9 / 9
貴族令嬢に睨まれる嫁と似たものを感じる俺
しおりを挟む
イケメン君達のアプローチはまだまだ続いていたが、俺のレベル上げと言う最重要課題が残っているため、クエストに向かうことにする。イケメン1~3号は、無駄に強いので守って貰うため、一緒に連れて行く。すっかり従者と化した俺は、荷物運びをする代わりに守って貰うつもりで、馬車に揺られていた。馬車を手配したイケメンのおかげだ。似たような風貌なので、どのイケメンかが曖昧だ。2号か?
かなこがふんわりと微笑んでお礼を伝えると、途端にいい雰囲気になった。顔面が自分と違い過ぎるせいで、嫉妬する自分をどの面下げて、と嗜める自分がいる。だって、無理でしょ。顔面偏差値特上の上ぐらいのイケメンに元の世界では中の下ぐらいかな?の俺が敵うわけないし。かなこはイケメンが好きなのかもハッキリしないし。態度をみていると、満更でもないけれど、タイプではない、って言う感触ではなかろうか。かなこは金髪碧眼より、実直剛健みたいなのが、好きだと思う。まあ、俺関係ないけどね。
そんなことより、先程から、やたらと目つきの鋭いご令嬢に睨まれている。明らかに貴族っぽいからできればあまり近づきたくないけれど。多分、かなこか、イケメン君達のどれかが目当てだろう。
自分には関係ないから失礼な想像をしてみる。彼女はイケメン君達の誰かの婚約者候補だったが、最近彼が別の女に夢中で、様子を見にきた、ってところか。うーん、それか、単に精霊王の愛娘に興味があるのか。精霊王の娘と言う肩書きが気に入らないのかな。気はキツそうだけど美人だし、かなこに害がないなら別に気にしないけど。何も言いにこないから、わからない。
どのみち、俺は従者と間違われるのがオチだ。
ああいうご令嬢ってツンとしているのがテンプレなんだろうか。普通にしていたら可愛いと思うのだが、中々貴族令嬢としては難しいのかな。
まあ、優しい態度ばかりじゃ、舐められて良いように利用されたりするのは何もこの世界だけの話ではない。そう言う俺だってかなこが何も言わないのを良いことに、舐め切った挙句、こんな風になっているのだから。
実はあのご令嬢はツンデレで、かなこのファンだけど言い出せないでいる、とかなら可愛いから応援するのに。
そこまで妄想してから、ご令嬢を見ると、まるでゴミを見るかのような目つきだ。
いや、ないか。
そんな目つきで俺を見ないで欲しいけど、ゴミ部分は合っているから何も言えません、はい。
こうしてみると、イケメン君と並んでるかなこは、日本にいた時よりも確実に美人になってると思うのだが、身内の欲目みたいなものだろうか。
ギリギリの夫婦生活を送ってる俺たちが身内と言えるのかは微妙だけど。
それか、これも精霊王の力?
こちらの世界のイケメンは、顔だけでなく、性格もイケメンみたいだし、かなこを幸せにしてくれそう。
俺はいつのまにか、すっかり張り合うことすらなくなって、イケメン君とかなこがどれだけお似合いかを受け止められるようになってきた。
かなこは未だに律儀にこちらの面倒を見てくれる。本来なら、空気を読んですぐにでもかなこの側から離れるべきだろう。
でも、きっとかなこが側にいないと今度こそ俺は駄目な気がする。
イケメン君と並んでいるのはたくさん見てるけれど、そんな資格などないと言うのに、嫉妬心がムクムクと頭をもたげている。先ほどの令嬢の目を見ていると、自分の顔を鏡で見ているような不思議な感覚に陥る。アレはやっぱり嫉妬だ。負の感情だと思う。
あんなに美人な顔と、似ているなんて失礼すぎて、口が裂けても言えないけれど。
かなこがふんわりと微笑んでお礼を伝えると、途端にいい雰囲気になった。顔面が自分と違い過ぎるせいで、嫉妬する自分をどの面下げて、と嗜める自分がいる。だって、無理でしょ。顔面偏差値特上の上ぐらいのイケメンに元の世界では中の下ぐらいかな?の俺が敵うわけないし。かなこはイケメンが好きなのかもハッキリしないし。態度をみていると、満更でもないけれど、タイプではない、って言う感触ではなかろうか。かなこは金髪碧眼より、実直剛健みたいなのが、好きだと思う。まあ、俺関係ないけどね。
そんなことより、先程から、やたらと目つきの鋭いご令嬢に睨まれている。明らかに貴族っぽいからできればあまり近づきたくないけれど。多分、かなこか、イケメン君達のどれかが目当てだろう。
自分には関係ないから失礼な想像をしてみる。彼女はイケメン君達の誰かの婚約者候補だったが、最近彼が別の女に夢中で、様子を見にきた、ってところか。うーん、それか、単に精霊王の愛娘に興味があるのか。精霊王の娘と言う肩書きが気に入らないのかな。気はキツそうだけど美人だし、かなこに害がないなら別に気にしないけど。何も言いにこないから、わからない。
どのみち、俺は従者と間違われるのがオチだ。
ああいうご令嬢ってツンとしているのがテンプレなんだろうか。普通にしていたら可愛いと思うのだが、中々貴族令嬢としては難しいのかな。
まあ、優しい態度ばかりじゃ、舐められて良いように利用されたりするのは何もこの世界だけの話ではない。そう言う俺だってかなこが何も言わないのを良いことに、舐め切った挙句、こんな風になっているのだから。
実はあのご令嬢はツンデレで、かなこのファンだけど言い出せないでいる、とかなら可愛いから応援するのに。
そこまで妄想してから、ご令嬢を見ると、まるでゴミを見るかのような目つきだ。
いや、ないか。
そんな目つきで俺を見ないで欲しいけど、ゴミ部分は合っているから何も言えません、はい。
こうしてみると、イケメン君と並んでるかなこは、日本にいた時よりも確実に美人になってると思うのだが、身内の欲目みたいなものだろうか。
ギリギリの夫婦生活を送ってる俺たちが身内と言えるのかは微妙だけど。
それか、これも精霊王の力?
こちらの世界のイケメンは、顔だけでなく、性格もイケメンみたいだし、かなこを幸せにしてくれそう。
俺はいつのまにか、すっかり張り合うことすらなくなって、イケメン君とかなこがどれだけお似合いかを受け止められるようになってきた。
かなこは未だに律儀にこちらの面倒を見てくれる。本来なら、空気を読んですぐにでもかなこの側から離れるべきだろう。
でも、きっとかなこが側にいないと今度こそ俺は駄目な気がする。
イケメン君と並んでいるのはたくさん見てるけれど、そんな資格などないと言うのに、嫉妬心がムクムクと頭をもたげている。先ほどの令嬢の目を見ていると、自分の顔を鏡で見ているような不思議な感覚に陥る。アレはやっぱり嫉妬だ。負の感情だと思う。
あんなに美人な顔と、似ているなんて失礼すぎて、口が裂けても言えないけれど。
1
お気に入りに追加
52
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
当て馬の悪役令嬢に転生したけど、王子達の婚約破棄ルートから脱出できました。推しのモブに溺愛されて、自由気ままに暮らします。
可児 うさこ
恋愛
生前にやりこんだ乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。しかも全ルートで王子達に婚約破棄されて処刑される、当て馬令嬢だった。王子達と遭遇しないためにイベントを回避して引きこもっていたが、ある日、王子達が結婚したと聞いた。「よっしゃ!さよなら、クソゲー!」私は家を出て、向かいに住む推しのモブに会いに行った。モブは私を溺愛してくれて、何でも願いを叶えてくれた。幸せな日々を過ごす中、姉が書いた攻略本を見つけてしまった。モブは最強の魔術師だったらしい。え、裏ルートなんてあったの?あと、なぜか王子達が押し寄せてくるんですけど!?
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】魂の片割れを喪った少年
夜船 紡
恋愛
なぁ、あんた、番【つがい】って知ってるか?
そう、神様が決めた、運命の片割れ。
この世界ではさ、1つの魂が男女に分かれて産まれてくるんだ。
そして、一生をかけて探し求めるんだ。
それが魂の片割れ、番。
でもさ、それに気付くのが遅い奴もいる・・・
そう、それが俺だ。
ーーーこれは俺の懺悔の話だ。
王子殿下は天邪鬼で御座いますから
cyaru
恋愛
~序章~
王太子アレコスは婚約者エカテリニとは違う女性カリスを愛してしまった。
疫病が蔓延し多くの民が天に召されていく中、後継者もアレコスのみとなり放逐も出来ない王家。
国王と王妃は婚約者の侯爵令嬢エカテリニに全ての権利を委ねる事に決める。
カリスと添い遂げたいアレコスは婚約解消を言い出すものの上手く行かず、自ら王籍を離れる事を決意しエカテリニに相談をする。
エカテリニは【側妃とすればいい】とアレコスに告げた。
アレコスはエカテリニの言葉通りにカリスを側妃に迎えるのだが…。
~本編~
女王として君臨するエカテリニ。
自身の子である第一王子と側妃カリスの産んだ第二王子。
アレコスとカリスには思う所はあるものの、子供に罪はないと第二王子も我が子の第一王子と同様に教育やマナーを学ばせ、婚約者も選んだ。
第一王子は座学は出来るのだが覇気がない。何事にも引っ込み思案で一人では決断できない性格。
かたや第二王子は座学は大嫌い。粗暴で婚約者のパスティーナにも暴言を吐くのだが、失敗しても前に進んでいく性格。
そんな王子2人が19歳になり、エカテリニも退位の時期を考えはじめた時…問題が起こった。
序章としているのは親世代の話です。
本編に出てくる出来事や王子2人の性格が、「あぁなるほどね」と親世代の話から判って頂けるかな?と思います。
序章と本篇、温度があります。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
貴方の子どもじゃありません
初瀬 叶
恋愛
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※誤字脱字がちりばめられている可能性を否定出来ません。広い心で読んでいただけるとありがたいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる