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九突き目 女たるや
真っ直ぐな物言い
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カーテンの締め切ったままの部屋で、隙間から差し込む光に目を閉じていることが難しい琴音は、ようやく目を覚ます。
見慣れた天井を見つめるが、いつもとは違ったものを感じていた。
まず、下着姿で寝ていた自分がいる。
起き上がり、洗面台に来ると昨日着ていたはずの服が水が張られつけ置きされている。何かの残渣物のカスが浮いている。
ズキンと痛む頭を抱える琴音。
「あててて、そか、昨日飲み会あったんだ」
目の前にいる恵の顔がフラッシュバックのように浮かんで消えた。
えっと、抱えた肩にシャツを滑らせる恵の指先を感じとる。
胸元のボタンが外されていく感覚。
腰に当てた手が、スカートを下げていく感じ。その痕跡を追う琴音の手。
断片的だが、微かに感覚となって恵のことを思い出している琴音。
玄関先を見つめると、そこに立っていたであろう人物が残像として残っている。元カレとは明らかに違う。見下ろすとそこの床だけ、ピカピカしていた。
洗面台に残された脱いだ衣服。
「この部屋にいたんだ」
流しを見ると、三角コーナーのゴミがなくなりシンクが綺麗になっている。琴音では、ここまで綺麗にならない。
「ここで、何かを洗った?食物の残渣物・・」
あっと、下着姿のままの琴音が寝室に向かう。
カチャッと、洋服ダンスを開く。
ハンガーにかかる服を確認する。
何もかかっていないハンガーがあった。
Tシャツがない。
次に、引き出しを開ける。
ズボンがなくなっている。
「嘔吐で汚れて、着る物がないから、ここから出したんだ」
口の中に、微かに残る酸っぱい味と香りがして、口をゆすぐ琴音。残渣物がその水に混じって流れていく。
「あ、私だ、私が嘔吐したんだ。てことは・・・」
全てのピースを繋げていく琴音は、ハッとして、声を上げる。
うぎゃあああああ
「私が恵さんにゲロ吐き掛けたんだ。それでもって、酔い潰れた私をベッドに連れて行って汚れた服を脱がせた」
頭を抱えうずくまる琴音。
「ああ、合わす顔がないよ。もう、会えないよ」
落ち込む琴音のスマホが、ブーンブーンとリビングから聞こえてくる。
鞄から取り出す琴音。
[おはよう、よく眠れたかい?早く着替えて出かける準備しといてね]
恵からのメッセージだった。
ブーンブーンと再びスマホが振動する。
[もうすぐ、着くから準備出来たら下に来て、待ってるから]
窓の外から、車のエンジン音が聞こえ始めた。
エンジン音が止まると、ドアの開閉される音。
カーテンを少し開けて、その様子を見る琴音。
しらみずと書かれた二台のワゴン車が停まっている。
前から一城社長が後ろからは恵さんが降りてきてお互いがハグをする。
そして、顔を寄せ合ってキスを・・・
はっ?
