66 / 82
番外編
第一話 豊穣祭の贈り物
しおりを挟む
ある日のこと。人魚族が住む国であるアルモリカ王国のリアヌ城にて、レイアは使用人から一つ小包を受け取った。手紙が同封されており、自分宛てとなっている。蝋封を外して開くと、懐かしい文字が並んでいた。幼なじみであるセレナの筆跡らしく、丸みを帯び小さく整った文字だった。アリオン経由でアーサーから荷物を一つ送ったと連絡が来ていたので、特に問題ないだろう。
「レイア、その後どうかしら? 昔、好きな人が出来たら豊穣祭の時にあげたいと言っていたお菓子があったわよね? あなたのことだから本当は彼に作ってあげたいだろうけど、今は忙しいんじゃないかしら? この前街に行ったときに、あなたの分も一緒に買っておいたから一箱贈るわ。お代は気にしないで。荷物の件、アーサーからアリオンの方に伝えて貰っているから心配しなくて大丈夫よ。あなたのアリオンに宜しく伝えてね」
コルアイヌでは豊穣祭の日に恋人や家族など大切な人に贈り物をすることが習わしとなっている。アルモリカでは良く分からないのだが、コルアイヌとは事情が違うようだ。アルモリカに引っ越して来て以来、新しい環境になれるのが精一杯ですっかり忘れていた。彼女は元々某国の王女だったが、訳あって平民としての生活が長かった。色々覚えないといけないことも多い。次期国王となるアリオンに相応しいレディーになるのも、彼女にとって大事な仕事なのだ。
(豊穣祭……もうそんな時期だったっけ。セレナ……覚えててくれたんだ……)
レイアは親友達の気遣いに感謝した。
昔彼女がコルアイヌに住んでいた頃、セレナと一緒に街に出掛けた時に、行列が出来ているお店が一軒あったのを見かけた。その店は主に菓子を専門に扱っている店で、丁度豊穣祭の時期にあわせて贈り物用の商品を色々出しており、女性客が群がるように並んでいたのだ。
店内は甘い匂いが漂っており、気にはなるものの、丁度持ち合わせがなかったから試し買いが出来なかった記憶がある。一番人気のある菓子の試食だけはしたが、普段食べる焼き菓子とは異なり、口に入れるととろけるような甘さと言い、雪のようにすっと溶けてゆく食感と言い、何とも言えない美味な菓子だった。それは丸かったり四角だったりハートの形だったりと、様々な形をしている。それでいてどれも一口サイズで食べやすい。意中の相手にあげる豊穣祭の贈り物なら焼き菓子より、こういうおしゃれなものが良いなと、その当時思ったものだった。
(ああ、自分にもこれを渡したい相手が出来たんだ……)
感慨深く思うものの、当時のことを思い出すと、胸の中がほわんと温かくなり、ちょっとくすぐったい気分もした。
(彼は喜んでくれるだろうか?)
これは夕ご飯の後に渡そう。そう思ったレイアは、高鳴る鼓動を抑えつつ、小包の中に入っていた小さな箱を、自分の机の引き出しの中にそっと入れた。
⚔ ⚔ ⚔
その日の夜。夕食後に一息ついたあと、レイアはアリオンに切り出した。
「豊穣祭? それは何だい?」
「コルアイヌでは恒例行事の一つなんだよ。男性からでも女性からでも、家族や大切な人に何か贈り物をする行事なんだ」
「そうなんだ」
「アルモリカではこういう習慣はないの?」
「習慣というより、意味合い的には記念日の方が近いかな。君の言う豊穣祭にあたるのは、ここでは〝感謝祭〟だ。恋人同士がお互いの気持ちを深め合い、感謝して一緒にお祝いする日なんだ。それはここでは来月なんだよ」
「そうなんだ。国によって色々違ってて、面白いね」
「ということは、今年からは今月と来月と君と二回お祝い出来るわけか。それは楽しみだ」
彼はコルアイヌの風習を自分達の生活にそのまま取り入れようとしてくれているようだ。その気持ちがレイアにとってとても嬉しかった。
彼女は見ていると吸い込まれそうになる笑顔を浮かべるアリオンに、そっと小箱を差し出した。彼女をよく見ると少し下を向いており、やや目をそらし気味である。レイアにとって、こうやって大切な誰かに贈り物をすること自体、これが初めてなのだ。波乱に満ちた幼少期を過ごし、紆余曲折を経て、今の平穏な生活を営んでいるが、彼女はまだ十六歳の少女なのだ。いくらほぼ同棲状態の正式な婚約者相手とは言え、ちょっとはにかむのも無理もない。
アリオンが結んであるリボンを優雅な手付きでほどいてそれを開けてみると、優しい甘い香りが広がった。中には色が茶色だったり赤でコーティングされていたりと、様々な色と形をした菓子が入っていた。どれも艶々としている。見たことがないのか、王子は金茶色の目を輝かせつつ、不思議そうに覗き込んでいる。その様子が少年のようで可愛いとレイアは思った。
「ありがとう。これはここでは見たことのない菓子だ。一粒一粒が宝石みたいにとっても綺麗だね」
「これはショクラタと言うんだ。ココという植物の種子を発酵、焙煎、粉砕したものにお砂糖、コルアイヌ産の牛乳を乾燥させたものを混ぜて練り固めた菓子なんだよ。コルアイヌではこの時期に贈り物として良く使われるんだ。甘くてとっても美味しいんだよ。あんたはお酒も甘いものもどちらも大丈夫だから、どうかなと思ってね」
「そうか。レイア、ちょっと口を開けてごらん」
「?」
アリオンは箱の中の菓子の一粒を長い指で摘み、ひょいとレイアの口の中に入れた。彼女は驚いてヘーゼル色の目を大きく見開いている。
「ちょっとアリオ……」
レイアは抗議の声をあげようとしたが、アリオンの唇に上から塞がれてそんな気も失せてしまった。二人の舌の間で、それはゆっくりと溶けてゆく。二人の口中に甘い香りがふんわりと広がった。背中がぞくぞくとし、身体中が熱くなってくる。二人共にほぼ同時にコクンと嚥下すると、王子は名残惜しそうに唇を離し、満足そうに目を細めた。
「……っ!」
「……ありがとう。君からの贈り物は、とろけるように甘くて美味しかったよ」
「もう……馬鹿……!」
「せっかく君がくれたんだ。味わうなら私一人では勿体ないからね。少しずつ頂くことにするよ……君と一緒にね」
「アリオンったら……!」
アリオンは顔を真っ赤にしているレイアの腰と膝に腕を回すと、急に彼女の身体がふわりと宙に浮いた。腰まである長い黒髪が滝のように揺れ動く。彼女は突然視線の位置が高くなったことに驚いて、思わず彼の肩にしがみつくと、ターコイズブルーのドレスの裾がひらひらと揺れた。彼の背中まで長さのある明るい茶色い髪が彼女の指に絡みついて、少しくすぐったい。
「ほら、見てごらん。今度は僕から君への贈り物だよ」
王子に横抱きにされながら、彼のいう方向に顔を向けると、机の近くに置かれている真っ黒な箱の中に、見ば良く敷き詰められた五十輪もの深紅の薔薇がレイアを出迎えた。ダイヤモンドを散りばめたように美しい大輪の薔薇である。花は全て特殊な加工をしてあるため、永遠に枯れることはないそうだ。レイアの顔からこぼれんばかりの笑顔が弾けた。
「凄い……とっても綺麗だね! 私薔薇なんて貰ったことなかったから、凄く嬉しいよ。ありがとうアリオン!」
「それは良かった。アーサーからコルアイヌの豊穣祭のはなしを色々聞いてね、実は予め準備しておいたんだ。君には何がいいだろうと思って、これにした」
アルモリカでは感謝祭には互いに贈り物を送り合って祝うそうだ。レイアが豊穣祭の贈り物を準備していることを知ったアリオンは、同じ日に彼女に渡そうと事前にこっそりと手配していたのだ。
五十輪のバラの花言葉は「永遠」。いかにも彼らしい選択だ。
「今度はこちらに行こうか」
横抱きにされたまま運ばれてゆく先を目にしたレイアは、頬を更に真っ赤に染めた。視線の先には綺麗にメイキングされた寝台がある。長いまつ毛の金茶色の瞳から射抜くような熱っぽい視線を感じて、彼女は身体の奥から甘い疼きを覚えた。心臓が強く跳ねて、胸が痛い位だ。
「今夜は特別、君をもっと感じていたいんだ」
「もう……アリオンったら……」
「来月の時も、夜は早めに仕事を切り上げるようにするよ。そうすれば、その分早く私は君だけのものになれるから」
「うん……ありがとう。とっても嬉しい」
ゆっくりと降ろされた寝台の上で、レイアはアリオンの首にすがりついた。普段忙しい彼が、自分を寂しがらないようにと繊細に気を遣ってくれるのが、この上なく嬉しかった。ヘーゼル色の瞳と金茶色の瞳がゆっくりと見つめ合い、彼女の絹のように艷やかで長い黒髪と彼の明るい茶色の髪が絡まり合う。
しばらくすると、寝台から優しくて甘いささやき声が聞こえてきた。それはきっと穏やかな眠りに包まれるまで、一晩中ずっと途切れないことだろう。寄せては返し、返しては寄せる波のように。
レイアがアルモリカで迎えた初めての豊穣祭の夜は、こうして静かに更けていった。
──完──
「レイア、その後どうかしら? 昔、好きな人が出来たら豊穣祭の時にあげたいと言っていたお菓子があったわよね? あなたのことだから本当は彼に作ってあげたいだろうけど、今は忙しいんじゃないかしら? この前街に行ったときに、あなたの分も一緒に買っておいたから一箱贈るわ。お代は気にしないで。荷物の件、アーサーからアリオンの方に伝えて貰っているから心配しなくて大丈夫よ。あなたのアリオンに宜しく伝えてね」
