親が決めた婚約者ですから

「親が決めた婚約者ですから。」

リチャードには、それ以上に話せることはない。

自分の婚約者を貶めようとする奴らに彼女の情報など、それぐらいしか渡せない。

泣く子も黙る冷酷な宰相として有名なあの父が認めた令嬢なのだ。伯爵令嬢だからって、普通のご令嬢な訳がないだろう。
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