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一章 兵器化編
約4話 適当に進もう
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「さて、どうしたもんか…」
危機を脱した海音は、これからのことについて悩んでいた。
進まなくてはいけないのは分かっているのだが、いかんせん森の出口の方角もわからなければ距離もまったくわからないのだ。
それに加えて、森を抜けたとしてすぐそばに人が住んでいるのかも不明である。
そもそもこの世界に人は存在するのだろうか?そんな疑問まで生まれてくる。
そんなこと考えてると、途端に不安になってきた。
なので自分に必死に言い聞かせる。
(いやいやいや! 異世界転生したのに、無邪気で可愛いけも耳の獣人や美人で優しいエルフ様たちがいないなんてあるはずがない! こんな疑問、持つまでもないな!この世界は俺の思い描く理想の異世界だ!それで俺はこの森抜けたとこにあるデカイ町でハーレムを築くんだっ!!その為には一刻も早くこの森を出る!取り敢えず適当に進んでみる!はい!今後の方針、これで決まりだ!!)
気分が晴れてきたところで海音は靴を脱ぎ、そのまま上に放った。落下した靴の先が右を向く。
「よし!右に進もう!」
海音は元気よく歩きだした。
~~~~~~~~~~~~~~
「はあ…はあ……。いったい…いつになったら……森を抜けられるんだ?」
海音の体はすっかり痩せこけてしまっていた。
額からは大量の汗が吹き出し、汗を吸ってすっかり重くなったカッターシャツやアンダーはところどころ枝に引っ掛かり破れている。
足はパンパンに腫れ上がり、叩かれようものならそのまま崩れ落ちそうなほど痛々しい。
歩く足取りは重く、フラフラしながらも前に進んでいた。
しかも歩きだしてから一回も休むことなく歩きっぱなしだ。何度か休もうと思ったが、いつ何が出るか分からないような場所で気が休まるわけもなく、ぶっ倒れるまで進み続けてやることにしたのだ。
そう決意したのは良いものの、さっきから視界が歪み、頭が回らなくなってきた。
それもそのはずで、岩の窪みなどに水溜まりがあるおかげで水分不足は起こしていないものの、もう何日も食べ物を口にしていない。そのせいで栄養失調に陥っているのである。
海音の体には刻一刻と限界が近づいていた。もはや動けなくなるのも時間の問題だろう。
…だが海音の心はやられていなかった。いや、むしろ体に限界を感じる度に海音の思いはより強いものになっていった。
「せっかく…異世界に来れたってのに……こんなとこで野良死にしてたまるかっ…! 俺はこの森を抜けて……理想のハーレムを築いてやるんだ…! それまでは何があっても絶対に死ねんっっ!!」
海音は目をギラギラ光らせながら宣言した。
小さい頃からの唯一の夢が、しかし不可能だと思っていた願いが、今生き延びることで叶うかもしれないという希望。それが海音を突き動かしていた。
歩き初めて3日目。俺はめげずに歩いています。
危機を脱した海音は、これからのことについて悩んでいた。
進まなくてはいけないのは分かっているのだが、いかんせん森の出口の方角もわからなければ距離もまったくわからないのだ。
それに加えて、森を抜けたとしてすぐそばに人が住んでいるのかも不明である。
そもそもこの世界に人は存在するのだろうか?そんな疑問まで生まれてくる。
そんなこと考えてると、途端に不安になってきた。
なので自分に必死に言い聞かせる。
(いやいやいや! 異世界転生したのに、無邪気で可愛いけも耳の獣人や美人で優しいエルフ様たちがいないなんてあるはずがない! こんな疑問、持つまでもないな!この世界は俺の思い描く理想の異世界だ!それで俺はこの森抜けたとこにあるデカイ町でハーレムを築くんだっ!!その為には一刻も早くこの森を出る!取り敢えず適当に進んでみる!はい!今後の方針、これで決まりだ!!)
気分が晴れてきたところで海音は靴を脱ぎ、そのまま上に放った。落下した靴の先が右を向く。
「よし!右に進もう!」
海音は元気よく歩きだした。
~~~~~~~~~~~~~~
「はあ…はあ……。いったい…いつになったら……森を抜けられるんだ?」
海音の体はすっかり痩せこけてしまっていた。
額からは大量の汗が吹き出し、汗を吸ってすっかり重くなったカッターシャツやアンダーはところどころ枝に引っ掛かり破れている。
足はパンパンに腫れ上がり、叩かれようものならそのまま崩れ落ちそうなほど痛々しい。
歩く足取りは重く、フラフラしながらも前に進んでいた。
しかも歩きだしてから一回も休むことなく歩きっぱなしだ。何度か休もうと思ったが、いつ何が出るか分からないような場所で気が休まるわけもなく、ぶっ倒れるまで進み続けてやることにしたのだ。
そう決意したのは良いものの、さっきから視界が歪み、頭が回らなくなってきた。
それもそのはずで、岩の窪みなどに水溜まりがあるおかげで水分不足は起こしていないものの、もう何日も食べ物を口にしていない。そのせいで栄養失調に陥っているのである。
海音の体には刻一刻と限界が近づいていた。もはや動けなくなるのも時間の問題だろう。
…だが海音の心はやられていなかった。いや、むしろ体に限界を感じる度に海音の思いはより強いものになっていった。
「せっかく…異世界に来れたってのに……こんなとこで野良死にしてたまるかっ…! 俺はこの森を抜けて……理想のハーレムを築いてやるんだ…! それまでは何があっても絶対に死ねんっっ!!」
海音は目をギラギラ光らせながら宣言した。
小さい頃からの唯一の夢が、しかし不可能だと思っていた願いが、今生き延びることで叶うかもしれないという希望。それが海音を突き動かしていた。
歩き初めて3日目。俺はめげずに歩いています。
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