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1章
入院
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目を覚ましたら、体が熱くてボゥとする頭で「ここは何処だろう?」と視線を彷徨わせると、真っ白な部屋にカーテンがしてあって、匂いは薬品の香りが充満している事から、ここが病院だとわかった。
現代風な所だと思いながら、点滴を見上げれば、私の良く見知った文字だった。
英語と日本語。
「___えっ?」
起き上がろうとして、足の痛さに声なき声を上げて悶絶する。
足を見れば、天井から医療器具で吊り下げられていて、なんだかバンバンに腫れていて自分の足じゃないみたいだった。
「ゲッちゃん、デンちゃん……どこ?」
辺りを見回しても二人の姿が見えなくて、なんで私は、こっちの世界に居るのかもわからなかった。
ナースコールを押すと、天井から声がして、少し驚いた。
ナースコールって押したら、看護婦さんが部屋に来るのかと思ってたけど、『どうしました?』とマイクから音声が出てくるんだぁ……と、入院なんて生まれた時の産婦人科くらいしかない健康優良児だった私は、ハイテクな技術!? とか思った。
「あの、ここは何処ですか?」
『あ、307号室さんですね。直ぐに向かいます』
看護士さんとお医者さんが来て、名前と連絡先から聞かれた。
どうやら私は山で倒れているのを、日の出を毎年、その山で写真を撮っている人に発見されて、病院に連れてこられたらしい。
私の身元を表す物が無かったから、入院の手続きとかの書類をその人が代理人でしてくれたらしくて、後で手続きの変更をご家族にしてもらう様にと言われた。
「李都です……」
「苗字は?」
ここは日本だし、異世界じゃないから苗字を言っても大丈夫なのに、どうしても言えなくて、私は「美空中学校の生徒です。七月くらいにキャンプに来て、気付いたらここにいました」と、あえて、なにも分からないことにした。
ヒントから、お医者さんと警察の人が、私の両親に連絡を入れてくれて、直ぐに迎えに行くと連絡があった。
ただ、雪が凄く積もっていて、迎えに行くのに時間が掛かるだろうという話だった。
私は左足の骨が折れて、外に骨が突き破っていたらしい。
うん。我ながら痛いわけだと納得して、怪我で熱が出ていることもあり、解熱剤を打たれて、意識が朦朧とする中で、ゲッちゃんとデンちゃんはどうしたんだろう? その事だけが心配だった。
私は手術もしたこともあって、しばらく入院生活で、転院先の病院への手続きとか色々あって、両親や警察、ついでに学校なんかにも説明をしなきゃいけなくて……
『何も覚えていません。気付いたらここでした』
この一点張りで頑張った。
おかげで、心療内科にもカウンセリングで通うことになり、同じ病院の中に心療内科のある病院への転院だったから、車椅子でエレベーターを使っての移動を余儀なくされた。
やっぱり、私が居なくなった夏の日、キャンプは大騒ぎで中止になってしまったようだ。
他の子達の証言だと、私は草を刈っていて、いきなり目の前で消えたようで、集団パニックみたいな感じに少しなっちゃったみたいだ。
何人かが、私がフッと消えたのを見たらしい。
いやはや、異世界に行ってましたわーとは、流石に言えない。
うちの両親が学校に監督不行き届きだと訴えたり、色々大変だったそうで……本当に申し訳ありません。
私も好きで行ったわけじゃないんだよ?
こっちの世界に戻って来て一ヶ月。
「カモ、退院したって聞いて、遊びに来たよ!」
「サバちゃーん! ありがとう! 上がって上がって!」
私の元同級生で仲良しだった坂庭安奈、通称サバちゃん。
黒髪ストレートの眼鏡っ子、委員長タイプだったサバちゃん……は、高校デビューなのか、茶髪で緩くパーマをして、お化粧もしてコンタクトの今時女子高生になっていた。
私の部屋に上がってもらって、お母さんにお茶とお菓子を持ってきてもらい、サバちゃんがベッドに座る。
私はまだ車椅子で、膝の上にはボン助が乗っている。
「カモが居なくなって、あの時は本当に大変だったんだよ?」
「私も、まさかこんなことになるなんて思わなかったよ」
「将門なんてメチャ狼狽えててさ、カモのこと大声で探しまくって、李都ーっ! て凄かったんだよ」
「えー、将門君が? 無いでしょ? サバちゃん冗談ばっか~」
将門君は私とは幼稚園からの腐れ縁で、小学校の頃、私にラブレターを書いて呼び出して、『男女』って言って、揶揄うぐらいに、私の事を嫌っている男子だ。
あの頃は好きとか嫌いとか分からなかったけど、中学になって将門君がモテはやされるようになって、人気者になってからは、ああ、リア充に嫌われてるとか、私終わってるなー……と、少しションボリもしたのだ。
「カモは知らないだろうけどさ、将門はカモの事、幼稚園の頃から好きだったんだよ?」
「いやいや、それは無いよー。私、将門君に嫌われてるのサバちゃんも知ってるでしょ?」
「アイツ、カモの前でだけ態度悪くなるんだよ。好きなの子の前じゃ素直になれないタイプが、将門だよ」
「あははー……、でも、今更そういうの言われても、全部遅いというか、うん、本当に今更かな」
だって、私はイクシオンに出会って、イクシオンだけしかもう見れない。
今だって、帰れるならイクシオンの所に帰りたい……
こっちの世界にあんなに帰りたかったのに、ヴァンハロー領の人やゲッちゃんにデンちゃん、イクシオンの居る異世界が恋しくて仕方がない。
「あのさ、将門が『カモが人に会えるぐらい元気で、話とか出来るなら、会えないか?』って、伝言預かってるんだよね」
「会って話すのは全然良いし、むしろサバちゃん連れて来ても良かったよ? 嫌われて無いなら良かったしさ。まぁ、恋愛は無いけどね」
「ん、まぁ、恋愛は私も許さないし。実は将門と、カモが居なくなってから、付き合いだしたんだよね」
「そうなんだ。おめでとう……って、言うべき? それとも、私のサバちゃんがー! って言うべき?」
サバちゃんが少し困った顔で笑って「カモは本当に、将門の事何とも思ってないんだね」と言った後で「やりきれないなぁ」と呟いた。
もしかして、サバちゃん私が将門君のことに脈ありだと思ってたんだろうか?
サバちゃんとしばらく話して、「またね」と言って別れた。
部屋に戻ると、壁に掛けてあるケープを見る。
銀色のファーの付いた、盾と狼のマークの入った群青色のケープ。
イクシオンは今頃、討伐から戻る頃だろうか? まだ少し早いかな? 無事にヴァンハロー領まで帰れると良いんだけど……会いたいな。
「会いたい……会いたいよ。イクスに会いたい」
ポロッと流れた涙は、しゃくりあげる度に溢れて胸をギュッと痛くした。
現代風な所だと思いながら、点滴を見上げれば、私の良く見知った文字だった。
英語と日本語。
「___えっ?」
起き上がろうとして、足の痛さに声なき声を上げて悶絶する。
足を見れば、天井から医療器具で吊り下げられていて、なんだかバンバンに腫れていて自分の足じゃないみたいだった。
「ゲッちゃん、デンちゃん……どこ?」
辺りを見回しても二人の姿が見えなくて、なんで私は、こっちの世界に居るのかもわからなかった。
ナースコールを押すと、天井から声がして、少し驚いた。
ナースコールって押したら、看護婦さんが部屋に来るのかと思ってたけど、『どうしました?』とマイクから音声が出てくるんだぁ……と、入院なんて生まれた時の産婦人科くらいしかない健康優良児だった私は、ハイテクな技術!? とか思った。
「あの、ここは何処ですか?」
『あ、307号室さんですね。直ぐに向かいます』
看護士さんとお医者さんが来て、名前と連絡先から聞かれた。
どうやら私は山で倒れているのを、日の出を毎年、その山で写真を撮っている人に発見されて、病院に連れてこられたらしい。
私の身元を表す物が無かったから、入院の手続きとかの書類をその人が代理人でしてくれたらしくて、後で手続きの変更をご家族にしてもらう様にと言われた。
「李都です……」
「苗字は?」
ここは日本だし、異世界じゃないから苗字を言っても大丈夫なのに、どうしても言えなくて、私は「美空中学校の生徒です。七月くらいにキャンプに来て、気付いたらここにいました」と、あえて、なにも分からないことにした。
ヒントから、お医者さんと警察の人が、私の両親に連絡を入れてくれて、直ぐに迎えに行くと連絡があった。
ただ、雪が凄く積もっていて、迎えに行くのに時間が掛かるだろうという話だった。
私は左足の骨が折れて、外に骨が突き破っていたらしい。
うん。我ながら痛いわけだと納得して、怪我で熱が出ていることもあり、解熱剤を打たれて、意識が朦朧とする中で、ゲッちゃんとデンちゃんはどうしたんだろう? その事だけが心配だった。
私は手術もしたこともあって、しばらく入院生活で、転院先の病院への手続きとか色々あって、両親や警察、ついでに学校なんかにも説明をしなきゃいけなくて……
『何も覚えていません。気付いたらここでした』
この一点張りで頑張った。
おかげで、心療内科にもカウンセリングで通うことになり、同じ病院の中に心療内科のある病院への転院だったから、車椅子でエレベーターを使っての移動を余儀なくされた。
やっぱり、私が居なくなった夏の日、キャンプは大騒ぎで中止になってしまったようだ。
他の子達の証言だと、私は草を刈っていて、いきなり目の前で消えたようで、集団パニックみたいな感じに少しなっちゃったみたいだ。
何人かが、私がフッと消えたのを見たらしい。
いやはや、異世界に行ってましたわーとは、流石に言えない。
うちの両親が学校に監督不行き届きだと訴えたり、色々大変だったそうで……本当に申し訳ありません。
私も好きで行ったわけじゃないんだよ?
こっちの世界に戻って来て一ヶ月。
「カモ、退院したって聞いて、遊びに来たよ!」
「サバちゃーん! ありがとう! 上がって上がって!」
私の元同級生で仲良しだった坂庭安奈、通称サバちゃん。
黒髪ストレートの眼鏡っ子、委員長タイプだったサバちゃん……は、高校デビューなのか、茶髪で緩くパーマをして、お化粧もしてコンタクトの今時女子高生になっていた。
私の部屋に上がってもらって、お母さんにお茶とお菓子を持ってきてもらい、サバちゃんがベッドに座る。
私はまだ車椅子で、膝の上にはボン助が乗っている。
「カモが居なくなって、あの時は本当に大変だったんだよ?」
「私も、まさかこんなことになるなんて思わなかったよ」
「将門なんてメチャ狼狽えててさ、カモのこと大声で探しまくって、李都ーっ! て凄かったんだよ」
「えー、将門君が? 無いでしょ? サバちゃん冗談ばっか~」
将門君は私とは幼稚園からの腐れ縁で、小学校の頃、私にラブレターを書いて呼び出して、『男女』って言って、揶揄うぐらいに、私の事を嫌っている男子だ。
あの頃は好きとか嫌いとか分からなかったけど、中学になって将門君がモテはやされるようになって、人気者になってからは、ああ、リア充に嫌われてるとか、私終わってるなー……と、少しションボリもしたのだ。
「カモは知らないだろうけどさ、将門はカモの事、幼稚園の頃から好きだったんだよ?」
「いやいや、それは無いよー。私、将門君に嫌われてるのサバちゃんも知ってるでしょ?」
「アイツ、カモの前でだけ態度悪くなるんだよ。好きなの子の前じゃ素直になれないタイプが、将門だよ」
「あははー……、でも、今更そういうの言われても、全部遅いというか、うん、本当に今更かな」
だって、私はイクシオンに出会って、イクシオンだけしかもう見れない。
今だって、帰れるならイクシオンの所に帰りたい……
こっちの世界にあんなに帰りたかったのに、ヴァンハロー領の人やゲッちゃんにデンちゃん、イクシオンの居る異世界が恋しくて仕方がない。
「あのさ、将門が『カモが人に会えるぐらい元気で、話とか出来るなら、会えないか?』って、伝言預かってるんだよね」
「会って話すのは全然良いし、むしろサバちゃん連れて来ても良かったよ? 嫌われて無いなら良かったしさ。まぁ、恋愛は無いけどね」
「ん、まぁ、恋愛は私も許さないし。実は将門と、カモが居なくなってから、付き合いだしたんだよね」
「そうなんだ。おめでとう……って、言うべき? それとも、私のサバちゃんがー! って言うべき?」
サバちゃんが少し困った顔で笑って「カモは本当に、将門の事何とも思ってないんだね」と言った後で「やりきれないなぁ」と呟いた。
もしかして、サバちゃん私が将門君のことに脈ありだと思ってたんだろうか?
サバちゃんとしばらく話して、「またね」と言って別れた。
部屋に戻ると、壁に掛けてあるケープを見る。
銀色のファーの付いた、盾と狼のマークの入った群青色のケープ。
イクシオンは今頃、討伐から戻る頃だろうか? まだ少し早いかな? 無事にヴァンハロー領まで帰れると良いんだけど……会いたいな。
「会いたい……会いたいよ。イクスに会いたい」
ポロッと流れた涙は、しゃくりあげる度に溢れて胸をギュッと痛くした。
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