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失踪
消えたひとみ
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旧校舎の階段を上り三階まで来た四人は、左右に分かれた廊下の右側通路の先が、一切光の届かない闇なのに気がついた。
「なあ、行ってみるか?」
眼鏡を持ち上げる康介がニヤニヤしながら言うと皆がうなずく。
廊下を進む健太が不意に立ち止まって笑みを浮かべて言った。
「ここにさ。懐中電灯を置いて、ここから先は手探りで行かないか?」
闇の中を懐中電灯なしで行こうと言うのだ。
「いいね、それ。やろうよ。面白う」
さゆりも楽しそうに笑うと手に持った懐中電灯を進んで床に置いた。
ひとみは、人より目がいいはずだったが、その闇の中に何も捉えることが出来ず不安に駆られたが、仕方なく手に持った懐中電灯を床に置いた。
健太と康介も同じように床に懐中電灯を置くと光の届かない闇を進んでいく四人。
そこだけが、異常なほどの闇であった。微かな光さえ闇が包み込んでしまうほどだった。
「おい、みんないるか?」
康介が闇の中を泳ぐように手探りをする。
「ほいほい」
答えるように健太が声を出すことで位置を教える。
「いるよ」
さゆりも存在をアピールしてくる。
「ひとみ。大丈夫か?」
健太が気にして、繋いだ手を引いてみると、それに答えるかのように繋いだ手を引き返してくるひとみ。
この時、静けさが耳鳴りとなって、ひとみを襲った。こんなのは、初めてであった。
いつになく慌てるひとみは、咄嗟に握っていた健太の手を離し、両耳を両手で覆った。迂闊だった。命綱といっても、言い過ぎではない健太の手を離してしまったのだ。
慌てて健太の手を掴もうと、闇の中を探るひとみの手。
闇の中では、頼れるのは耳と鼻と接触だけだった。この時のひとみは、鼻と接触だけが頼りだった。
「ねえ?けんた? どこ?みんな いる?」
ひとみは、何も聞こえず何も見えない闇の中で何も触れられず、頼りの鼻は朽ち果てた木と湿り気を含んだカビの匂いと、埃の匂いが際立って邪魔をして皆を感じることも出来ずにいた。
振り返って見るが懐中電灯の置かれた場所も、ここぞとばかりに月が雲に隠れ、光がなく見ることが出来ずにいた。
こうなると皆と同じで先を目指し歩くしかないひとみだった。行き着くところまで行けば皆が来ると信じ、手探りに突き当たりの壁を探し歩を進めていく。
一方、健太も、不安になっていた。
「ひとみ?俺ならここだ。急に手を離してどうしたんだよ」
離れたひとみの手を必死に探すのは、健太も同じであった。声を上げるが、ひとみに聞こえるはずもなかった。
ひとみのすぐ後ろを歩いていた健太は、手探りする手がひとみに触れることなく壁に触れ、足の爪先もコツンと音を立てた。
「あれ?行き止まり?ひとみ?いるのか?」
健太は、ひとみが近くにいないか四方八方に手を振り回し、一際大きな声で呼んでみたが、やはり返事がない。
壁に触れながら横に移動する健太。
ちょうどそこへ、誰かが健太にぶつかってきた。
「あ、ごめん。健太か?いったい、どうしたんだよ?大きな声出してさ。ひとみ、いないのか?」
闇の中で康介の姿は見ることは出来ないが声のする方を見る健太。
「ああ、先を歩いてたはずなんだけど」
また康介のすぐ後ろでさゆりも到着した。
「ここで行き止まりなの?」
「そうみたいだ」
康介がそれに答える。
「なあ、さゆり。ひとみを知らないか?」
健太がうわずった声でさゆりに問いかける。
「私が知るわけないでしょ?健太とひとみが先に行ってたんじゃないの?」
健太が辺りを手探りをして、ひとみを見つけ出そうとギシギシと音を立てて歩き回るのがわかる康介とさゆり。
「ねえ、健太。ひとみと手を繋いでなかったの?」
ちょっと、羨ましい気持ちのさゆりが嫌味を含めて問いかける。
「繋いでたよ。最初はな」
「最初って、お前、手、離したのかよ。健太。なんで離しちまうんだろうな」
康介の言い方に、カチンと来る健太は、声を荒げる。
「ひとみが急に離したんだよ。仕方ないだろ」
「怒るなよ。どうせ、ひとみ、ふざけてるだけなんだろ?」
ふざけてるだけならいいのだが、健太はいつになく不安になっていた。何かわからないが、冗談と思えない何かが健太は感じていた。
「ひとみ?ふざけてないで返事してくれよ」
健太の声が引き攣っている。
「こんな闇の中で、冗談はやめようぜ。ひとみ」
健太は今にも泣き出さんばかりに、動揺していた。
康介も、そんな健太に共感したのか不安になり少し苛立ち始めている。
「おい。ひとみ、ふざけてないで声聞かせろよ」
さゆりも手を振り回してひとみを探しながら、二人の空気に影響されて苛立ち始めている。
「ひとみ。ふざけるの、いい加減にしてよね」
三人が苛立ち始めている。
流石にたまりかねた健太が、振り返ると闇の途切れた所に置いてきた懐中電灯を見ると走り出していた。
懐中電灯を無造作に拾い上げるとスイッチを押し闇に向かって光の輪を放った。光を向けられ眩しそうに手で遮っている康介とさゆりらしき二人の姿が見えたが、ひとみの姿はなかった。隅々まで照らしてみたが、やはりどこにもいない。
「あれ?なんで?ひとみは?なんで?なんで、いないんだよ」
言いながら二人に近づく健太は、手に持った二本の懐中電灯を二人に渡した。
「知らねえよ。ひとみのすぐ後ろにいたのは、健太だろう?お前が知らないのに俺たちが知ってるわけないだろ?」
いるはずのない天井にも光の輪を向ける健太は、完全に困り果てている。
「どうなってんだ、ったく」
「知りたいのはこっちだよ」
頭を抱え、無造作に掻きむしる健太。
さゆりも周囲を照らしては、ひとみの名を呼んでいる。
「ひとみ。いたら、返事してよ」
「いい加減にしろよ。ひとみ。怒るぞ、マジで」
康介は、ひとみの悪ふざけとしか考えられず、返事をしないことにイラついていた。
近くの部屋は全て扉が閉まり、開けた痕跡すらなかった。すぐ近くにある部屋の扉を開けようしてみたが、すっかりレールと車が錆び付いていて、ピクリとも動かなかった。
それでも、もしかしたらと、部屋の中を懐中電灯で照らして覗き込んでいる康介だった。
それもそのはずで、隠れられる場所があるとしたら、部屋の中以外、なかったからだ。
途方に暮れる健太はガックリと膝を着く。
「どこ、行っちまったんだよ。ひとみ」
床に空いた穴を覗き込む康介は、さすがに人が抜けれる大きさでないのがわかると、ひとみのものと思われる床の足跡を辿っていった。行き着く先で不自然な物を見て驚いた。
「なあ、おい。健太。ちょっと、ここ」
「ああ?なんだよ。冗談とかだったら、ぶっ飛ばすからな」
四つ這いになる健太は、康介が明かりで照らす部分を見て、同じように仰天した。
「はあ?なんだよ、これ。なんの冗談だ?誰かのいたずらか?」
健太が康介の胸ぐらを掴むと康介も負けじと健太の胸ぐらを掴む。
「おい。こんな時に、手の込んだことしてんじゃねえぞ、康介」
「俺?俺かよ。ふざけんなよ?」
さゆりが二人に近づいてくる。
「ねえ、いったい、なんなの?こんな時に喧嘩?何がどうだっていうのよ?」
二人が見た床をさゆりも明かりを照らして見て、その異様さに声を荒げる。
「はあ?どうしたら、こうなるの?」
さゆりは、壁際に爪先のない踵だけの足跡を照らし出していたのだ。
壁をあちこち叩いては、押してみたりして動くのか確かめている康介。
「隠し扉にでもなってるってのか?」
体当たりまでしてみせる康介だったが、ピクリとも動かなかった。
途方に暮れる三人は、なす術がなかった。
こうして、江上ひとみは姿を消し、これ以降誰一人として、彼女を見た者はいなかった。
それから、一年が経過して、卒業後の三人はそれぞれの道を歩き始めた。
さゆりは看護学校に、康介は法律を学ぶ為大学に。
健太は、普通に就職を考えていたのを辞めて、今は警察学校に通っている。
「なあ、行ってみるか?」
眼鏡を持ち上げる康介がニヤニヤしながら言うと皆がうなずく。
廊下を進む健太が不意に立ち止まって笑みを浮かべて言った。
「ここにさ。懐中電灯を置いて、ここから先は手探りで行かないか?」
闇の中を懐中電灯なしで行こうと言うのだ。
「いいね、それ。やろうよ。面白う」
さゆりも楽しそうに笑うと手に持った懐中電灯を進んで床に置いた。
ひとみは、人より目がいいはずだったが、その闇の中に何も捉えることが出来ず不安に駆られたが、仕方なく手に持った懐中電灯を床に置いた。
健太と康介も同じように床に懐中電灯を置くと光の届かない闇を進んでいく四人。
そこだけが、異常なほどの闇であった。微かな光さえ闇が包み込んでしまうほどだった。
「おい、みんないるか?」
康介が闇の中を泳ぐように手探りをする。
「ほいほい」
答えるように健太が声を出すことで位置を教える。
「いるよ」
さゆりも存在をアピールしてくる。
「ひとみ。大丈夫か?」
健太が気にして、繋いだ手を引いてみると、それに答えるかのように繋いだ手を引き返してくるひとみ。
この時、静けさが耳鳴りとなって、ひとみを襲った。こんなのは、初めてであった。
いつになく慌てるひとみは、咄嗟に握っていた健太の手を離し、両耳を両手で覆った。迂闊だった。命綱といっても、言い過ぎではない健太の手を離してしまったのだ。
慌てて健太の手を掴もうと、闇の中を探るひとみの手。
闇の中では、頼れるのは耳と鼻と接触だけだった。この時のひとみは、鼻と接触だけが頼りだった。
「ねえ?けんた? どこ?みんな いる?」
ひとみは、何も聞こえず何も見えない闇の中で何も触れられず、頼りの鼻は朽ち果てた木と湿り気を含んだカビの匂いと、埃の匂いが際立って邪魔をして皆を感じることも出来ずにいた。
振り返って見るが懐中電灯の置かれた場所も、ここぞとばかりに月が雲に隠れ、光がなく見ることが出来ずにいた。
こうなると皆と同じで先を目指し歩くしかないひとみだった。行き着くところまで行けば皆が来ると信じ、手探りに突き当たりの壁を探し歩を進めていく。
一方、健太も、不安になっていた。
「ひとみ?俺ならここだ。急に手を離してどうしたんだよ」
離れたひとみの手を必死に探すのは、健太も同じであった。声を上げるが、ひとみに聞こえるはずもなかった。
ひとみのすぐ後ろを歩いていた健太は、手探りする手がひとみに触れることなく壁に触れ、足の爪先もコツンと音を立てた。
「あれ?行き止まり?ひとみ?いるのか?」
健太は、ひとみが近くにいないか四方八方に手を振り回し、一際大きな声で呼んでみたが、やはり返事がない。
壁に触れながら横に移動する健太。
ちょうどそこへ、誰かが健太にぶつかってきた。
「あ、ごめん。健太か?いったい、どうしたんだよ?大きな声出してさ。ひとみ、いないのか?」
闇の中で康介の姿は見ることは出来ないが声のする方を見る健太。
「ああ、先を歩いてたはずなんだけど」
また康介のすぐ後ろでさゆりも到着した。
「ここで行き止まりなの?」
「そうみたいだ」
康介がそれに答える。
「なあ、さゆり。ひとみを知らないか?」
健太がうわずった声でさゆりに問いかける。
「私が知るわけないでしょ?健太とひとみが先に行ってたんじゃないの?」
健太が辺りを手探りをして、ひとみを見つけ出そうとギシギシと音を立てて歩き回るのがわかる康介とさゆり。
「ねえ、健太。ひとみと手を繋いでなかったの?」
ちょっと、羨ましい気持ちのさゆりが嫌味を含めて問いかける。
「繋いでたよ。最初はな」
「最初って、お前、手、離したのかよ。健太。なんで離しちまうんだろうな」
康介の言い方に、カチンと来る健太は、声を荒げる。
「ひとみが急に離したんだよ。仕方ないだろ」
「怒るなよ。どうせ、ひとみ、ふざけてるだけなんだろ?」
ふざけてるだけならいいのだが、健太はいつになく不安になっていた。何かわからないが、冗談と思えない何かが健太は感じていた。
「ひとみ?ふざけてないで返事してくれよ」
健太の声が引き攣っている。
「こんな闇の中で、冗談はやめようぜ。ひとみ」
健太は今にも泣き出さんばかりに、動揺していた。
康介も、そんな健太に共感したのか不安になり少し苛立ち始めている。
「おい。ひとみ、ふざけてないで声聞かせろよ」
さゆりも手を振り回してひとみを探しながら、二人の空気に影響されて苛立ち始めている。
「ひとみ。ふざけるの、いい加減にしてよね」
三人が苛立ち始めている。
流石にたまりかねた健太が、振り返ると闇の途切れた所に置いてきた懐中電灯を見ると走り出していた。
懐中電灯を無造作に拾い上げるとスイッチを押し闇に向かって光の輪を放った。光を向けられ眩しそうに手で遮っている康介とさゆりらしき二人の姿が見えたが、ひとみの姿はなかった。隅々まで照らしてみたが、やはりどこにもいない。
「あれ?なんで?ひとみは?なんで?なんで、いないんだよ」
言いながら二人に近づく健太は、手に持った二本の懐中電灯を二人に渡した。
「知らねえよ。ひとみのすぐ後ろにいたのは、健太だろう?お前が知らないのに俺たちが知ってるわけないだろ?」
いるはずのない天井にも光の輪を向ける健太は、完全に困り果てている。
「どうなってんだ、ったく」
「知りたいのはこっちだよ」
頭を抱え、無造作に掻きむしる健太。
さゆりも周囲を照らしては、ひとみの名を呼んでいる。
「ひとみ。いたら、返事してよ」
「いい加減にしろよ。ひとみ。怒るぞ、マジで」
康介は、ひとみの悪ふざけとしか考えられず、返事をしないことにイラついていた。
近くの部屋は全て扉が閉まり、開けた痕跡すらなかった。すぐ近くにある部屋の扉を開けようしてみたが、すっかりレールと車が錆び付いていて、ピクリとも動かなかった。
それでも、もしかしたらと、部屋の中を懐中電灯で照らして覗き込んでいる康介だった。
それもそのはずで、隠れられる場所があるとしたら、部屋の中以外、なかったからだ。
途方に暮れる健太はガックリと膝を着く。
「どこ、行っちまったんだよ。ひとみ」
床に空いた穴を覗き込む康介は、さすがに人が抜けれる大きさでないのがわかると、ひとみのものと思われる床の足跡を辿っていった。行き着く先で不自然な物を見て驚いた。
「なあ、おい。健太。ちょっと、ここ」
「ああ?なんだよ。冗談とかだったら、ぶっ飛ばすからな」
四つ這いになる健太は、康介が明かりで照らす部分を見て、同じように仰天した。
「はあ?なんだよ、これ。なんの冗談だ?誰かのいたずらか?」
健太が康介の胸ぐらを掴むと康介も負けじと健太の胸ぐらを掴む。
「おい。こんな時に、手の込んだことしてんじゃねえぞ、康介」
「俺?俺かよ。ふざけんなよ?」
さゆりが二人に近づいてくる。
「ねえ、いったい、なんなの?こんな時に喧嘩?何がどうだっていうのよ?」
二人が見た床をさゆりも明かりを照らして見て、その異様さに声を荒げる。
「はあ?どうしたら、こうなるの?」
さゆりは、壁際に爪先のない踵だけの足跡を照らし出していたのだ。
壁をあちこち叩いては、押してみたりして動くのか確かめている康介。
「隠し扉にでもなってるってのか?」
体当たりまでしてみせる康介だったが、ピクリとも動かなかった。
途方に暮れる三人は、なす術がなかった。
こうして、江上ひとみは姿を消し、これ以降誰一人として、彼女を見た者はいなかった。
それから、一年が経過して、卒業後の三人はそれぞれの道を歩き始めた。
さゆりは看護学校に、康介は法律を学ぶ為大学に。
健太は、普通に就職を考えていたのを辞めて、今は警察学校に通っている。
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