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ライズまでの道のり
作戦会議
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「ここら辺で野営しようか…」
「ユウリは料理できるんやんな?手伝ってくれへん?この3人ろくにでけへんねん。」
誰がろくにできないだって?エレンは知らないけど僕とイリアスはそこまで下手ではない、はずだ。
「はい、いいですよ。」
「それじゃあ僕らは薪でも拾いに…ってカイ!こんな所で寝たら風邪引くよ」
「もう無理、動けない…」
これからの戦いを考えると胃痛が酷くなる。奴らのボスの強さによるがおそらくギリギリの戦いになるだろう。
「ほら、行くぞ!」
エレンに引きずられた。…てゆうかエレンのせいなんだけど?とんずらするところをわざわざ復讐の機会をつくってやるって言ってんのになんだその態度は…
「これだからバカはダメなんだ…」
思わず心の声が漏れてしまった
「なんだとコラ!!誰がバカだ!」
と首もとを掴まれるがニヤリと笑ってエレンの腕をつかむ。
「2人とも喧嘩する元気があるなら手を動かしてくれ」
いいところではあったが、イリアスが怒ったら怖いのでこの辺でやめることにした。
「そういや、コウもイリアスも珍しい色の眼をしてるよな」
エレンがそう言うとイリアスの肩がピクリと動いた。
しかたないなぁ
「そう?僕にしてみたら紫色の方が珍しいと思うけど。人間は知らないけど赤色の眼なんてウサギを探せばすぐに見れるけど、どの魔物を探しても紫はいないんじゃないかな。図鑑でも見たことないし…」
「人と魔物を一緒くたにするなよな!あんまり因果関係がなさそうだし…」
そうぼやけるエレンにイリアスは少しホッとしたかのように微笑んだ。
「ボソッ)言ってほしくなかったなら先に言っといて欲しいんだけどな…」
その独り言はイリアスに届くことはなく夜の空へと消えていった。
-----------------------------‐-------------------------------------------------------------
「それで、どないするん?」
「その話をする前に、、エレン、もしくはユウリ、どっちかとても強力な睡眠薬の類いを持ってない?」
「あっ、それなら僕持ってますよ。でも、失敗作で広範囲に広がるんですが自分も喰らってしまうんです。」
僕からすればそれは失敗作ではない。
「いや、それで構わないよ。どのくらい効くの?」
「密閉状態で縦横10m以内なら少し嗅いだだけでも卒倒します。でも、10m以上離れていれば一切効きません。一度吸うと1時間は寝ますが5分たつとどんなけ吸っても効果は一切ありません。」
「なるほどね。それは使える。」
自分でも口角が上がるのがわかった。
「わっるい顔してんな…」
うるさいよ、コウ
「カイ、具体的に教えてくれないか?」
「わかった。簡単に言うとルーンの影魔法の中にその睡眠薬を投入して奴らを一気に取り込みそのまま眠らせて5分たったらまとめて殺す、って感じかな」
「殺すのは決まってんねや…」
「世の中に何の価値もない人間を生かす理由がないでしょ?コイツらに至ってはほっといたら何をしでかすか分からないんだから…それに大切な人を亡くす悲しさは理解しているつもりだ。例え何をしても亡くした人は戻ってこないが気持ちが少しでも晴れるのならそれで構わないだろう…。特に自分の利益のために人を無差別に殺すやつらは殺される覚悟を持っていなければならない。雑な命乞いなんかは無視しなよ、エレン。あんな奴らに慈悲なんて要らないんだから。」
「ああ、わかってる。だが、作戦決行時ユウリはどうしたらいい?アイツは戦闘要員じゃない。」
「ユウリは…「僕、戦えます!」」
「おい、ユウリ!「兄さん、殺したいくらい盗賊を憎んでいるのは僕もなんですよ?お留守番は嫌です。」」
「じゃあユウリは何ができるの?」
「僕は父さんの錬金術を見て育ちました。この森にある材料だけで煙玉や麻痺玉を造れますし、状況に応じてそれらを投げて応戦できます。」
「なら問題ないね。お留守番はなしだ。明日は敵の出方を伺うからその間にできるだけたくさん作ってほしい。」
「はい!ありがとうございます、カイさん。」
「神も残酷なことをする。」
はしゃぐユウリを見ながらそうポツリと呟いた言葉は空へと消えていった。
「ユウリは料理できるんやんな?手伝ってくれへん?この3人ろくにでけへんねん。」
誰がろくにできないだって?エレンは知らないけど僕とイリアスはそこまで下手ではない、はずだ。
「はい、いいですよ。」
「それじゃあ僕らは薪でも拾いに…ってカイ!こんな所で寝たら風邪引くよ」
「もう無理、動けない…」
これからの戦いを考えると胃痛が酷くなる。奴らのボスの強さによるがおそらくギリギリの戦いになるだろう。
「ほら、行くぞ!」
エレンに引きずられた。…てゆうかエレンのせいなんだけど?とんずらするところをわざわざ復讐の機会をつくってやるって言ってんのになんだその態度は…
「これだからバカはダメなんだ…」
思わず心の声が漏れてしまった
「なんだとコラ!!誰がバカだ!」
と首もとを掴まれるがニヤリと笑ってエレンの腕をつかむ。
「2人とも喧嘩する元気があるなら手を動かしてくれ」
いいところではあったが、イリアスが怒ったら怖いのでこの辺でやめることにした。
「そういや、コウもイリアスも珍しい色の眼をしてるよな」
エレンがそう言うとイリアスの肩がピクリと動いた。
しかたないなぁ
「そう?僕にしてみたら紫色の方が珍しいと思うけど。人間は知らないけど赤色の眼なんてウサギを探せばすぐに見れるけど、どの魔物を探しても紫はいないんじゃないかな。図鑑でも見たことないし…」
「人と魔物を一緒くたにするなよな!あんまり因果関係がなさそうだし…」
そうぼやけるエレンにイリアスは少しホッとしたかのように微笑んだ。
「ボソッ)言ってほしくなかったなら先に言っといて欲しいんだけどな…」
その独り言はイリアスに届くことはなく夜の空へと消えていった。
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「それで、どないするん?」
「その話をする前に、、エレン、もしくはユウリ、どっちかとても強力な睡眠薬の類いを持ってない?」
「あっ、それなら僕持ってますよ。でも、失敗作で広範囲に広がるんですが自分も喰らってしまうんです。」
僕からすればそれは失敗作ではない。
「いや、それで構わないよ。どのくらい効くの?」
「密閉状態で縦横10m以内なら少し嗅いだだけでも卒倒します。でも、10m以上離れていれば一切効きません。一度吸うと1時間は寝ますが5分たつとどんなけ吸っても効果は一切ありません。」
「なるほどね。それは使える。」
自分でも口角が上がるのがわかった。
「わっるい顔してんな…」
うるさいよ、コウ
「カイ、具体的に教えてくれないか?」
「わかった。簡単に言うとルーンの影魔法の中にその睡眠薬を投入して奴らを一気に取り込みそのまま眠らせて5分たったらまとめて殺す、って感じかな」
「殺すのは決まってんねや…」
「世の中に何の価値もない人間を生かす理由がないでしょ?コイツらに至ってはほっといたら何をしでかすか分からないんだから…それに大切な人を亡くす悲しさは理解しているつもりだ。例え何をしても亡くした人は戻ってこないが気持ちが少しでも晴れるのならそれで構わないだろう…。特に自分の利益のために人を無差別に殺すやつらは殺される覚悟を持っていなければならない。雑な命乞いなんかは無視しなよ、エレン。あんな奴らに慈悲なんて要らないんだから。」
「ああ、わかってる。だが、作戦決行時ユウリはどうしたらいい?アイツは戦闘要員じゃない。」
「ユウリは…「僕、戦えます!」」
「おい、ユウリ!「兄さん、殺したいくらい盗賊を憎んでいるのは僕もなんですよ?お留守番は嫌です。」」
「じゃあユウリは何ができるの?」
「僕は父さんの錬金術を見て育ちました。この森にある材料だけで煙玉や麻痺玉を造れますし、状況に応じてそれらを投げて応戦できます。」
「なら問題ないね。お留守番はなしだ。明日は敵の出方を伺うからその間にできるだけたくさん作ってほしい。」
「はい!ありがとうございます、カイさん。」
「神も残酷なことをする。」
はしゃぐユウリを見ながらそうポツリと呟いた言葉は空へと消えていった。
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