間で、私を見てくれる優しい人で、今まで見た中で誰よりも美しいユーリ様。性別なんてどうでもいいから、この人に全て捧げよう……違います、捧げたいんです。

 本能と気持ちが同じなんですから、いいですよね? これから先、ユーリ様のことを好きになっていけるのだと思うと頬が緩んでしまいます。
 そーっとユーリ様の手を解き、ベッドから降りる前にキスをする。本当は、奴隷が勝手にこんな事をしてはいけないんですけど。

 ……うぅっ、お腹が。
 ちょっと我慢の限界……あっ。

 …………

 ふぅ、危なかったです。
 えっと、またこの格好で眠るのを考えると、水で綺麗にした方がいいですよね? 丁度そういう機能がありますし。
 ……なんだか、少しクセになりそうな……いえ、このトイレの事です。決して、下着を穿かずに眠ることが気持ちいいなんて思ってません。
 ちょ、ちょっとだけしか……

「?」

 今、声が聞こえたような?
 ユーリ様が起きたのでしょうか。

 水を拭き取り、トイレから出る。
 やっぱりユーリ様が起きていました。

 そして……

「りな……りなぁ……やだよぉ……置いてかないで……ひとりにしないでよぉ……ぐすっ……」

 啜り泣くユーリ様。
 か、可愛い……なんて言ってる場合じゃありません。そうですよね、裏切られたばかりなのに、起きたら誰も居ないなんて嫌ですよね。

「ユーリ様、私はここに居ます」

 触れたら壊れてしまいそうなその体を、優しく抱き締める。私の背中に手を回しながらユーリ様は口を開いた。

「りな……どこ行ってたの……?」
「ごめんなさい、少しおトイレに……」
「……置いてったんじゃないんだ……よかった」
「大丈夫です、私は居なくなりませんから」

 私は、私が思っているよりもずっと大切にされているのかもしれません。ユーリ様が愛おしく思えます。こんなにも儚くて、守ってあげたくなるただの女の子。
 私なら傍に居てあげられます。

「ねぇ、リナ……私の話、聞いてくれる……?」
「はい、もちろんです」

 頭を撫でながら聞きました。
 お姉さんと過ごした日々を。
 ひとりの一年間で頑張ったことを。
 ユーリ様の心の傷を。
 お姉さんに裏切られたことも。
 何かしてあげたいということも。
 けれど寂しくて耐えられないことも。

 全部、全部……弱った心が吐き出した思いを、全部聞きました。辛いんですよね? その気持ちは分かります。今でも愛して堪らない分、私が想像も出来ないほど苦しんでいるのだと思います。

「私がユーリ様を受け止めますから」
「……どうして? リナはどうしてわたしに優しくしてくれるの? 本当に、ずっと一緒に居てくれる?」

 優しく、だなんて。
 ユーリ様が優しくなければ、私だってもっと普通だったと思うんです。……でも、今回はそういう話ではなくて、私が仲間だと思っていることをお話するべきなんでしょうね。

「では、聞いていただけますか?」

 愛した人に裏切られた、馬鹿な私の話を。

 ◇◇◇

 小さい頃……今もまだ9歳ですけど、5歳くらいでしたか。走ったりするのが得意ではない私の元に、運動が大好きなひとりの男の子が話しかけてきました。

「なあ、お前も一緒に鬼ごっこしようぜ」
「え? で、でも、走るの遅いから……」
「俺が手伝ってやるから!」

 半ば強引に参加させられた私。
 当然、そんな私は狙われてしまいます。けれど、私を誘った男の子は手を引いて鬼の視界に入らないよう動いたり、私が鬼になっても代わってくれたりと……まあ、そんなちょっとしたことで気になってしまいました。

 それからは頻繁に来てくれた男の子。
 私も、それを嫌だとは思ってなかったんです。
 だから受け入れたんだと思います。

 それは、2年前の夏。

 今日は暑いからと川で水遊びをしていた時。みんなが帰った後で話があると言われました。

「リナ……す、好きだ!」
「……ありがとう」

 断る理由もなくて、ぼんやりと好きだという気持ちを抱えていた私は付き合うことにしたんです。ただ、その男の子は子供っぽかった……いえ、年相応だったのでキスやエッチは知らなかったみたいですね。
 そこはずっと不満だった覚えがあります。

 なので、そこまで変わったことはなかったんですよ。突然、男の子が旅に出たいと言い出すまでは。

 何がしたかったのか、私にも分かりません。
 必死に止めました。親だって反対していたようです。けれど、男の子はどうしても行きたいからと私と家出したいと言ってきました。
 反対するも、結局押し切られた私は付いていくことになります。

 これが、失敗だったんでしょうね。流されずに引き止めていれば、幸せなままで居られたのかも知れません。

 旅も、最初は楽しかったです。
 知らないものばかりで、見るもの全て新鮮でしたから。でも、その場しのぎばかりで子供だけの私たちが上手くいくはずなんてなかったんです。
 手っ取り早く冒険者として活動を始めた男の子――アレスと言うんですけど、正直なところあまり強くありませんでした。お金は日に日に減っていき、最終的にはその日食べるものだけでやっとの状態になってしまったんです。

 だから、でしょうか。
 アレスは私に暴力を振るうようになって……

 ある日、突然です。
 突然、私を売ることにした、と。そう告げられました。何を言っているのか分からなくて、アレスがどんな顔をしていたのか、抵抗していたかさえ思い出せません。

 ……恨んでは、いないんです。
 きっと、最初に私が止められていればこんなことにはならなかったはずですから。それでもやっぱり、悲しいし、辛くて、死にたいと何度も思ったんですよ?

 はい。これが、馬鹿な私のお話です。

 ◇◇◇

 私に同情の目を向けるユーリ様。
 安っぽいものではなくて、今現在も苦しんでいるユーリ様だからこそ同情されていることが嬉しい。……そんなに悲しそうなお顔をなさらないで下さい。

「私はユーリ様と違ってアレスを好きなままでは居られませんでしたけど、それでもユーリ様のお気持ちは理解出来ているつもりです」
「うん……」
「私は、ユーリ様を裏切りません」
「……信じるよ」
「絶対に、裏切りませんから……」

 頬に手を添えると、ユーリ様は目を閉じてじっとしてくれた。ドキドキするのを意識しながらユーリ様とキスをする。
 舌を絡めながら押し倒そうとする私。

 何も言わないということは、いいんですよね?

「……えと、あのね、ひとつ話しておかないといけないことがあるんだけど」
「は、はい、なんですか……?」
「驚くだろうけど、落ち着いてこれをみて欲しいなって」

 首をかしげながらユーリ様が指差す場所を見ます。程よいおっぱいと小さい体なのにくびれのある腰を通り過ぎ、立派なおちんちんが……あれ?

「ゆ、ユーリ様、これは……?」

 え? 神様が、はい、えっちなことの為に……

「でね、これで……な、中出しすると、身長が全然伸びなくなるみたいで……同じのが、生えるようになったりとか」
「そ、そうなんですか……?」

 そんな神様も居るんですね。稀に加護を頂く方もいらっしゃるそうですし、ありえない話でもないと思います。
 つまり、ユーリ様のお姉さんも私と同じくらいなんでしょうか。いえ、そんなことよりも目の前のおちんちん……

「私にも、して下さいますか?」
「……いいの? 一生そのままだけど」
「はい。ユーリ様に全て捧げると決めたんです。それに……ユーリ様と、つ、繋がりたいので……」
「そっか……うん、わかった」

 そう言って立派なそれを消してしまうユーリ様。やっぱりダメなのでしょうか、と不安になる私に対して、

「だってほら、ほぐさないと……」
「あ、そ、そうですよねっ」

 初めては痛かったりそうでなかったりすると聞きますけど、それ以前にいきなり入れるはずがありませんでした。
 ……態々言って下さったのは、私が物欲しそうな顔をしていたからなんでしょうか? うぅ、も、もしそうだったら恥ずかしいです……

 そんなことを考えていると、ユーリ様の手が私の服のボタンを外し胸に触れる。たぷたぷと弄びながら時折乳首を摘んだりと、扱いが手馴れている。

「ぁ……ふぁ……んっ♡」
「柔らかいよ、すごく」
「あ、ありがとう、ございますっ……♡」

 ユーリ様の手が乳首に触れる頻度は高くなり、固くなっていくのが恥ずかしいのに、もっと触って欲しいと思ってしまう。

「も、もっと……」
「うん?」
「あ、な、なんでも……」
「ダメ。ちゃんと教えて?」

 ゆ、ユーリ様が意地悪です……
 ああでも、嫌じゃありません。
 むしろ、いいです。

「もっと、ち、乳首、気持ちよくして下さい……」
「ふふ……いいよ」
「ふぁぁっ♡ い、いきなりそんにゃっ♡ あっ、んん♡ きゅってされるの、いいですっ♡」

 乳首をコリコリしながら引っ張ったり、逆に押し込まれたりする感覚に手が震えて倒れそうになる。
 もう、イッちゃいそうで……そんな私に、「乳首弱いんだね」と囁くユーリ様。そのままキスをされて……あ――

「んんッ♡♡♡」

 ビクンっと体が痙攣し、ユーリ様の上に倒れ込む。
 乳首でイッちゃいました。すごく、恥ずかしいです。

「よいしょっと」
「ほぇ? ユーリ様……? ふにゃっ♡」
「猫みたいで可愛いよ」
「あぅ……」

 ユーリ様が少し下にずれ、私の乳首を口に含んだ上、太ももで私の秘部を擦り始めた。

「あっ、あぁっ♡ 腰、動いちゃいます……♡」
「……ね、透明なのだけじゃなくて、白いのも出ちゃってる」
「そんな、恥ずかしいっ♡ 見ちゃだめですっ♡」

 それでも腰が止まらなくて、私はユーリ様の足に擦り付ける。乳首も吸われていて気持ちよすぎるくらい。
 あ、また……

「い、イッちゃう、イッちゃいますっ♡」
「うん、イって。気持ちよくなって」
「はいっ♡ んぁぁ―――イクぅぅっ♡♡」

 イキながら潮を吹く。
 よ、汚しちゃいました……でも、気持ちよくて……まだ体がびくびくしてます。

「ご、ごめんなさい!」
「いいんだよ? 気持ちよくなってくれた証拠だもん。それより、キスしようよ」

 元の位置に戻って顔を近づけてくるユーリ様。しかし、私の唾液が顎を伝っているのを見て下から舐めとる。くすぐったいのが気持ちよくて、思わず変な声を漏らす。
 ……すごく恥ずかしいです。

「ねぇ、続き、してもいい……?」

 ユーリ様の甘い声に下腹部がきゅんと反応する。どうしてそんなに蕩けた声を出すのかと思ったけれど、よく見てみると私の足が濡れていた。

 さっき、私が夢中で擦りつけている間、ユーリ様のおまんこにも私の足が当たっていたみたいです。こんなにも可愛らしいユーリ様。したくないはずありません。本能がユーリ様の子種を欲しがっちゃってますから。

「……はい、私もしたいです♡」

 いっぱい、可愛がって下さい……♡
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