一瞬、目の前の光景を信じられずに、慌てて目を擦る琴音。
再び、二人を見ると、何事もなかったように、ワゴン車に寄り掛かり何か会話をしている。
「何?今の・・幻?」
あ、こんなことをしてる暇はなかったんだ。と、シャワーすら浴びていないのに気づく琴音。どうしよう、となりながらも、スマホをタップする。
「すみません、少し待っててもらえますか?」
口にしながら送信する琴音。
画面が上にズレる。
[起きたね。おはよう。時間はまだあるから、大丈夫だよ、慌てなくても]
「出来るだけ、急ぎますね」
[笑、待ってるよ]
さあ、戦闘開始である。
いつになく、動きの素早い琴音。
身に付けた二枚の布を脱ぎ捨てると、風呂場に駆け込み、高速モードで体を洗う琴音。
作業着を着て、帰りの着替えを持つと最後のチェックのため鏡を見ると、メガネを掛けただけの自分の姿が映っていた。
すっぴんだけど、いいよね。
自分に言い聞かせる。
玄関に行くと靴に足を入れ掛けて動きが止まる琴音は再び洗面台に戻って鏡を覗き込む。
口紅を鞄から取り出し、棚からコンタクトを取り出すと二つを鏡の前に並べてると、よしと声を出した。
・
今日の株式会社しらみずの任務は、株式会社郷田で行われる特別清掃で、 社員食堂の厨房とグリストラップの油との戦いだった。
しらみず社員総出で行われる大掛かりなものであった。
そこに、お待ちかねの琴音が姿を現した。お辞儀をすると顔を上げる。
恵は、びっくりしている。また、一城も声をあげた。
「お、メガネがないと、こんなに可愛かったのか。琴音は」
メガネをコンタクトに変え、リップにはグロスが塗られている。
淡い色だが艶やかにプルプルしている。
言葉を失う恵を見て一城が恵の肩を叩く。
「恵。黙ってないで、なんか言ってやれよ」
「あ、そ、そうですね。よく、似合ってるよ」
「あ、ありがと・・」
目を逸らし上を見る恵、下を向いてしまう琴音。
「え?おいおい、それだけかよ。もっと、気の利いたこと言えないのか、恵は、まっ、仕方ないか。そんじゃ、行くとするか」
「あ、はい、それじゃ、こ、琴音ちゃん、行こう」
「え。あ、はい」
ワゴン車に乗り込む恵と琴音。
琴音が唐突に頭を下げる。
「昨晩は、ごめんなさい。ご迷惑をお掛けしました」
エンジンを掛ける恵。
「ん?ああ、気にしないで。済んだことだしね」
「あ、あの・・」
「ん?」
「私、何かしませんでした?」
キスして・・・
あの時の琴音の顔が重なる。
「い、いゃあ、何もなかったょお」
顔を手で覆う琴音。
「ああ、また、なんかやったんだ」
「な、何もないって、あのあとだって、ベッドに横になっただけで」
「ん?あのあとって?」
「あああ、ゲロったあとだよ」
「私、って、最低」
「そんなことないって、仕方なかったんだから」
「あと、あと、一つ、聞きたいことが」
「ん?なに?」
「朝起きたら・・・」
下着だけで寝ていた琴音。
それを察した恵。
「な、何もして・・何もなかったよ」
少しは、期待していた。もしかしたら、関係があったのではないかと。
「私って、魅力ないですよね?胸小さいし」
「そんなことないよ、いい形してると思うよ」
(何言ってんだ俺)
下を向いたまま上目使いに
「ほんとに?」
「なにが?」
「いい形してる?私」
下着姿が浮かんでくる恵は、ドキドキしていた。
「あ、うん、いや、す、好きだよ。あの形」
不意に顔を上げて恵を見る琴音。
「だったら、なぜ?」
「え?」
「だったら、なぜ、抱いてくれなかったの?」
真っ直ぐ過ぎる琴音の物言いに恵は、危うくハンドルを切り損ねるところだった。
「琴音ちゃん?」
「答えてください。私って、そんなに魅力ないですか?」
「か、かかか、可愛いよ。琴音ちゃんは」
窓の外に視線を向けてしまう琴音。
「また、それだ」
「え?」
「可愛いよって、でも、その気にならないんだって、元カレに言われちゃって」
「その気にならない?そう言ったの?」
「うん」
「俺は、そうじゃないよ」
「え?」
「俺、君がほしくなって、襲ってしまいそうだった」
「また、嘘で誤魔化す」
「ほんとだよ?でも、俺の中でダメだって」
「ほら、やっぱ、ぜんぜんその気ないくせに」
「その気はあったさ。抱きたかったさ」
「なら、なんで?」
「酔いつぶれてる君を抱けないよ」
「え?」
「そんなの卑怯だと思ったんだ」
「卑怯?」
