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16話
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「ゲイル。最近エクラの浄化を受けていないそうだが大丈夫なのか?」
「はい。大丈夫ですよ父上」
「だが、エクラよりお前が少しずつ変わってきていると聞いたぞ。呪いに飲み込まれていないか心配だと……」
義父である教皇は、私を化け物を見るような目で見てくる。
私は笑みを深くして答える。
「国王の次なる目標は隣国の宰相だと聞いています。宰相クラスを呪うとなると、それなりに大きな呪いが必要です。事情を知らないエクラは心配しているでしょうが、全ては国のために行っていることです」
「そうか……。それならばいいんだ。今日も呪いを消して欲しいと依頼がきている。体には気をつけるんだぞ」
教皇はそう言うと去っていく。
私の体を心配して……いや、私の能力を心配しているのだろう。今や私は教会一の稼ぎ頭だ。
大切な資金源がいなくなるのは教皇にとって、心苦しいのだろう。
そして、私は今日も教皇が用意した呪い達を美味しくいただく。腹の底に溜まっていく呪い達。
その怨みは私の腹の中で混ざり合い融合し、より強力な呪いへと姿を変える。
———私のためにもっと強く大きくなるんだ。
我が子のように腹を撫で、私は次々と呪いを喰らっていった。
そして、私とジンの運命を変える日がやってくる。
「ジン、少しいいか?」
「はい。どうしましたか、ゲイル様」
教会にある私の書斎にジンを呼ぶと、紅茶とお菓子を振る舞う。ジンの大好きな焼き菓子を用意してやると、ジンは幼い子どものように目を輝かせる。
「お茶菓子を沢山もらったんだ。私だけでは食べきれないから一緒に食べよう」
「うわぁ……いいんですか?」
「あぁ。もちろんだ」
ジンは小さな焼き菓子を口にし、口元を緩ませる。そして、私が淹れた特製の紅茶を口にする。
「お菓子も紅茶も凄く美味しいです」
「そうだろ。紅茶は今日のために用意した特製だからね……」
ごくりとジンは紅茶を飲み干す。
「そうなんですね。ゲイル様が淹れる紅茶はエクラ様も大好きなので、次は三人でお茶会したいですね」
「あぁ……そうだな。三人で楽しいお茶会を開きたいな」
はたして三人が揃う日は訪れるのだろうか。
無邪気な笑顔を浮かべるジンを微笑ましく感じる。
……そして、数分もしないうちにジンは机の上に突っ伏してしまう。
「ジン……眠ってしまったのかい?」
声をかけるがジンは小さな寝息をたて目を覚ますことはない。
「薬が良く効いているようだね」
ジンの小柄な体を抱え、書斎の隠し扉を開き地下に続く長い長い階段を降りていく。
地下にある隠し部屋に到着すると、ジンをベッドへと寝かせる。
可愛らしい寝顔で深い眠りにつくジンを見ていると、愛おしさが込み上げてくる。
———可愛くて愛おしい私のジン。
柔らかな黒髪を撫で、すっと顔を近づけ私はジンと初めての口づけを交わす。
「ジン、行ってくるよ」
次にジンが目を覚ました時、世界は私とジンだけのものになっているだろう。
二人だけの世界か……。
想像しただけで幸せで最高な世界に、くつくつと喉を鳴らし私はエクラのもとへと向かった。
「はい。大丈夫ですよ父上」
「だが、エクラよりお前が少しずつ変わってきていると聞いたぞ。呪いに飲み込まれていないか心配だと……」
義父である教皇は、私を化け物を見るような目で見てくる。
私は笑みを深くして答える。
「国王の次なる目標は隣国の宰相だと聞いています。宰相クラスを呪うとなると、それなりに大きな呪いが必要です。事情を知らないエクラは心配しているでしょうが、全ては国のために行っていることです」
「そうか……。それならばいいんだ。今日も呪いを消して欲しいと依頼がきている。体には気をつけるんだぞ」
教皇はそう言うと去っていく。
私の体を心配して……いや、私の能力を心配しているのだろう。今や私は教会一の稼ぎ頭だ。
大切な資金源がいなくなるのは教皇にとって、心苦しいのだろう。
そして、私は今日も教皇が用意した呪い達を美味しくいただく。腹の底に溜まっていく呪い達。
その怨みは私の腹の中で混ざり合い融合し、より強力な呪いへと姿を変える。
———私のためにもっと強く大きくなるんだ。
我が子のように腹を撫で、私は次々と呪いを喰らっていった。
そして、私とジンの運命を変える日がやってくる。
「ジン、少しいいか?」
「はい。どうしましたか、ゲイル様」
教会にある私の書斎にジンを呼ぶと、紅茶とお菓子を振る舞う。ジンの大好きな焼き菓子を用意してやると、ジンは幼い子どものように目を輝かせる。
「お茶菓子を沢山もらったんだ。私だけでは食べきれないから一緒に食べよう」
「うわぁ……いいんですか?」
「あぁ。もちろんだ」
ジンは小さな焼き菓子を口にし、口元を緩ませる。そして、私が淹れた特製の紅茶を口にする。
「お菓子も紅茶も凄く美味しいです」
「そうだろ。紅茶は今日のために用意した特製だからね……」
ごくりとジンは紅茶を飲み干す。
「そうなんですね。ゲイル様が淹れる紅茶はエクラ様も大好きなので、次は三人でお茶会したいですね」
「あぁ……そうだな。三人で楽しいお茶会を開きたいな」
はたして三人が揃う日は訪れるのだろうか。
無邪気な笑顔を浮かべるジンを微笑ましく感じる。
……そして、数分もしないうちにジンは机の上に突っ伏してしまう。
「ジン……眠ってしまったのかい?」
声をかけるがジンは小さな寝息をたて目を覚ますことはない。
「薬が良く効いているようだね」
ジンの小柄な体を抱え、書斎の隠し扉を開き地下に続く長い長い階段を降りていく。
地下にある隠し部屋に到着すると、ジンをベッドへと寝かせる。
可愛らしい寝顔で深い眠りにつくジンを見ていると、愛おしさが込み上げてくる。
———可愛くて愛おしい私のジン。
柔らかな黒髪を撫で、すっと顔を近づけ私はジンと初めての口づけを交わす。
「ジン、行ってくるよ」
次にジンが目を覚ました時、世界は私とジンだけのものになっているだろう。
二人だけの世界か……。
想像しただけで幸せで最高な世界に、くつくつと喉を鳴らし私はエクラのもとへと向かった。
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