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2章
朝食
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あ……っ、あ~っ、シーツが汚れるッ!!
朝、気怠い体を起こし違和感に気付いて、私を後ろからガッチリホールドして眠っているイクシオンの腕をペシペシ叩きまわる。
「起きて、離して! 今すぐ! はーなーしーてぇー!!」
「……んーっ、おはよう、リト」
「おはよう! でも、直ぐに離して!」
「あと少し……」
仕方ない。ガブッとイクシオンの腕に噛みつくと、「っ!」と、イクシオンが声を漏らす。
緩んだ腕を上に上げて、クローゼットから下着を出して慌ててトイレに駆け込んで、「はぁー……」と息をつく。
ヤバかった。シーツや絨毯に血を付ける訳にはいかない。
こういう事があるから、トイレにも生理時の下着を箱に入れておいた方がいいかもしれない。
イクシオンと一緒に居る時は常に裸で寝ている様なものだから、気を付けなきゃいけない。
トイレから出ると、イクシオンが少し耳を下げていた。
流石に緊急事態といえ、噛みついたのは不味かっただろうか?
「イクス、ごめんね」
「今日から、夜は無しか……」
「まぁ、そうだね。でも昨日いっぱいしたでしょ? まだ早いって言ってるのに、無理やり入れてきたんだから。もぅ、反省して? 痛かったんだからね?」
「どうにも我慢できなかった……すまん」
「よろしい。妻は大事にするんだよ? ねっ」
チュッとイクシオンの唇にキスをすると、ガバッと抱きついてくる辺り、反省してるのかな? と、疑いたくもなる。
「リト、寒く無いかい?」
「平気だよ? まだ夏が終わったばかりだから気温も高いし」
「それならいい。早く服を着て朝食に行こうか?」
「うん。イクスも早く服を着てね?」
お互いに顔を近寄せてキスを交わし、クローゼットから服を取り出して、もそもそと着替えを始める。
今日は七分丈のスクエアチュニックに七分丈のジーンズ。
靴下とブーツを履いて着替えは完了。
今日はね、ゼキキノコを採りに行くから動きやすい恰好にしてみた。
本当はゴロンとしていたい体調ではあるけど、今のうちに採っておいて干して、いつでも飲み薬に出来るようにするつもりである。
本当は飲み薬にしておきたいんだけど、王様がまた取り上げに来た時に、直ぐに隠せるのは軽い干したキノコかな? という考えなんだよね。
ついでにいえば、今年は獣人の人には風邪予防の為にキウイフルーツを食べてビタミンを摂れと言ってあるので、各領地でキウイフルーツとリンゴが出回っている。
まぁ、少しだけ問題もあったけど……
メイミーさんやビブロースさんの猫科の獣人さんにはキウイフルーツって木天蓼と同じだから、少し酔っぱらってしまって、ふにゃふにゃしてた。
もしもの為に、キウイの枝の粉末をコッソリ持ち歩いていたりする私だったりする。
王様が神子を探しているというから、もし、万が一、捕まることがあれば、この粉末で酔っぱらわせて逃げてやる!!
ふっふっふっ。私の得意なことを、サバイバルにしてくれたお礼はたっぷりしてやるのだ!
まぁ、それはともかく。
今日はキノコ採取~準備は万端! 体調以外は不安なところはない!
「リト、悪い顔してるぞ? 何かあったのか?」
「んふふーっ、今日はゲッちゃんにたんまり朝からご飯を食べさせて、『ゲンソウキノコ』をゲッちゃんに食べられる前に採るつもりなんだー」
「またゲッちゃんに突き回されるんじゃないのか?」
「でも、美味しい物は独り占めは良くないと思うの! ゲッちゃん全部食べちゃうし」
「まぁ、オレも手伝うから突かれるのは半分は受け持とう」
「やったー! 流石イクス。いい旦那様ですね。ふっふっふっ」
イクシオンと一緒に食堂室に行くと、今日も朝ご飯にヨーグルトの中にキウイフルーツとリンゴのカットした物が入っているものと、パンケーキの上にベーコンと目玉焼き、その上からメープルシロップが掛かっている。
甘いパンケーキになんてことを―! と、思うかもしれないけど、以外にもこれが甘じょっぱくて合うのだよ。
あとは、野菜の入ったコンソメスープ。
イクシオンはこれにビルズ芋のフライドポテトに厚切りベーコンを焼いた物とサラダが付いている。
んま~い!
今日も美味しいウィリアムさんの朝ご飯!
「ゲキョゲキョー」
「あっ、ゲッちゃん。おいでおいで~、美味しい木の実があるよ~」
ふっふっふっ、ガラス瓶に溜めていたゲッちゃんの好きなプラムの実に似たものやイチゴだよ~。
他にもブルーベリーの実とか色々あるのよ~。
小皿に出してゲッちゃんに差し出すと、真ん中だけをくり抜いて、美味しいところだけを食べて、後は残すという贅沢なお残しをされてしまった……
いけない、うちのゲッちゃんがお屋敷の美味しいご飯に慣れて贅沢を覚えてしまった!?
「ゲッちゃん……贅沢は敵だよ! 私達は森で生きて行かなきゃいけないんだからね?」
「ゲキョー?」
「ゲッちゃん、お屋敷の贅沢な暮らしに慣れた後の暮らしを考えて~」
ゲッちゃんを揺すりながら、騒いでいるとイクシオンやメイドさん達に苦笑いされてしまった。
うん。私もお屋敷の贅沢な暮らしに慣れてきているので、少し自重したいです……
食事を終えて、食堂を出ていこうとした時にメイドさんに「イクシオン様、この様な物が洗濯物の中に入っていましたが」と、白い折りたたんだ紙を渡されて、イクシオンが紙を広げて確認していた。
「それ、なあに?」
「これか? 賢者召喚の呪文と召喚陣を書き写した物だ」
「見せて―」
イクシオンから紙を貸してもらって読めば……それは懐かしい言葉が並んだ呪文だった。
「これ、『君に焦がれて』だ……」
「君に焦がれて? なんだそれは……?」
「えっと、恋の歌……だよ?」
私の言葉にイクシオンが首を傾げて、私もこんな所でこんな物を見るとは思っていなかった。
朝、気怠い体を起こし違和感に気付いて、私を後ろからガッチリホールドして眠っているイクシオンの腕をペシペシ叩きまわる。
「起きて、離して! 今すぐ! はーなーしーてぇー!!」
「……んーっ、おはよう、リト」
「おはよう! でも、直ぐに離して!」
「あと少し……」
仕方ない。ガブッとイクシオンの腕に噛みつくと、「っ!」と、イクシオンが声を漏らす。
緩んだ腕を上に上げて、クローゼットから下着を出して慌ててトイレに駆け込んで、「はぁー……」と息をつく。
ヤバかった。シーツや絨毯に血を付ける訳にはいかない。
こういう事があるから、トイレにも生理時の下着を箱に入れておいた方がいいかもしれない。
イクシオンと一緒に居る時は常に裸で寝ている様なものだから、気を付けなきゃいけない。
トイレから出ると、イクシオンが少し耳を下げていた。
流石に緊急事態といえ、噛みついたのは不味かっただろうか?
「イクス、ごめんね」
「今日から、夜は無しか……」
「まぁ、そうだね。でも昨日いっぱいしたでしょ? まだ早いって言ってるのに、無理やり入れてきたんだから。もぅ、反省して? 痛かったんだからね?」
「どうにも我慢できなかった……すまん」
「よろしい。妻は大事にするんだよ? ねっ」
チュッとイクシオンの唇にキスをすると、ガバッと抱きついてくる辺り、反省してるのかな? と、疑いたくもなる。
「リト、寒く無いかい?」
「平気だよ? まだ夏が終わったばかりだから気温も高いし」
「それならいい。早く服を着て朝食に行こうか?」
「うん。イクスも早く服を着てね?」
お互いに顔を近寄せてキスを交わし、クローゼットから服を取り出して、もそもそと着替えを始める。
今日は七分丈のスクエアチュニックに七分丈のジーンズ。
靴下とブーツを履いて着替えは完了。
今日はね、ゼキキノコを採りに行くから動きやすい恰好にしてみた。
本当はゴロンとしていたい体調ではあるけど、今のうちに採っておいて干して、いつでも飲み薬に出来るようにするつもりである。
本当は飲み薬にしておきたいんだけど、王様がまた取り上げに来た時に、直ぐに隠せるのは軽い干したキノコかな? という考えなんだよね。
ついでにいえば、今年は獣人の人には風邪予防の為にキウイフルーツを食べてビタミンを摂れと言ってあるので、各領地でキウイフルーツとリンゴが出回っている。
まぁ、少しだけ問題もあったけど……
メイミーさんやビブロースさんの猫科の獣人さんにはキウイフルーツって木天蓼と同じだから、少し酔っぱらってしまって、ふにゃふにゃしてた。
もしもの為に、キウイの枝の粉末をコッソリ持ち歩いていたりする私だったりする。
王様が神子を探しているというから、もし、万が一、捕まることがあれば、この粉末で酔っぱらわせて逃げてやる!!