「抱くなら、君の目を見て抱きたい」
目を見開く琴音。
互いの目が両の目を、交互に見ている。
ビビーッと、クラクションが二人を引き離した。
気を取り直す二人。何も、言葉を交わさなかったが、琴音の手がシートにあった恵の手を取ると指を絡めてきて、下唇を噛む琴音。
しばらく走ると、牛丼屋に入っていくワゴン車。
「ん?ここも、何かするんですか?」
琴音が、不思議そうに恵を見る。
「あ、いや、ここは単に腹ごしらえ」
「ああ、なるほどぉ。でも、朝から食べれるかなぁ?」
そう思っただけで、琴音のお腹がグゥと鳴った。
恥ずかしくなって、お腹を押さえる琴音。
目を細める恵。
「はは、お腹は正直だね」
唇を噛む琴音。
席に着くといつものように一城は
「お兄さん、大盛りと卵。二つずつね。琴音は、どうする?」
「じゃあ、特盛、汁だくで」
え?と、一城と恵の視線が琴音に注がれる。
「え?普通に、食べますよね?」
食べないとブンブンと首を振る二人。
三人の注文が届くと早速食べ始める。
一城さんは、相変わらず口の横にご飯粒。
さすがにこの時ばかりは、ペロリと舌ですくい上げた。
三人は、ほぼ同時に食べ終わる。
琴音は、しっかり特盛を完食した。
手と手を合わせると
「ご馳走様でした」
照れて笑みを浮かべる琴音の口の横にご飯粒。
「付いてるよ」
言うと恵は指でつまむと無意識に自分の口に運んでいた。
口をポカンと開けたまま、ボッと、顔を赤くする琴音。
一瞬、何が起きたのか、わからずにいる恵。
「恵、お前、結構大胆だな」
一城の言葉で、自分のしたことにやっと気がつく恵。
「ごごごごご、ごめん、琴音ちゃん」
恵と琴音は、下を向いて真っ赤になった顔を隠してしまう。
あははははと、腹を抱える一城。
「さあて、食ったし行くか?二人とも」
見慣れた天井を見つめるが、いつもとは違ったものを感じていた。
まず、下着姿で寝ていた自分がいる。
起き上がり、洗面台に来ると昨日着ていたはずの服が水が張られつけ置きされている。何かの残渣物のカスが浮いている。
ズキンと痛む頭を抱える琴音。
「あててて、そか、昨日飲み会あったんだ」
目の前にいる恵の顔がフラッシュバックのように浮かんで消えた。
えっと、抱えた肩にシャツを滑らせる恵の指先を感じとる。
胸元のボタンが外されていく感覚。
腰に当てた手が、スカートを下げていく感じ。その痕跡を追う琴音の手。
断片的だが、微かに感覚となって恵のことを思い出している琴音。
玄関先を見つめると、そこに立っていたであろう人物が残像として残っている。元カレとは明らかに違う。見下ろすとそこの床だけ、ピカピカしていた。
洗面台に残された脱いだ衣服。
「この部屋にいたんだ」
流しを見ると、三角コーナーのゴミがなくなりシンクが綺麗になっている。琴音では、ここまで綺麗にならない。
「ここで、何かを洗った?食物の残渣物・・」
あっと、下着姿のままの琴音が寝室に向かう。
カチャッと、洋服ダンスを開く。
ハンガーにかかる服を確認する。
何もかかっていないハンガーがあった。
Tシャツがない。
次に、引き出しを開ける。
ズボンがなくなっている。
「嘔吐で汚れて、着る物がないから、ここから出したんだ」
口の中に、微かに残る酸っぱい味と香りがして、口をゆすぐ琴音。残渣物がその水に混じって流れていく。
「あ、私だ、私が嘔吐したんだ。てことは・・・」
全てのピースを繋げていく琴音は、ハッとして、声を上げる。
うぎゃあああああ
「私が恵さんにゲロ吐き掛けたんだ。それでもって、酔い潰れた私をベッドに連れて行って汚れた服を脱がせた」
頭を抱えうずくまる琴音。
「ああ、合わす顔がないよ。もう、会えないよ」
落ち込む琴音のスマホが、ブーンブーンとリビングから聞こえてくる。
鞄から取り出す琴音。
[おはよう、よく眠れたかい?早く着替えて出かける準備しといてね]
恵からのメッセージだった。
ブーンブーンと再びスマホが振動する。
[もうすぐ、着くから準備出来たら下に来て、待ってるから]
窓の外から、車のエンジン音が聞こえ始めた。
エンジン音が止まると、ドアの開閉される音。
カーテンを少し開けて、その様子を見る琴音。
しらみずと書かれた二台のワゴン車が停まっている。
前から一城社長が後ろからは恵さんが降りてきてお互いがハグをする。
そして、顔を寄せ合ってキスを・・・
はっ?
一瞬、目の前の光景を信じられずに、慌てて目を擦る琴音。
再び、二人を見ると、何事もなかったように、ワゴン車に寄り掛かり何か会話をしている。
「何?今の・・幻?」
あ、こんなことをしてる暇はなかったんだ。と、シャワーすら浴びていないのに気づく琴音。どうしよう、となりながらも、スマホをタップする。
「すみません、少し待っててもらえますか?」
口にしながら送信する琴音。
画面が上にズレる。
[起きたね。おはよう。時間はまだあるから、大丈夫だよ、慌てなくても]
「出来るだけ、急ぎますね」
[笑、待ってるよ]
さあ、戦闘開始である。
いつになく、動きの素早い琴音。
身に付けた二枚の布を脱ぎ捨てると、風呂場に駆け込み、高速モードで体を洗う琴音。
作業着を着て、帰りの着替えを持つと最後のチェックのため鏡を見ると、メガネを掛けただけの自分の姿が映っていた。
すっぴんだけど、いいよね。
自分に言い聞かせる。
玄関に行くと靴に足を入れ掛けて動きが止まる琴音は再び洗面台に戻って鏡を覗き込む。
口紅を鞄から取り出し、棚からコンタクトを取り出すと二つを鏡の前に並べてると、よしと声を出した。
・
今日の株式会社しらみずの任務は、株式会社郷田で行われる特別清掃で、 社員食堂の厨房とグリストラップの油との戦いだった。
しらみず社員総出で行われる大掛かりなものであった。
そこに、お待ちかねの琴音が姿を現した。お辞儀をすると顔を上げる。
恵は、びっくりしている。また、一城も声をあげた。
「お、メガネがないと、こんなに可愛かったのか。琴音は」
メガネをコンタクトに変え、リップにはグロスが塗られている。
淡い色だが艶やかにプルプルしている。
言葉を失う恵を見て一城が恵の肩を叩く。
「恵。黙ってないで、なんか言ってやれよ」
「あ、そ、そうですね。よく、似合ってるよ」
「あ、ありがと・・」
目を逸らし上を見る恵、下を向いてしまう琴音。
「え?おいおい、それだけかよ。もっと、気の利いたこと言えないのか、恵は、まっ、仕方ないか。そんじゃ、行くとするか」
「あ、はい、それじゃ、こ、琴音ちゃん、行こう」
「え。あ、はい」
ワゴン車に乗り込む恵と琴音。
琴音が唐突に頭を下げる。
「昨晩は、ごめんなさい。ご迷惑をお掛けしました」
エンジンを掛ける恵。
「ん?ああ、気にしないで。済んだことだしね」
「あ、あの・・」
「ん?」
「私、何かしませんでした?」
キスして・・・
あの時の琴音の顔が重なる。
「い、いゃあ、何もなかったょお」
顔を手で覆う琴音。
「ああ、また、なんかやったんだ」
「な、何もないって、あのあとだって、ベッドに横になっただけで」
「ん?あのあとって?」
「あああ、ゲロったあとだよ」
「私、って、最低」
「そんなことないって、仕方なかったんだから」
「あと、あと、一つ、聞きたいことが」
「ん?なに?」
「朝起きたら・・・」
下着だけで寝ていた琴音。
それを察した恵。
「な、何もして・・何もなかったよ」
少しは、期待していた。もしかしたら、関係があったのではないかと。
「私って、魅力ないですよね?胸小さいし」
「そんなことないよ、いい形してると思うよ」
(何言ってんだ俺)
下を向いたまま上目使いに
「ほんとに?」
「なにが?」
「いい形してる?私」
下着姿が浮かんでくる恵は、ドキドキしていた。
「あ、うん、いや、す、好きだよ。あの形」
不意に顔を上げて恵を見る琴音。
「だったら、なぜ?」
「え?」
「だったら、なぜ、抱いてくれなかったの?」
真っ直ぐ過ぎる琴音の物言いに恵は、危うくハンドルを切り損ねるところだった。
「琴音ちゃん?」
「答えてください。私って、そんなに魅力ないですか?」
「か、かかか、可愛いよ。琴音ちゃんは」
窓の外に視線を向けてしまう琴音。
「また、それだ」
「え?」
「可愛いよって、でも、その気にならないんだって、元カレに言われちゃって」
「その気にならない?そう言ったの?」
「うん」
「俺は、そうじゃないよ」
「え?」
「俺、君がほしくなって、襲ってしまいそうだった」
「また、嘘で誤魔化す」
「ほんとだよ?でも、俺の中でダメだって」
「ほら、やっぱ、ぜんぜんその気ないくせに」
「その気はあったさ。抱きたかったさ」
「なら、なんで?」
「酔いつぶれてる君を抱けないよ」
「え?」
「そんなの卑怯だと思ったんだ」
「卑怯?」
「抱くなら、君の目を見て抱きたい」
目を見開く琴音。
互いの目が両の目を、交互に見ている。
ビビーッと、クラクションが二人を引き離した。
気を取り直す二人。何も、言葉を交わさなかったが、琴音の手がシートにあった恵の手を取ると指を絡めてきて、下唇を噛む琴音。
しばらく走ると、牛丼屋に入っていくワゴン車。
「ん?ここも、何かするんですか?」
琴音が、不思議そうに恵を見る。
「あ、いや、ここは単に腹ごしらえ」
「ああ、なるほどぉ。でも、朝から食べれるかなぁ?」
そう思っただけで、琴音のお腹がグゥと鳴った。
恥ずかしくなって、お腹を押さえる琴音。
目を細める恵。
「はは、お腹は正直だね」
唇を噛む琴音。
席に着くといつものように一城は
「お兄さん、大盛りと卵。二つずつね。琴音は、どうする?」
「じゃあ、特盛、汁だくで」
え?と、一城と恵の視線が琴音に注がれる。
「え?普通に、食べますよね?」
食べないとブンブンと首を振る二人。
三人の注文が届くと早速食べ始める。
一城さんは、相変わらず口の横にご飯粒。
さすがにこの時ばかりは、ペロリと舌ですくい上げた。
三人は、ほぼ同時に食べ終わる。
琴音は、しっかり特盛を完食した。
手と手を合わせると
「ご馳走様でした」
照れて笑みを浮かべる琴音の口の横にご飯粒。
「付いてるよ」
言うと恵は指でつまむと無意識に自分の口に運んでいた。
口をポカンと開けたまま、ボッと、顔を赤くする琴音。
一瞬、何が起きたのか、わからずにいる恵。
「恵、お前、結構大胆だな」
一城の言葉で、自分のしたことにやっと気がつく恵。
「ごごごごご、ごめん、琴音ちゃん」
恵と琴音は、下を向いて真っ赤になった顔を隠してしまう。
あははははと、腹を抱える一城。
「さあて、食ったし行くか?二人とも」
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