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本編

赤城星夜Side ③

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「…ただいま」

今日も一日かかる予定だった仕事を無理矢理終わらせ日付が変わる頃家へと帰りつく。

昨日は優にやり過ぎてしまいヒカルから散々説教を受けた…。
優には謝ったが…俺を許してくれたのだろうか…。

はぁ…と、ため息をつきながら自分の部屋へと向かおうとした時、リビングから明かりが漏れているのに気付く。

いつもならヒカルは寝ている時間だが…
電気の消し忘れか?

そう思いリビングのドアを開くと、ヘッドホンを付けたヒカルが食い入る様にTVを見ていた。
TVに映し出されていたのは…
優がヒカルのモノを扱いている映像だった。

恥ずかしそうにヒカルのペニスを扱いていたかと思うと、ヒカルに頬を撫でられ嬉しそうに微笑む優の姿が…
最後にはヒカルのペニスにキスをして顔射されていたが嫌な顔もせずに、かけられた精液を拭いヒカルに見せていた。


「なんなんだコレは…」

声は聞こえないが視覚だけでも十分に淫乱な優の姿に絶句したと同時に勃ち上がる俺のペニス。
勃ちすぎて痛い…

ヒカルはもう一度最初から映像を再生しだし下半身をゴソゴソと触りだす。

「ヒカル…ヒカル…おい!ヒカル!これはどうゆう事だ!」

ヘッドホンを付け俺に気付かずに自慰行為をしていたヒカルは俺の大声に跳ねるようにこちらを振り向く。

「は?えっ?兄さん明日帰ってくるんじゃなかったの?」

外されたヘッドホンからは大音量で『ヒカル…。お願い…チュウしたい…』と、優の甘いおねだり声がリビングに響き渡る。

「仕事は終わらせた。そのとんでもなく卑猥な映像はなんなんだ?まさかお前また抜け駆けして…」

俺はふつふつと湧き上がる怒りに我を忘れそうになる。
こんなに淫乱な優を独り占めするなんて…許せん。

「に、兄さん!コレは違うんだ!優くんの精神面をフォローしてたら流れでこうなって…。しかもコレは兄さんの為の行為で…」
「俺の為…?どうゆう事だ」

その後ヒカルを正座させ話を聞く。
ヒカルが言うには、優は今『悪役』としての自分に自信を失っており、今のままでは俺に挑んでくること辞めてしまうかもしれないとゆう危機的状況。

そこで、俺のついた嘘の攻撃技『性的攻撃』を俺に仕掛ける為に特訓をしていたのがあの映像の行為。


「つまり…優があの映像のような事を俺にやるのか…??」
「うん。兄さん演技下手くそだから説明せずに本当に夜這い形式でやろうと思ってたんだけどね…。明日の夜、兄さんが寝たら優くんが部屋に来る予定だから、怪しまれないようにしてね!そして、優くんの自信を取り戻すには兄さんの演技力にかかってるから!」

俺は事の重大さに思わず息を呑む。
失敗すれば優が俺に挑んでくる事が無くなる…そんなの絶対にダメだ。

「ヒカル…お兄ちゃんに任せておけ。必ず優の自信を取り戻してみせる…」
「う~ん…。なんか不安なんですけど…」

ヒカルは大丈夫かよコイツ。と、言いたげな目で俺を見つめてくるが、そんな事よりも俺はずっとTVで流れている優の淫乱な姿が明日の晩見られるのかと思うと興奮して夜が待ちきれなかった…

その夜は興奮する自分をなんとか抑え朝を迎えた。
平常心だ…。と心の中で呟きながら優に朝の挨拶に行くと、俺を見て少し緊張した表情を見せる。俺も優につられて何故か緊張してしまう…

「おはよう優…。その…調子はどうだ?」
「おはよう星夜。調子は…まぁいいぞ…」
「そうか…。優、きょ、今日の夜は何か予定があるのか?俺の今日の夜の予定は特に何も無いから凄く凄く暇だ。だが、なんだか疲れそうな感じがするからなぁ~早く寝てしまうかもしれな……」

「あはは~2人ともおはよう!兄さ~~ん!早く支度してさっさと学校行きなよ!遅刻するよ~」

「いや、まだ学校に行くのには早すぎ…」
「いいから!早く!学校っっ!!」

俺が今日の夜の予定について優に話していると、ヒカルが引きつった笑顔で俺に話しかけてくる。

「じゃあ…優、また今晩…」
「あぁ。またな…」

ヒカルの大きなため息に見送られ俺は優の部屋を後にする。

…少ししゃべりすぎたか?
だが、予定くらい伝えても問題ないと思うのだが…

それから俺は夜が来るまで悶々としながら過ごしていった。
学校に行ったところで授業など頭に入るはずもなく、思い浮かぶのは優の淫らな姿のみ…

学校を終えヒーロー活動もさっさと済ませ帰宅する。
自宅ではヒカルが待ち構えており今日の注意事項を再度確認させられた。

「兄さん。優くんに色々とされても絶対に暴走しちゃダメだからね!前回みたいに優くんの嫌がる事は絶対絶対ダメ!嫌われても僕フォローしないからね…」
「分かった。暴走しない。嫌がる事しない。」

俺はブンブンと頭を上下に振る。
そんな事より早く寝たい。早く優に襲ってほしい…

「…本当にわかってる?一応僕は近くで様子見てるけどいい?優くんが不安そうにしだしたら止めに入るからね」
「ヒカル。よろしく頼む!」

ニコニコと笑顔を見せる俺を見て、ヒカルはなんだか納得いかない顔をしていた。


そして待ちに待った夜が来る。

部屋も綺麗にした。風呂にも入った。も手に届く場所に隠した。
俺は電気を消してベッドへと潜り込む。

優はどんな淫らな姿を見せてくれるのだろうか…

ドキドキとワクワクが止まらない。


優!俺の準備は万端だ!!
さぁ!どこからでもかかってこい!

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