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第一部 奉仕活動報告
殿下の手口
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私達は、一日一回は必ずエレナ様に会いにいくことにし、思い思いの苛めを展開致しました。
まず、私は必要以上に褒めると言うのをやってみましたわ。嫌味に聞こえたら良いのですが。
「あなた、いつもお一人で行動されていて、格好良いですわね。自分が少数派であることを隠しもしないで、それを公表するなど、中々できることではないですわ。」うまくできなかったのでしょうか。何故かポカンとされています。次はラウラ様。また囁いていますわ。何を言ってるのかしら。内容は教えてくださらないのだけど、またまたポカンとされているわ。リオニ様は無視ですわ。元よりあまり関わりたくないようでしたので、何もしないことにしたらしいですわ。お預けですわね。リア様は、あら、どうされたのかしら。「思いつかなかったので、今回はパスします。」と仰いました。私も、すぐに、代案が出せたら良いのですが、難しいですわ。さて、最後は殿下です。何をされるのかしら。わくわくして待っていると、後ろから腰に手を回されて、抱きしめられます。驚いて振り返ると、ほっぺにキスをされましたわ。こんなところでやめて下さい。恥ずかしいですわ。顔を真っ赤にしていると、意外なことにエレナ様の様子がおかしいのです。きっ、と私の顔を睨みつけて、怒ってしまわれました。意外にも、殿下の嫌がらせが一番効いたようですわ。
それにしても、エレナ様の去った後の皆様の生温かい目が、恥ずかしいですわ。殿下に文句を言うと、「マリィの助言通りにしたのに、褒めてくれないの?」と言われましたわ。私の助言って何でしたっけ。覚えていないのですが。
「マリィが言ったんだよ。他の女性と仲良くしていたら嫌だと。だから、彼女の前でマリィと仲良くしてみたんだ。」
ああ、そういえば、言いましたわね。でも、あれであんなに怒ってしまわれたと言うことは、これからも続けるのでしょうか。
「エレナ嬢がどこからみているか分からないからね。僕たちは出来るだけ一緒にいて見せつけたらいいと思うよ。」
何だか口車に乗せられているような気がしますわ。でも、断れない雰囲気ですし。殿下の様子を見ると、いつも以上にニコニコされているようです。ここは抵抗を諦めることにしますわ。
それからと言うもの、殿下専用のお部屋だけでなく、二人の時はいつでも、お膝に乗せられる日々が続いたのです。恥ずかしくて、死にそうでしたわ。
ご友人達は、殿下の様子に顔を痙攣らせながらも、私を独り占めしないように釘を刺して下さいました。
残念なことですが、殿下の化けの皮が剥がれていくのを止められませんでしたわ。
まず、私は必要以上に褒めると言うのをやってみましたわ。嫌味に聞こえたら良いのですが。
「あなた、いつもお一人で行動されていて、格好良いですわね。自分が少数派であることを隠しもしないで、それを公表するなど、中々できることではないですわ。」うまくできなかったのでしょうか。何故かポカンとされています。次はラウラ様。また囁いていますわ。何を言ってるのかしら。内容は教えてくださらないのだけど、またまたポカンとされているわ。リオニ様は無視ですわ。元よりあまり関わりたくないようでしたので、何もしないことにしたらしいですわ。お預けですわね。リア様は、あら、どうされたのかしら。「思いつかなかったので、今回はパスします。」と仰いました。私も、すぐに、代案が出せたら良いのですが、難しいですわ。さて、最後は殿下です。何をされるのかしら。わくわくして待っていると、後ろから腰に手を回されて、抱きしめられます。驚いて振り返ると、ほっぺにキスをされましたわ。こんなところでやめて下さい。恥ずかしいですわ。顔を真っ赤にしていると、意外なことにエレナ様の様子がおかしいのです。きっ、と私の顔を睨みつけて、怒ってしまわれました。意外にも、殿下の嫌がらせが一番効いたようですわ。
それにしても、エレナ様の去った後の皆様の生温かい目が、恥ずかしいですわ。殿下に文句を言うと、「マリィの助言通りにしたのに、褒めてくれないの?」と言われましたわ。私の助言って何でしたっけ。覚えていないのですが。
「マリィが言ったんだよ。他の女性と仲良くしていたら嫌だと。だから、彼女の前でマリィと仲良くしてみたんだ。」
ああ、そういえば、言いましたわね。でも、あれであんなに怒ってしまわれたと言うことは、これからも続けるのでしょうか。
「エレナ嬢がどこからみているか分からないからね。僕たちは出来るだけ一緒にいて見せつけたらいいと思うよ。」
何だか口車に乗せられているような気がしますわ。でも、断れない雰囲気ですし。殿下の様子を見ると、いつも以上にニコニコされているようです。ここは抵抗を諦めることにしますわ。
それからと言うもの、殿下専用のお部屋だけでなく、二人の時はいつでも、お膝に乗せられる日々が続いたのです。恥ずかしくて、死にそうでしたわ。
ご友人達は、殿下の様子に顔を痙攣らせながらも、私を独り占めしないように釘を刺して下さいました。
残念なことですが、殿下の化けの皮が剥がれていくのを止められませんでしたわ。
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