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第二部 幸せに潜む奉仕活動

黙らせるには リオニ目線

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前にも同じようなことがあった。あの時は男爵令嬢と言う、身分が下の相手だった。けれど、今回はどこかの国の王女様だと言う。こんなこと言うのは不敬になるのかもしれないけれど、ダフィット殿下は、趣味が悪いとしか言えない。王女様は、自分が妃になる気満々で乗り込んできたけれど、それはないと思っている。そのうち、何か理由をつけて送り返されるか、幽閉ぐらいが妥当かしら。ダフィット殿下の大事なものは、マリィ様だけなので、それ以外とマリィ様に対する態度が極端に違う。それは、学園内で嫌と言うほど思い知った。あの人なら、まだ全員駒として利用しようとする第一王子の方がまだマシだ。

私は元から王子に対して、幻想を抱いていないから、そんなに衝撃は受けないが、あの王女はいつ気がつくのか。

あと、あの王女もいただけない。あの人が自分がマリィ様より優れていると主張している内容が、どれも二番煎じとしかいいようがないものばかり。きっとあまり、この国の歴史を調べずに来たらしい、ということがわかった。

彼女の主張は、他の国なら、喜んで迎え入れてくれたことだろう。他の国には、クラッセン公爵家はないのだから。

要は王女の主張は、クラッセン公爵家で事が足りる。例えば、彼女の国の経済を回している宝石や、織物は、公爵家で保有している鉱山や、織物工場などで、対応可能であるし、彼女が精霊に愛されているというのも、クラッセン家のご令嬢なら精霊からの祝福を受け取るのは有名な話だ。

あの王女は自分が聖なる存在であると公言しているが、聖なる存在と言うのは具体的に言うとどういった存在になるのか。

見た目にも凄く自信があったようだが、それは驕りだと言いたくもなる。どう見積っても、小猿だ。エリーザ様が仰るように天使と小猿ではもう種族が違う。マリィ様はふわふわした風貌から、天使か妖精かと言った感じで、王女様自身、お会いして驚いたのではないかしら。あの方を見て、自分が勝っていると思えるのは余程の…ねぇ。

ダフィット殿下のどこが良いのか、私にはわからない。けれど、冷たいところが良いのだと言う。ほら、マリィ様は誰のことか、わかっていない。冷たいと言う印象をダフィット殿下に持たない唯一の人がマリィ様だ。確かにマリィ様がいる時は、ダフィット殿下はこんな風に笑うのだと初めて見た時の衝撃は相当なものだった。

あの王女を諦めさせるには、ダフィット殿下に、本気を出してマリィ様を可愛がらせるのが一番だと思う。

そのために、マリィ様には生贄になっていただこう。頑張って、私は体を張ってシスコン共を黙らせるので。

フランツ様と、ユリウス様だって、可愛い妹のためだもの。手を貸してくださるはず。

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