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監禁されてから一ヶ月が経っただろうか……。
エンジュと俺は変わらない日々を過ごしている。
目的が分からず不安ばかりが大きくなるのかと思っていたが慣れとは恐ろしいもので少しずつそれが普通になってしまう。
きっと俺一人でこんな場所に閉じ込められていたら気が狂っていただろうな……と、思っているといつものように食事が配給され、エンジュが駆け寄り食事を見て笑みを溢す。
「ダンテさん、今日の食事はお肉がメインですよ」
「ほんとだな。腹も減ったし、さっそく食べよう」
「はい!」
机に食事を置き、向かい合って食事を取りながら美味しいと口元を綻ばせるエンジュ……。
エンジュも最初に顔を合わせた時よりも笑顔が多くなり、俺の傍にいる事が多くなった。
俺の灰色の毛並みを偉く気に入ってくれていて、毛並みをブラッシングする時はエンジュが率先してやってくれる。
俺の毛並みを綺麗だと何度も何度も褒められるとなんだか気恥ずかしくなってしまう。嬉しそうにブラッシングしてくるエンジュに辞めてくれなど言えずに……俺はむず痒い気持ちのままエンジュの行為を受け入れた。
エンジュと俺は監禁された者同士、不思議な関係性を築いていった。
食事を終えた後、いつものようにエンジュが俺の尻尾をブラッシングしていると訪れるはずのない謎の男の足音が近づいてくる。
しかも、その足音は一人だけではない……。
食事は済んだばかりで、男がここにやってくるということは……。
ピクンッと耳を揺らし俺が警戒心を露わにすると、エンジュもそれに気付いたのか不安そうに俺の服の裾を握る。
足音が部屋の前で止まり、監禁されて一度も開くはずのなかった扉が開くと仕立てのいい服を見に纏った覆面姿の男と、その後ろに数名の男が立っていた。
「貴方達の出荷先が決まりました。出荷前に身体に異常がないか確認させていただきます」
聞き覚えのある声で覆面の男はそう告げると、後ろに立っていた屈強な男達がこちらに向かってやってくる。
エンジュを庇うように前へ出て威嚇し牙を向けるが男達は構わずにこちらへとやってくる。
何人もの男に押さえつけられ口輪をはめられ、抵抗しているとエンジュも必死に男達から俺を助けようと抵抗する。
「ダンテさんに酷いことをしないでっ!!」
悲鳴のようなエンジュの声が部屋の中に響き渡ると、覆面の男は小さく舌打ちする。
「うるさいなぁ……」
そう呟くと覆面の男は『電撃』とボソリと言葉を放ち、バチンッと弾ける音と共にエンジュの体が痙攣したように跳ねる。
「エンジュッッ!!」
意識を無くしたエンジュは床に倒れ込み、俺は男達の手を振り払いエンジュを抱き起こす。
「エンジュ! エンジュ!」
「首輪から電流を少し流しただけですよ……。そのうち目を覚まします」
「貴様ッッ!」
「おやおや……。あなたもしつけて欲しいのですか……。では、お望み通り……」
覆面の男に向かって殺意を向けた瞬間、バチッッと激しい音と共に脳天を突き抜けるような刺激が襲い……俺は意識を失った……。
エンジュと俺は変わらない日々を過ごしている。
目的が分からず不安ばかりが大きくなるのかと思っていたが慣れとは恐ろしいもので少しずつそれが普通になってしまう。
きっと俺一人でこんな場所に閉じ込められていたら気が狂っていただろうな……と、思っているといつものように食事が配給され、エンジュが駆け寄り食事を見て笑みを溢す。
「ダンテさん、今日の食事はお肉がメインですよ」
「ほんとだな。腹も減ったし、さっそく食べよう」
「はい!」
机に食事を置き、向かい合って食事を取りながら美味しいと口元を綻ばせるエンジュ……。
エンジュも最初に顔を合わせた時よりも笑顔が多くなり、俺の傍にいる事が多くなった。
俺の灰色の毛並みを偉く気に入ってくれていて、毛並みをブラッシングする時はエンジュが率先してやってくれる。
俺の毛並みを綺麗だと何度も何度も褒められるとなんだか気恥ずかしくなってしまう。嬉しそうにブラッシングしてくるエンジュに辞めてくれなど言えずに……俺はむず痒い気持ちのままエンジュの行為を受け入れた。
エンジュと俺は監禁された者同士、不思議な関係性を築いていった。
食事を終えた後、いつものようにエンジュが俺の尻尾をブラッシングしていると訪れるはずのない謎の男の足音が近づいてくる。
しかも、その足音は一人だけではない……。
食事は済んだばかりで、男がここにやってくるということは……。
ピクンッと耳を揺らし俺が警戒心を露わにすると、エンジュもそれに気付いたのか不安そうに俺の服の裾を握る。
足音が部屋の前で止まり、監禁されて一度も開くはずのなかった扉が開くと仕立てのいい服を見に纏った覆面姿の男と、その後ろに数名の男が立っていた。
「貴方達の出荷先が決まりました。出荷前に身体に異常がないか確認させていただきます」
聞き覚えのある声で覆面の男はそう告げると、後ろに立っていた屈強な男達がこちらに向かってやってくる。
エンジュを庇うように前へ出て威嚇し牙を向けるが男達は構わずにこちらへとやってくる。
何人もの男に押さえつけられ口輪をはめられ、抵抗しているとエンジュも必死に男達から俺を助けようと抵抗する。
「ダンテさんに酷いことをしないでっ!!」
悲鳴のようなエンジュの声が部屋の中に響き渡ると、覆面の男は小さく舌打ちする。
「うるさいなぁ……」
そう呟くと覆面の男は『電撃』とボソリと言葉を放ち、バチンッと弾ける音と共にエンジュの体が痙攣したように跳ねる。
「エンジュッッ!!」
意識を無くしたエンジュは床に倒れ込み、俺は男達の手を振り払いエンジュを抱き起こす。
「エンジュ! エンジュ!」
「首輪から電流を少し流しただけですよ……。そのうち目を覚まします」
「貴様ッッ!」
「おやおや……。あなたもしつけて欲しいのですか……。では、お望み通り……」
覆面の男に向かって殺意を向けた瞬間、バチッッと激しい音と共に脳天を突き抜けるような刺激が襲い……俺は意識を失った……。
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