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お別れ会
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お別れ会の2月22日、
「え~っ、では、今からロボット先生のお別れ会を始めます」
司会の生徒が始まりを告げるとロボット先生が拍手されながら入場し、
「よろしくお願いします」
頭を僅かに下げながら挨拶をした。
「では最初は、腕相撲でーす」
早速始まったお別れ会。腕相撲はロボット先生と五人の力自慢の生徒による対決、
「行くぜ、先生~」
「お手柔らかに······」
一回戦、
「オラーッ!」
五人の片手が重なった手で押しにかかるが先生はびくともせずそのままの体勢で30秒くらいに相手が力尽きロボット先生の勝利。
『勝てるわけないじゃん』と女子は皆思いまた愚痴をこぼす。
続いて二回戦、
また先生勝ち。
三回戦は、
またまた先生の勝ち。
四回戦そして五回戦の結果は、
「5対0で、ロボット先生の勝ち~」
当然、ロボット先生が勝った。
「はぁはぁ······」
「くっそ~」
あまりにも一方的で、女子から罵声の嵐が、『なにやってんのよ!』『ちょっとは頭使いなさい!』『脳筋!』
散々な言われよう。さすがに男子五人が可哀想に見えた。それと秋は、
「先生優しい~、ねっ、パール」
「ウン!」
ロボット先生は五人の生徒を思って腕をけして曲げず力尽きるまで待つ。その優しさに気づく女子もちらほら。
「続きましては······」次は知恵比べ。
ロボット先生とガリ勉三人の対決なのだが、
「第一問、これはなんと読むでしょう」
「はい」
「ロボット先生」
「帷子雪、薄く降り積もった雪ですね」
「正解!」
「高弘わかった?」
「あ~、うん~、分かんねえ」
「第二問······」
どの問題も難しくそれを正解するロボット先生やガリ勉三人は凄いけど、周りはしらけていた。
「何かつまらない」
「ツマラナイ」
「つまんね~」
秋、パール、高弘がつい愚痴っていると他の生徒が質問をする。
「先生」
「はい」
「先生にも分からないことあんの?」
その質問に半分位の生徒達は『あるのかな?』と思い始めた。
「沢山ありますよ」
「えっ、何ですか?」
「感触です。皆さんは当たり前のような触るとか手を握る等はセンサーが感知するだけでロボットの私には分かりません」
ロボットにも欠けている所はあるということを改めて知る生徒達。
「ですからこれからはロボットが人間のような感触を知る時代が来るかもしれませんね。皆さんも大好きな人お父さんやお母さん、色んな人との感触を大事にしてください」
何か授業っぽくなったが皆返事をする。
「最後に、ロボット先生の、良いところを上げて下さい」
もう最後なのは、このあと他の三年のクラスに行くため。
そして最後の問には、
「優しい!」
「頭いい!」等の他、
「冷静でクール!」
「アドバイスが的確!」
どんどん周りが答えていくと負けるもんかと秋も、
「いつも笑顔!」
するとパールも、
「ハーイ、疲レナイ!」
ちょっと論点がずれてるのか一瞬皆が静かになる。
その他にも色々な先生の良いところを上げているとあっという間に終わりの時間がやってきた······。
「皆さん楽しかったですか、最後にロボット先生からの言葉をお願いします」
「えー、皆さん、私に時間を割いていただきありがとうございます。私はロボットでAiではありますが、今は皆さんと同じように私自身にも気持ちがあると思っています。なので、今の気持ちは嬉しくもあり同時に寂しくもありますが、みんなが新しい世界に旅立っても、私は生徒一人一人の心の中で温かく見守っています。今日楽しかったです。本当にありがとうございました」
ロボット先生からの感謝の言葉は拍手喝采で他のクラスへと向かう······。
「え~っ、では、今からロボット先生のお別れ会を始めます」
司会の生徒が始まりを告げるとロボット先生が拍手されながら入場し、
「よろしくお願いします」
頭を僅かに下げながら挨拶をした。
「では最初は、腕相撲でーす」
早速始まったお別れ会。腕相撲はロボット先生と五人の力自慢の生徒による対決、
「行くぜ、先生~」
「お手柔らかに······」
一回戦、
「オラーッ!」
五人の片手が重なった手で押しにかかるが先生はびくともせずそのままの体勢で30秒くらいに相手が力尽きロボット先生の勝利。
『勝てるわけないじゃん』と女子は皆思いまた愚痴をこぼす。
続いて二回戦、
また先生勝ち。
三回戦は、
またまた先生の勝ち。
四回戦そして五回戦の結果は、
「5対0で、ロボット先生の勝ち~」
当然、ロボット先生が勝った。
「はぁはぁ······」
「くっそ~」
あまりにも一方的で、女子から罵声の嵐が、『なにやってんのよ!』『ちょっとは頭使いなさい!』『脳筋!』
散々な言われよう。さすがに男子五人が可哀想に見えた。それと秋は、
「先生優しい~、ねっ、パール」
「ウン!」
ロボット先生は五人の生徒を思って腕をけして曲げず力尽きるまで待つ。その優しさに気づく女子もちらほら。
「続きましては······」次は知恵比べ。
ロボット先生とガリ勉三人の対決なのだが、
「第一問、これはなんと読むでしょう」
「はい」
「ロボット先生」
「帷子雪、薄く降り積もった雪ですね」
「正解!」
「高弘わかった?」
「あ~、うん~、分かんねえ」
「第二問······」
どの問題も難しくそれを正解するロボット先生やガリ勉三人は凄いけど、周りはしらけていた。
「何かつまらない」
「ツマラナイ」
「つまんね~」
秋、パール、高弘がつい愚痴っていると他の生徒が質問をする。
「先生」
「はい」
「先生にも分からないことあんの?」
その質問に半分位の生徒達は『あるのかな?』と思い始めた。
「沢山ありますよ」
「えっ、何ですか?」
「感触です。皆さんは当たり前のような触るとか手を握る等はセンサーが感知するだけでロボットの私には分かりません」
ロボットにも欠けている所はあるということを改めて知る生徒達。
「ですからこれからはロボットが人間のような感触を知る時代が来るかもしれませんね。皆さんも大好きな人お父さんやお母さん、色んな人との感触を大事にしてください」
何か授業っぽくなったが皆返事をする。
「最後に、ロボット先生の、良いところを上げて下さい」
もう最後なのは、このあと他の三年のクラスに行くため。
そして最後の問には、
「優しい!」
「頭いい!」等の他、
「冷静でクール!」
「アドバイスが的確!」
どんどん周りが答えていくと負けるもんかと秋も、
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するとパールも、
「ハーイ、疲レナイ!」
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「えー、皆さん、私に時間を割いていただきありがとうございます。私はロボットでAiではありますが、今は皆さんと同じように私自身にも気持ちがあると思っています。なので、今の気持ちは嬉しくもあり同時に寂しくもありますが、みんなが新しい世界に旅立っても、私は生徒一人一人の心の中で温かく見守っています。今日楽しかったです。本当にありがとうございました」
ロボット先生からの感謝の言葉は拍手喝采で他のクラスへと向かう······。
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