ふっふっふっ。私の得意なことを、サバイバルにしてくれたお礼はたっぷりしてやるのだ!
まぁ、それはともかく。
今日はキノコ採取~準備は万端! 体調以外は不安なところはない!
「リト、悪い顔してるぞ? 何かあったのか?」
「んふふーっ、今日はゲッちゃんにたんまり朝からご飯を食べさせて、『ゲンソウキノコ』をゲッちゃんに食べられる前に採るつもりなんだー」
「またゲッちゃんに突き回されるんじゃないのか?」
「でも、美味しい物は独り占めは良くないと思うの! ゲッちゃん全部食べちゃうし」
「まぁ、オレも手伝うから突かれるのは半分は受け持とう」
「やったー! 流石イクス。いい旦那様ですね。ふっふっふっ」
イクシオンと一緒に食堂室に行くと、今日も朝ご飯にヨーグルトの中にキウイフルーツとリンゴのカットした物が入っているものと、パンケーキの上にベーコンと目玉焼き、その上からメープルシロップが掛かっている。
甘いパンケーキになんてことを―! と、思うかもしれないけど、以外にもこれが甘じょっぱくて合うのだよ。
あとは、野菜の入ったコンソメスープ。
イクシオンはこれにビルズ芋のフライドポテトに厚切りベーコンを焼いた物とサラダが付いている。
んま~い!
今日も美味しいウィリアムさんの朝ご飯!
「ゲキョゲキョー」
「あっ、ゲッちゃん。おいでおいで~、美味しい木の実があるよ~」
ふっふっふっ、ガラス瓶に溜めていたゲッちゃんの好きなプラムの実に似たものやイチゴだよ~。
他にもブルーベリーの実とか色々あるのよ~。
小皿に出してゲッちゃんに差し出すと、真ん中だけをくり抜いて、美味しいところだけを食べて、後は残すという贅沢なお残しをされてしまった……
いけない、うちのゲッちゃんがお屋敷の美味しいご飯に慣れて贅沢を覚えてしまった!?
「ゲッちゃん……贅沢は敵だよ! 私達は森で生きて行かなきゃいけないんだからね?」
「ゲキョー?」
「ゲッちゃん、お屋敷の贅沢な暮らしに慣れた後の暮らしを考えて~」
ゲッちゃんを揺すりながら、騒いでいるとイクシオンやメイドさん達に苦笑いされてしまった。
うん。私もお屋敷の贅沢な暮らしに慣れてきているので、少し自重したいです……
食事を終えて、食堂を出ていこうとした時にメイドさんに「イクシオン様、この様な物が洗濯物の中に入っていましたが」と、白い折りたたんだ紙を渡されて、イクシオンが紙を広げて確認していた。
「それ、なあに?」
「これか? 賢者召喚の呪文と召喚陣を書き写した物だ」
「見せて―」
イクシオンから紙を貸してもらって読めば……それは懐かしい言葉が並んだ呪文だった。
「これ、『君に焦がれて』だ……」
「君に焦がれて? なんだそれは……?」
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私の言葉にイクシオンが首を傾げて、私もこんな所でこんな物を見るとは思っていなかった。
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