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第3章 望郷、邂逅、アセンブル
密会するミーアですわ!
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相変わらず部屋から姿を消すミーアの後を、距離を取りつつレオンは付いていった。
――お手洗いですわ。恥ずかしいので、着いてこないでくださいね?
と言っていたが時折背後を確認しながら歩くその姿は、とても後ろめたいものの無い少女のそれではない。
レオンは疑っていた。それは、自分以外に他に愛する男がいるのではないか、という疑念だ。
近頃のミーアは、明らかにおかしい。常に考え事をしているように心ここにあらずであったからだ。
深夜。
月すら出ない。
蝋燭も灯さずに、ミーアは進んでいく。
暗い廊下。
その先に、一体何が。
(やはり、ミーアは何か隠している。何者かとの密会か)
予感は、今、確信へと変わった。
ミーアはそっと、ある部屋へと入っていく。音を立てないようにしながら、レオンも扉へと近づいていった。
中ではミーアと誰かが会話をしているようだが、声がくぐもって聞こえにくい。しかし、ミーアがこんな真夜中に隠れるようにして、昼間に会うことのできない人物といるのは確かな事実だった。
なんとか音を拾おうと、扉に耳を近づける。
「あの男が捕まったというじゃない! もう手遅れよ! 観念なさい!」
甲高い、女の声が聞こえた。
ミーアだ。
ひどく取り乱し、誰かに怒りを向けている。対する人物が、何かを言ったようだ。それを聞いたミーアの声には更に怒りが含まれていく。
「何よそれ! あたしを、愛してるって言ったじゃない! あたしを守るって! あたしのために生きるって、そう言ったじゃないの!」
その言葉が聞こえた瞬間、レオンの胸に絶望が広がる。相手が誰にせよ、ミーアの恋のお相手のようだ。――自分以外の。
しかし、ミーアのしゃべり方も言葉遣いも、いつもの彼女らしくない。下町の娘が話しそうな言葉だ。耐えきれず、レオンは扉を開けた。
中にはレオンを見て驚愕の表情を浮かべるミーアと、もう一人。カーテンを閉め切った部屋。明かりはない。暗がりでそれが誰か分からない。雰囲気から、男であることは分かった。
(やはり……!)
「ミーア! これはどういうことだ!?」
突然現れたレオンに、ミーアはいつもの調子を崩されたようだ。動揺したように答える。
「ち、違うんです! これは……!」
ミーアが何かを言いかけた時だ。城下から、闇を裂くような銃声が続けざまに何発も放たれる音が聞こえた。
驚きレオンは扉の方を振り返り、見えるはずもない街へと目を向けた。
そしてその隙を見逃さなかったかのように、部屋にいた人物は窓を開けるとさっと逃げる。
「待て!」
レオンが開けられた窓に突進し外を見るが、既に何者の気配もなく。そしてまたしても聞こえた銃声に、一体城下で何が起きているのかと、頭は混乱を極めた。
――お手洗いですわ。恥ずかしいので、着いてこないでくださいね?
と言っていたが時折背後を確認しながら歩くその姿は、とても後ろめたいものの無い少女のそれではない。
レオンは疑っていた。それは、自分以外に他に愛する男がいるのではないか、という疑念だ。
近頃のミーアは、明らかにおかしい。常に考え事をしているように心ここにあらずであったからだ。
深夜。
月すら出ない。
蝋燭も灯さずに、ミーアは進んでいく。
暗い廊下。
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予感は、今、確信へと変わった。
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中ではミーアと誰かが会話をしているようだが、声がくぐもって聞こえにくい。しかし、ミーアがこんな真夜中に隠れるようにして、昼間に会うことのできない人物といるのは確かな事実だった。
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甲高い、女の声が聞こえた。
ミーアだ。
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「何よそれ! あたしを、愛してるって言ったじゃない! あたしを守るって! あたしのために生きるって、そう言ったじゃないの!」
その言葉が聞こえた瞬間、レオンの胸に絶望が広がる。相手が誰にせよ、ミーアの恋のお相手のようだ。――自分以外の。
しかし、ミーアのしゃべり方も言葉遣いも、いつもの彼女らしくない。下町の娘が話しそうな言葉だ。耐えきれず、レオンは扉を開けた。
中にはレオンを見て驚愕の表情を浮かべるミーアと、もう一人。カーテンを閉め切った部屋。明かりはない。暗がりでそれが誰か分からない。雰囲気から、男であることは分かった。
(やはり……!)
「ミーア! これはどういうことだ!?」
突然現れたレオンに、ミーアはいつもの調子を崩されたようだ。動揺したように答える。
「ち、違うんです! これは……!」
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驚きレオンは扉の方を振り返り、見えるはずもない街へと目を向けた。
そしてその隙を見逃さなかったかのように、部屋にいた人物は窓を開けるとさっと逃げる。
「待て!」
レオンが開けられた窓に突進し外を見るが、既に何者の気配もなく。そしてまたしても聞こえた銃声に、一体城下で何が起きているのかと、頭は混乱を極めた。
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