上 下
152 / 167
2章

古傷 ※R18

しおりを挟む
 手渡されたスケスケなセクシーな初夜ランジェリー……
これは、メイドさん達が寝室のクローゼットに何故か入れたやつですね?

「……たまには、こういうのも良いかと」
「あー……うん、着て欲しいんだね?」
「まぁ、そういうことだ」

 照れないで欲しい。恥ずかしくて爆死しそうなのは、私ぃ~ッ!!
まぁ、選んでくれたのはふんわりシフォンのブラとショーツで、ちょっと透けてさえいなければ、夏には寝間着代わりに着ても良いかもしれないくらいではあるんだけどね。肩口は半袖の丸みのある感じで胸の所にあるレースのリボンは少し大きめで可愛い。でもこのリボンを解くと脱げちゃうから、可愛さに騙されてはいけない。

 まぁ、冬には向かないとは思うよ?
でも、こういうのはエッチなの目的だから、冬も夏も関係は無さそうだけどね。

「えっと、似合います?」

 着てはみたものの、恥ずかしさで倒れそうである。
流石に乳首まで丸見えなのは恥ずかしいから、胸に手は置いているけど、イクシオンの反応を見てみれば、口元を押さえて目を閉じて「……可愛い」と、満足いただけたようだ。

 一応、夜はしませんよって宣言はしてあるから、目だけでも楽しんで頂けたらいいですよー。
まぁ、風邪ひくといけないから、モコモコのガウンを上に羽織ったら、イクシオンの耳がぺしゃんこになったけどね。

「ガウンを着てしまうのか? 折角、可愛いのに」
「だって、これじゃ着てるかどうかわからないし、風邪ひいちゃうよ」
「獣人の体温は高い上に、筋肉質なオレは発熱しているから、オレに抱きついていれば大丈夫だ」
「わーっ、ガウンから手を放しなさい! メッ! キャーッ」

 朝も同じような攻防があった気がするのは気のせいだろうか? ペイッとガウンを剥ぎ取られてイクシオンにベッドにお持ち帰りされてしまった。
でも、まだベッドの中は冷えていて、イクシオンの言葉通り、体温の高い体に寄りつかせてもらった。

「ふぇーっ、寒いよぅ」
「なに、直ぐに温かくなるさ」

 布団の中でギューッとイクシオンに抱きしめられて、腕の温かさに「確かに熱でもあるんじゃないか?」というくらいには、熱い体温に布団の中はホコホコと温かくなっていく。
筋肉の発熱が凄い……
ガウンだけのイクシオンの胸に手を当てると、相変わらず筋肉質で大きな古傷も見える。
古傷の上を指でなぞると、イクシオンが私の頭を撫でて「誘ってる?」と聞いてきた。

「違うよー。この胸の傷、結構大きいね。やっぱり魔獣討伐の傷?」
「ああ、それか……父にやられた」
「え?」
「まだ幼児だった頃だから、記憶にあまりないから、そんな顔しないでくれ」
「……ごめんなさい……」
「リトが謝る事じゃない。それに、死ななかったしな」

 でも、何十年も前の傷がこんな風に残るのは、辛いよ……
第一、小さな子を傷つけるとか、大人の風上にもおけない。
イクシオンの胸の傷にキスをして、「リ・ミーフ」と小さく唱えてみる。
この世界には無い回復という魔法が、小さなイクシオンに届く様に、過去は変えられないけど、これ以上はイクシオンが傷を付けなくて済むように、私は願わずにはいられない。

「リトは優しいな……オレは今が幸せだから、充分救われている」
「そんなこと、ない……」
「頼むから、オレの過去で泣きそうな顔をしないで」

 イクシオンの顔を見上げれば、ゆっくりキスされて、合わせた唇の温かさにイクシオンが自分の目の前に居て、生きている事を実感できる。
温かい舌がぬるっと口内に入り込み、舌の上を舌がなぞって絡みついて、吐息ごと全部吸い込まれる様に吸い上げられた。

「んっんぅ」

 腰がゾクリとして、腰から力が抜けていくような感覚。
蕩けてしまいそう、幸せ__うん、イクシオンが幸せな様に私も幸せを感じている。

「イクス。私も、一緒にいられて幸せだよ」
「リト。今日は可愛い姿だけで、満足しようとしたのに……我慢できなくなる」
「もぅ、エッチ。でも、してもいいよ?」

 明日は少し腰が痛くなりそうだけど、イクシオンは遠征から戻ってきたばかりで朝のエッチだけで、興奮が鎮まったとは思えないから、充分味わってもらって、残りの日々を一緒にまったり過ごせればいいや。

「折角可愛い姿になってもらったのに、脱がせるのは惜しいな」
「じゃあ、止めておく?」
「それはもっと惜しい」

 キスを交わして、私もイクシオンのしたをチュウと吸うと、手がお尻に回されてお尻側からショーツの中に手が入り、秘所に指がくちゅっと音を立てて入り込む。

「あっんっ」
「リト、凄い濡れてる」
「だって、イクスと、したくなっちゃったから……エッチな子は嫌い?」
「いや、オレにだけ、そのエッチなところを見せて」

 もう一度口づけをして、イクシオンが指で愛撫する度に私は甘く鼻にかかる様な声で喘いで、子宮の奥が熱を持ってきゅんきゅんと疼く。
指が増やされて、下から上に抜き差しされる度に蜜壺から愛液が溢れて流れていく。

「リト、どうして欲しい?」
「イクスの、挿入れて」
「指を? もう三本も咥え込んでいるのに、まだ欲しい?」

 フルフルと頭を振って、意地悪なイクシオンを涙目で睨みつける。
目を細めるイクシオンの下半身に手を伸ばして「これ、です」と握ると、思ったより熱を持っていて硬い事に驚いて手を引っ込めようとすると、手を掴まれて肉竿を持ったまま上下に動かされた。

「はぅっ、痛く、無いの?」
「もう少し強く握ってくれても大丈夫だ」
「はわわっ、恥ずかしぃ、手、放してぇ……ふえぇ~っ」
「恥ずかしがるところが可愛すぎる」
 
 普通に恥ずかしいってば! 男の人の、初めて握っちゃったよーっ!!
いや、自分のアソコに指とか入れて気持ち良くさせて貰ってるから、私もお返しはしたいとは思っていたけど、ハードルが高くて……
あと、やっぱり恥ずかしい。

「っ、はぁ……リトに握られてると思うだけで、イケそうだ」
「そうなの? 出す?」
「いや、出すのはリトの 胎内なかにだけと決めている」
「はぅっ」

 色っぽい声で変な事をキッパリ言わないで~っ!
手を放されて、ショーツを脱がされると足の間にイクシオンが体を割り込ませて、熱く滾った剛直を私の膣内へ挿入させた。

「ふあぁっ、はいって、くるぅ……あっ、んんっ」
「手で扱かれるより、こっちの方が断然気持ちいい」
「あっ、んっ、あっ、あっ」

 イクシオンが腰を動かし、喘ぎ声は一定のリズムで出て気持ち良さもじわじわと広がっていく。
さっきの手に握っていた大きいモノが自分の膣内を掻き回しているなんて、少し不思議な感覚でもある。
あんなの入っちゃうんだ……私のお腹の奥って、あんなに長いの入っちゃうって凄い……
気持ち好さが一定に達して、それを超えた時、快感が閃光のように弾けて、ふわふわした浮遊感にお腹の奥がキュッとすると、ズンッと子宮口まで押し上げられて、イクシオンがブルッと震えるとビュルビュルと精子が子宮口の小さな孔の中に注ぎ込まれていった。

「はにゃっ、お腹、駄目、ああんっ、熱ぃ……溢れちゃう、はぁんっ」

 ドクドクと脈打つ肉棒に、「お腹の中、いっぱいにされちゃう……」と、小さく呟いたら、イクシオンに「もっといっぱいにしてあげよう」と囁かれて、ゾックリと腰にきて、頭を振ったら、続けざまに二回戦目に突入されてしまった。 
する前に少し思った「腰が痛くなるかも?」は、次の日に鈍痛でヒョコヒョコ歩く私が居る事で推して知るべし!
イクシオンはスッキリ笑顔で、私はお疲れ気味な顔で笑うしかない。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「女神回収プログラム」短編集

呂兎来 弥欷助(呂彪 弥欷助)
ファンタジー
【女神回収プログラム ~三回転生したその先に~】姫の側近の剣士の、決して口外できない秘密はhttps://alphapolis.co.jp/novel/401348771/568387041の本編以外の話です。本編は執筆完了しています。 短編集ですが連載形式の話もあります。 一応、独立した短編として読めるかと思いますが、本編を読んでいる方がわかりやすいと思います。 また、お題を元に書いた話短編も含みます。 ※ネタバレ注意。前書きで「この辺りの話」と記載していきます。 ※一人称の話と三人称の話があります。一人称のみ前書きに記載します。 ※他の小説サイトでも短編、もしくは短編集として公開している話を含みます。

拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな
恋愛
 子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。 公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。  クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。  クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。 「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」 「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」 「ファンティーヌが」 「ファンティーヌが」  だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。 「私のことはお気になさらず」

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

【R18】翡翠の鎖

環名
ファンタジー
ここは異階。六皇家の一角――翠一族、その本流であるウィリデコルヌ家のリーファは、【翠の疫病神】という異名を持つようになった。嫁した相手が不幸に見舞われ続け、ついには命を落としたからだ。だが、その葬儀の夜、喧嘩別れしたと思っていた翠一族当主・ヴェルドライトがリーファを迎えに来た。「貴女は【幸運の運び手】だよ」と言って――…。 ※R18描写あり→*

西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~

雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。 元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。 ※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。

ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?

望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。 ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。 転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを―― そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。 その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。 ――そして、セイフィーラは見てしまった。 目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を―― ※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。 ※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

【完結】探さないでください!! 追放されたハズレ神子は、砂漠の果てで護衛騎士とスローライフを送る予定です!

.mizutama.
BL
「ヨータ、お前はもうこの国には必要なくなった。さあ、私の前からさっさと消え失せろっ!」   とあるブラック企業で社畜としての日々を送っていた日之出陽太(ひので・ようた)は、29歳の誕生日を一ヶ月後に控えた1年前のある日「国を救う神子」として異世界に召喚されてしまった。  自分が神子であるという自覚が全くないまま、言われるがままに神子としての日々を送っていた陽太だったが、新しい神子「ロロ」の出現により、あっさり用済みとなった陽太は、第一王子ナセルにより国から追放されてしまう。  途方に暮れる陽太だったが、その目の前に現れたのは、王宮で陽太の護衛騎士として仕えていたセファー・クライツァだった。  陽太を安全な場所に送り届けるのが「自分の使命」だというセファーと共に、陽太は砂漠の果てにあるという、セファーの故郷を目指す……。  完璧美形の護衛騎士×平凡日本人神子  ※追放ざまぁの王道ラブストーリー!(のつもり)、そして安定のテンプレ展開!(たぶん)、もちろんハッピーエンド!(しかない)  主人公は神子のお仕事の一環でお勤めセッ・・(相手は王子のみ)があったりしたので、貞操観念がちょっとおかしくなってしまった経緯あり。  攻めはとにかくツンデレ!!とにかくツンデレ!!(大事なことなので2回言いました)  いつものごとく、総受け・総愛されです!他攻めとのきわどい展開もきっとある!  タグを確認して地雷回避お願いします!

処理中です...