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夏に見るべき邦画:その2:機動警察パトレイバー劇場版1
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夏に見るべき素晴らしい邦画4選、前回ご紹介した栄えある第一位は『ピンポン』でした。過去記事は前回の記事をぜひ読んでみてください。
お次の映画は
順位がつけられず同率一位
アニメ映画『機動警察パトレイバー 劇場版1』
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『機動警察パトレイバー 劇場版1』DVD
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漫画家ゆうきまさみの漫画『機動警察パトレイバー』が原作のこちら、アニメ劇場版は原作にない完全オリジナルストーリーなのですが、もうこれが秀逸。一般的に原作にないオリジナル脚本で作ると大コケする映画が多い中、良くぞここまで仕上げたと涙ちょちょぎれる完成度の高い傑作です。ベストオブベストだと胸を張って言えます。
なるほどよーわからんって人はとりあえず下記の、30年以上前に作成されたCGなしの冒頭オープニングを見るんだ。筆者はこれであっという間に心を鷲掴みにされました。
youtube動画
https://www.youtube.com/watch?v=sOrbHOueDn4
では続きをば。
ただこれ、一部マニアしか知らないのが本当に惜しい。
こちらの上映時期は忘れもしない1989年7月だったのですが、映画大豊作の年で同時期公開に『魔女の宅急便』と『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』と言う強力なライバルがいた為埋もれてしまった名作ではないかと推察します。筆者も当時パトレイバーと魔女宅で悩みましたが魔女宅にしました。2作両方なんて子供の小遣いでは見られなかったのですが、後でパトレイバーをビデオで見た時、あまりの面白さに大きなスクリーンで見なかったことを後悔しましたね。後日漫画原作を知らない友人達にビデオを見せましたが大絶賛でしたよ(今で言う布教活動を既にしてたんだなぁ)。
何がそんなに面白いの?って、コンピューターの危うさを一歩も二歩も進んで感じていた制作陣の想像力です。
今見たらどうという事のない設定なんですが、これが上映された当時はWindows95が発売される6年も前の話だったっんですよ。パソコンマニアでない限り日本人はプライベートでパソコンを触る事もなくインターネットの存在も知らなかった時に、すでにこの映画制作者たちはコンピューターのオペレーティングシステム(略してOS)を悪用した大規模な犯罪を想像し、それをベースに物語を作ったのです。
この映画を見た時、彼らの先見の明に度肝を抜かれ、同時に戦慄しました。
(ちなみに先見の明で戦慄したのは『日本沈没』の作者、小松左京氏の『牙の時代』を読んだ時以来です。地球温暖化が問題視されていなかった時にこれを書いた小松氏はもはや預言者レベル)
今では斬新なアイデアではないと思いますが、当時は本当にすごかった。
また、ロボットアニメ初見、特に苦手意識のある女性に見て頂きたいのですが、こちらに出てくるものは警察用であったり土木作業する為の機械(レイバーと呼ばれる)であったりして非常に市民の生活に根ざしており泥臭いんです。だからレーザー出せるとかバリア張れるとか飛ぶとかそんな超人的な事はできず、あくまで産業機械なんです。それが日本の別の未来ではありえたかもしれないと思わせ、そのリアルさも魅力なんです。
また丁寧に描かれた映像美も素晴らしく、32年も前の作品ですが、今見ても見劣りしません。むしろセリフを入れず沈黙と影を効果的に使う事が魅力の押井守監督の世界観と、パトレイバーの世界を的確に表現した川井憲次氏の音楽がぴたりと融合した素晴らしい映像です。アニメを超えたアニメと言えます。これを見ていない方、かなり損してますよ。この夏はぜひ『機動警察パトレイバー劇場版1』(劇場版は2と3もありますがお間違えの無いように。1です)を楽しんでみてください!
映画のサウンドトラックも秀逸。映画のラストからエンドロールにつなげる『朝陽の中へ』は何度聞いても心が高揚します。
機動警察パトレイバー メモリアル・コレクション・シリーズ PATLABOR ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM VOL.5“INQUEST”
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下記youtubeで映画映像と共に曲が聴けるのでぜひ聴いてみてください。
youtube動画 機動警察パトレイバー劇場版 エンディングテーマ
https://www.youtube.com/watch?v=Adno8sRTono
余談ですがOVA(と言っても現代っ子にゃ通じないだろう、オリジナルビデオアニメの略ですよ畜生)シリーズもオリジナル脚本ですが絵と共に大変良く出来ています。こちらは短編集なので気楽に見るならこちらもお勧め。
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もちろん原作漫画も面白いですよ。筆者は未読時に主人公『泉野明(いずみのあ:女性)』を泉野明(いずみの あきら:男性)だと思い『わ~い可愛い男の子。どんな話かなあワクワク♪』なんて思っていたのも今ではいい思い出。
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