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 絶対絶命の二人、するとそこに、


「ロマーヌさんっ!」


「ピィ」


「フィンッ、どうして?」


「そんな事より早くっ」


 彼は家族で屋根の上に避難し、そこにブルー·バードが来て鳴く方向に走って家に向かう彼女を見かけ慌てて来たのだ。


 フィンはブレットおばあちゃんを背に乗せロマーヌと一緒に走った。


「ロマーヌさん」


「なに?」


「髪伸ばして、パジャマ姿のロマーヌさんも素敵ですね」


 避難して容姿を整える時間も無かった姿を見られ、


「あんまり見ないでください」


 ちょっと恥ずかしいロマーヌだった。


「ふぉっふぉっふぉっ、青春じゃのう」



 ようやくレストランに着いた。


 もう海水はここまで来ているので急いで二階から屋根に上る。


 まずフィンが先にのぼって、ロマーヌがブレットおばあちゃんに落ちないよう気づかいながら窓から出して、彼が手で持ち上げた。


「すまないねぇ、こんなばあちゃんに」


「いえ良かったです。ロマーヌさん」


 彼女が窓から屋根に掴むと、



「キャーッ!」



 手を滑らせ、



「ロマーヌさんっ!」「ピィ」



 紙一重で彼女の手を掴んだ。



「フィン」



「くっ」



「あわわっ、ロマーヌちゃん」



「おばあさん、向こうから人を呼んできてください」


 フィンがそう言うと自分も落ちないように左手で屋根を掴み、右手でロマーヌの手を掴んでいた。



「ロマーヌさん······こんな時何ですが、あなたの惚れている方は一体何をしてるんです?」



「なに言ってるのよ!」


 来るはずもない。


 その彼はレッド·ドラゴン、龍なのだから。


 他の人も来て皆で引っ張り助かったロマーヌだが、


「バカッ!」


「いたっ」


 お母さんに右手で叩かれたあと、抱きしめられる。


「もう、この娘は」


 そして周りの人に感謝するお母さんであった。


 落ち着く気配のない津波に海を見るロマーヌは、


「レッド·ドラゴンさん······」


 不安から、彼の事を気になり始める······。



 空を飛んでいたレッド·ドラゴンは、


『レッド·ドラゴンさん』


 精神感応テレパシーのようなものを感じ振り向いた。


 その方向には、


「ロマーヌ······」


 嫌な予感がしたので約束よりも早いがフローティアへと向かう――。



 一時間くらい経ち海水はまるで生きているかのように普遍的な動きを見せ、皆が固唾をのんでいる中、海の方を見て何やら騒いでいる。


 ロマーヌもよく見てみると、


「あ、あれはっ!」


 海の中から顔を出す青い龍の姿が、それはまるでレッド·ドラゴンと瓜二つ。


 彼女は慣れていたが、周りはこんな状況なので誰もが世界の終わりのような事を口ずさみ始めた。


 屋根の上に避難している町の人達、それを見てブルー·ドラゴンは『なんと弱い生き物。この程度で恐怖するとは······だが、フフッ、これだけではすまぬぞ』
 楽しむ様に彼女はさらに精神感応テレパシーを送るその相手は、



「聞こえるか? ロマーヌ」



「え、だれなの······」



 ロマーヌだった。お母さんはその娘の異変に、


「どうしたの? ロマーヌ」



「たぶん、あの、海のドラゴンが私に話しかけてる」


 ブルー·ドラゴンはそのまま精神感応テレパシーを続ける。


「ロマーヌ······ロマーヌよ······よく聞け」


 じっと集中して聞く、



「お前は罪を犯した」



「罪?」



「レッド·ドラゴンに好意を持つという罪をな」


 ロマーヌは真っ青になり震え、こうなったきっかけを頭で理解してしまう。


「······わ、私が······私は、どうすればいいのですか」


 彼女の問いにニヤけるブルー·ドラゴンは、


「一度犯した罪は消えない。よってフローティアには消えてもらうが」


 一人で引きつった顔をしているロマーヌを見てただ事じゃないとフィンは、


「ロマーヌさん、いったい」


「静かに、してください······」







「そ、それ、は」



「分かるだろうロマーヌ、と言うことじゃ」
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