コルアイヌでは豊穣祭の日に恋人や家族など大切な人に贈り物をすることが習わしとなっている。アルモリカでは良く分からないのだが、コルアイヌとは事情が違うようだ。アルモリカに引っ越して来て以来、新しい環境になれるのが精一杯ですっかり忘れていた。彼女は元々某国の王女だったが、訳あって平民としての生活が長かった。色々覚えないといけないことも多い。次期国王となるアリオンに相応しいレディーになるのも、彼女にとって大事な仕事なのだ。
(豊穣祭……もうそんな時期だったっけ。セレナ……覚えててくれたんだ……)
レイアは親友達の気遣いに感謝した。
昔彼女がコルアイヌに住んでいた頃、セレナと一緒に街に出掛けた時に、行列が出来ているお店が一軒あったのを見かけた。その店は主に菓子を専門に扱っている店で、丁度豊穣祭の時期にあわせて贈り物用の商品を色々出しており、女性客が群がるように並んでいたのだ。
店内は甘い匂いが漂っており、気にはなるものの、丁度持ち合わせがなかったから試し買いが出来なかった記憶がある。一番人気のある菓子の試食だけはしたが、普段食べる焼き菓子とは異なり、口に入れるととろけるような甘さと言い、雪のようにすっと溶けてゆく食感と言い、何とも言えない美味な菓子だった。それは丸かったり四角だったりハートの形だったりと、様々な形をしている。それでいてどれも一口サイズで食べやすい。意中の相手にあげる豊穣祭の贈り物なら焼き菓子より、こういうおしゃれなものが良いなと、その当時思ったものだった。
(ああ、自分にもこれを渡したい相手が出来たんだ……)
感慨深く思うものの、当時のことを思い出すと、胸の中がほわんと温かくなり、ちょっとくすぐったい気分もした。
(彼は喜んでくれるだろうか?)
これは夕ご飯の後に渡そう。そう思ったレイアは、高鳴る鼓動を抑えつつ、小包の中に入っていた小さな箱を、自分の机の引き出しの中にそっと入れた。
⚔ ⚔ ⚔
その日の夜。夕食後に一息ついたあと、レイアはアリオンに切り出した。
「豊穣祭? それは何だい?」
「コルアイヌでは恒例行事の一つなんだよ。男性からでも女性からでも、家族や大切な人に何か贈り物をする行事なんだ」
「そうなんだ」
「アルモリカではこういう習慣はないの?」
「習慣というより、意味合い的には記念日の方が近いかな。君の言う豊穣祭にあたるのは、ここでは〝感謝祭〟だ。恋人同士がお互いの気持ちを深め合い、感謝して一緒にお祝いする日なんだ。それはここでは来月なんだよ」
「そうなんだ。国によって色々違ってて、面白いね」
「ということは、今年からは今月と来月と君と二回お祝い出来るわけか。それは楽しみだ」
彼はコルアイヌの風習を自分達の生活にそのまま取り入れようとしてくれているようだ。その気持ちがレイアにとってとても嬉しかった。
彼女は見ていると吸い込まれそうになる笑顔を浮かべるアリオンに、そっと小箱を差し出した。彼女をよく見ると少し下を向いており、やや目をそらし気味である。レイアにとって、こうやって大切な誰かに贈り物をすること自体、これが初めてなのだ。波乱に満ちた幼少期を過ごし、紆余曲折を経て、今の平穏な生活を営んでいるが、彼女はまだ十六歳の少女なのだ。いくらほぼ同棲状態の正式な婚約者相手とは言え、ちょっとはにかむのも無理もない。
アリオンが結んであるリボンを優雅な手付きでほどいてそれを開けてみると、優しい甘い香りが広がった。中には色が茶色だったり赤でコーティングされていたりと、様々な色と形をした菓子が入っていた。どれも艶々としている。見たことがないのか、王子は金茶色の目を輝かせつつ、不思議そうに覗き込んでいる。その様子が少年のようで可愛いとレイアは思った。
「ありがとう。これはここでは見たことのない菓子だ。一粒一粒が宝石みたいにとっても綺麗だね」
「これはショクラタと言うんだ。ココという植物の種子を発酵、焙煎、粉砕したものにお砂糖、コルアイヌ産の牛乳を乾燥させたものを混ぜて練り固めた菓子なんだよ。コルアイヌではこの時期に贈り物として良く使われるんだ。甘くてとっても美味しいんだよ。あんたはお酒も甘いものもどちらも大丈夫だから、どうかなと思ってね」
「そうか。レイア、ちょっと口を開けてごらん」
「?」
アリオンは箱の中の菓子の一粒を長い指で摘み、ひょいとレイアの口の中に入れた。彼女は驚いてヘーゼル色の目を大きく見開いている。
「ちょっとアリオ……」
レイアは抗議の声をあげようとしたが、アリオンの唇に上から塞がれてそんな気も失せてしまった。二人の舌の間で、それはゆっくりと溶けてゆく。二人の口中に甘い香りがふんわりと広がった。背中がぞくぞくとし、身体中が熱くなってくる。二人共にほぼ同時にコクンと嚥下すると、王子は名残惜しそうに唇を離し、満足そうに目を細めた。
「……っ!」
「……ありがとう。君からの贈り物は、とろけるように甘くて美味しかったよ」
「もう……馬鹿……!」
「せっかく君がくれたんだ。味わうなら私一人では勿体ないからね。少しずつ頂くことにするよ……君と一緒にね」
「アリオンったら……!」
アリオンは顔を真っ赤にしているレイアの腰と膝に腕を回すと、急に彼女の身体がふわりと宙に浮いた。腰まである長い黒髪が滝のように揺れ動く。彼女は突然視線の位置が高くなったことに驚いて、思わず彼の肩にしがみつくと、ターコイズブルーのドレスの裾がひらひらと揺れた。彼の背中まで長さのある明るい茶色い髪が彼女の指に絡みついて、少しくすぐったい。
「ほら、見てごらん。今度は僕から君への贈り物だよ」
王子に横抱きにされながら、彼のいう方向に顔を向けると、机の近くに置かれている真っ黒な箱の中に、見ば良く敷き詰められた五十輪もの深紅の薔薇がレイアを出迎えた。ダイヤモンドを散りばめたように美しい大輪の薔薇である。花は全て特殊な加工をしてあるため、永遠に枯れることはないそうだ。レイアの顔からこぼれんばかりの笑顔が弾けた。
「凄い……とっても綺麗だね! 私薔薇なんて貰ったことなかったから、凄く嬉しいよ。ありがとうアリオン!」
「それは良かった。アーサーからコルアイヌの豊穣祭のはなしを色々聞いてね、実は予め準備しておいたんだ。君には何がいいだろうと思って、これにした」
アルモリカでは感謝祭には互いに贈り物を送り合って祝うそうだ。レイアが豊穣祭の贈り物を準備していることを知ったアリオンは、同じ日に彼女に渡そうと事前にこっそりと手配していたのだ。
五十輪のバラの花言葉は「永遠」。いかにも彼らしい選択だ。
「今度はこちらに行こうか」
横抱きにされたまま運ばれてゆく先を目にしたレイアは、頬を更に真っ赤に染めた。視線の先には綺麗にメイキングされた寝台がある。長いまつ毛の金茶色の瞳から射抜くような熱っぽい視線を感じて、彼女は身体の奥から甘い疼きを覚えた。心臓が強く跳ねて、胸が痛い位だ。
「今夜は特別、君をもっと感じていたいんだ」
「もう……アリオンったら……」
「来月の時も、夜は早めに仕事を切り上げるようにするよ。そうすれば、その分早く私は君だけのものになれるから」
「うん……ありがとう。とっても嬉しい」
ゆっくりと降ろされた寝台の上で、レイアはアリオンの首にすがりついた。普段忙しい彼が、自分を寂しがらないようにと繊細に気を遣ってくれるのが、この上なく嬉しかった。ヘーゼル色の瞳と金茶色の瞳がゆっくりと見つめ合い、彼女の絹のように艷やかで長い黒髪と彼の明るい茶色の髪が絡まり合う。
しばらくすると、寝台から優しくて甘いささやき声が聞こえてきた。それはきっと穏やかな眠りに包まれるまで、一晩中ずっと途切れないことだろう。寄せては返し、返しては寄せる波のように。
レイアがアルモリカで迎えた初めての豊穣祭の夜は、こうして静かに更けていった。
──完──
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
僕のおつかい
麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。
東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。
少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。
彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。
そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※一話約1000文字前後に修正しました。
他サイト様にも投稿しています。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる