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役者になるべき
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出来上がりの映像を見て、思ったことは、王子殿下は演技には向かないと言うことと、彼女は役者になるべきだと言うことです。
彼女側にも、何らかの台本があるように思うのですが、どうなのでしょう?彼女のオンとオフの姿が笑えるぐらい違うのです。
男爵家では、娘として引き取られたと聞いたのですが、後妻でしたの?男爵様は、少女趣味のある方だったのね。いくら義理でも父と娘が同じベッドで、眠るなんて考えられません。しかも小さい頃ならともかく、もう、体は成熟しているのに。
いや、考えるだけでも鳥肌が立ちますわ。勿論、お父様のことは大好きですのよ?愛してるのですが、お互いに裸なんて、同性でもしないでしょう?
隣に座ってご覧になっていた王子殿下から、魂の抜けるような溜息が聞こえました。
「リディ、頼みがあるんだ。」
「顔色が悪いから、先におやすみになった方がよろしくては?」
「そうか。そうだな。では。」
と、コロンと、横になったのですわ。私の膝の上に、頭を置いて。
「え、ちょっと、あの…」
私が言い淀んでいるうちに、夢の中にすぐさま旅立つなんて、どれだけお疲れだったのでしょう。
サラサラの髪を撫でます。いい子いい子。寝ている殿下は、いつもと違い、可愛らしい顔に見えます。
私達は、政略結婚ですので、二人の間にロマンスなどはありません。ですが、これから先私達は何があっても、きっと一緒に歩いていくのです。少しぐらい、こうして、私が殿下の為に膝をお貸しするぐらい、何でもありません。私が疲れた時は、殿下の膝を借り…?ることは、ないかもしれませんが。
私ならどこを借りたいかしら。
殿下の……腕?力強い腕に抱かれ…違うわ、手かしら。手なら、手を繋いで…あ、駄目だわ。えーと、胸。胸を借りて、あ、駄目。
全て恥ずかしい想像に進んでいくわ。これは何?私、欲求不満なのかしら。
すやすやと寝息を立てている殿下の側で破廉恥な想像をして、ごめんなさい。そっと心の中で謝ります。殿下は何もなさらなくて、いいですからね。
私はお側にいられるだけで、満足ですからね。
それからは、種明かしの瞬間の言葉を考えました。去年ご覧になっている方達は、ワクワクしていると思います。
今年は誰が主役なのだろう、と。
大勢の方達の前で、一身にスポットライトが当たるのです。多くの方は、こう思っていらっしゃいます。この啓発映像の主役になることは、とてつもない栄誉だと。
それがまさか、破滅の第一歩とは、思いも寄らないようなのです。
彼女はどんな顔を見せてくださるのでしょう。今から楽しみですね。
彼女側にも、何らかの台本があるように思うのですが、どうなのでしょう?彼女のオンとオフの姿が笑えるぐらい違うのです。
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いや、考えるだけでも鳥肌が立ちますわ。勿論、お父様のことは大好きですのよ?愛してるのですが、お互いに裸なんて、同性でもしないでしょう?
隣に座ってご覧になっていた王子殿下から、魂の抜けるような溜息が聞こえました。
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「そうか。そうだな。では。」
と、コロンと、横になったのですわ。私の膝の上に、頭を置いて。
「え、ちょっと、あの…」
私が言い淀んでいるうちに、夢の中にすぐさま旅立つなんて、どれだけお疲れだったのでしょう。
サラサラの髪を撫でます。いい子いい子。寝ている殿下は、いつもと違い、可愛らしい顔に見えます。
私達は、政略結婚ですので、二人の間にロマンスなどはありません。ですが、これから先私達は何があっても、きっと一緒に歩いていくのです。少しぐらい、こうして、私が殿下の為に膝をお貸しするぐらい、何でもありません。私が疲れた時は、殿下の膝を借り…?ることは、ないかもしれませんが。
私ならどこを借りたいかしら。
殿下の……腕?力強い腕に抱かれ…違うわ、手かしら。手なら、手を繋いで…あ、駄目だわ。えーと、胸。胸を借りて、あ、駄目。
全て恥ずかしい想像に進んでいくわ。これは何?私、欲求不満なのかしら。
すやすやと寝息を立てている殿下の側で破廉恥な想像をして、ごめんなさい。そっと心の中で謝ります。殿下は何もなさらなくて、いいですからね。
私はお側にいられるだけで、満足ですからね。
それからは、種明かしの瞬間の言葉を考えました。去年ご覧になっている方達は、ワクワクしていると思います。
今年は誰が主役なのだろう、と。
大勢の方達の前で、一身にスポットライトが当たるのです。多くの方は、こう思っていらっしゃいます。この啓発映像の主役になることは、とてつもない栄誉だと。
それがまさか、破滅の第一歩とは、思いも寄らないようなのです。
彼女はどんな顔を見せてくださるのでしょう。今から楽しみですね。
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