6 / 12
第6話 満月
しおりを挟む
あたしは、あなたといっしょに夜空を見上げた。
夜の空だなんて、ゆっくり見られるのは一体何年振りだろうか。
「綺麗な満月やね~」
サファイアを溶かしてそのまま空にしたような、最高密度の青色。そこに真っ白なお月様がほかりと浮かんでいる。その周りを取り囲むような星達。きらきらと瞬いていて、宝石箱のようだ。
「本当に綺麗だね~! 雲も晴れていて、丁度くっきりと見えてるし。今日は十五夜か……あ、ねぇねぇ、これってさぁ、シャッターチャンスじゃあないの? 今」
あたしはあなたの袖を引っ張って合図してみた。でもあなたは案外鈍いの。反応が。
「もう誰か撮ってインスタだのアップしとるやろうけん、俺がやらんでもええやろ~」
ちぇ。つまんないの。そう思ったけど、あたしは口には出さなかった。
「ははは。写メ撮っても一眼レフのそれには負けるしね~」
昨日はお月様は見られなかったけど、今日は見られた。
つい最近まで暑かったのに、いつの間にか風も涼しくなって、大分秋らしい気候だ。
そう言えばお昼に買い物に行ったら、ファーストフード店に大行列が出来ていたなぁ。きっと、今日の日にあやかって「お月見バーガー」を買い求めるお客さんが群がっているからだろう。
昨日が十四夜、今日が十五夜、明日は十六夜。
天気予報は明日も晴れだと言っている。
明日は今日より登ってくるのがちょっと遅くなるだろうけど、きっと綺麗なお月様が見られる筈だ。
お家に帰ったら、ススキもだけど、一緒にお団子をお供えしようね。マサキ。
夜の空だなんて、ゆっくり見られるのは一体何年振りだろうか。
「綺麗な満月やね~」
サファイアを溶かしてそのまま空にしたような、最高密度の青色。そこに真っ白なお月様がほかりと浮かんでいる。その周りを取り囲むような星達。きらきらと瞬いていて、宝石箱のようだ。
「本当に綺麗だね~! 雲も晴れていて、丁度くっきりと見えてるし。今日は十五夜か……あ、ねぇねぇ、これってさぁ、シャッターチャンスじゃあないの? 今」
あたしはあなたの袖を引っ張って合図してみた。でもあなたは案外鈍いの。反応が。
「もう誰か撮ってインスタだのアップしとるやろうけん、俺がやらんでもええやろ~」
ちぇ。つまんないの。そう思ったけど、あたしは口には出さなかった。
「ははは。写メ撮っても一眼レフのそれには負けるしね~」
昨日はお月様は見られなかったけど、今日は見られた。
つい最近まで暑かったのに、いつの間にか風も涼しくなって、大分秋らしい気候だ。
そう言えばお昼に買い物に行ったら、ファーストフード店に大行列が出来ていたなぁ。きっと、今日の日にあやかって「お月見バーガー」を買い求めるお客さんが群がっているからだろう。
昨日が十四夜、今日が十五夜、明日は十六夜。
天気予報は明日も晴れだと言っている。
明日は今日より登ってくるのがちょっと遅くなるだろうけど、きっと綺麗なお月様が見られる筈だ。
お家に帰ったら、ススキもだけど、一緒にお団子をお供えしようね。マサキ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……
紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz
徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ!
望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。
刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる