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第一部 奉仕活動報告

禁止事項の決定

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さあ、ではそろそろ最終段階になりましてよ。役割分担としましては、私は指名されたのですから、苛める役ですわ。では、他の方はご希望はございますか。

「はい、殿下。」
「どちらがマリィと一緒にいられますか?」
「うーん、どちらでも良いのではないかしら。でも、目の前で苛められていて、何も言わないのはおかしいので、苛めない側でしたら、私とは別行動の方が良いと思いますわ。」
「じゃあ、苛める側にする。」
「はい、じゃあ、殿下は、苛める側ですね。」
「ラウラ様は、私と同じ苛める側ですよね。」鞭の話を聞いて私も打たれたい、とか言い出さないかしら、と疑っていたが、杞憂だった。
「はい、よろしくお願いします。」
「では、私もラウラ様のストッパーとして、そちらに。」リオニ様に側にいられるのは非常に助かります。

「では、リア様は?」
「皆さん、苛める側でしたら、私も一緒が良いです。エレナ様を庇うのも嫌ですし。」
「では、私達は全員苛める側ですね。」
バランスがちょっと悪いかしら。高位貴族の令嬢が揃いも揃って、苛める側と言うのは。

これは、もしかして、後の方は中立派にしていただくのが良いのではないかしら。そうすると、さっきの殿下も、そちらの方がバランスは取れるのだけど。私は想像してみました。殿下がエレナ様を庇っていらっしゃる姿を。それは素敵だったのですが、怖い顔をして私に怒っている姿まで、想像してしまい…無理ですわ。私は殿下はあちらに渡したくないです。ですので、中立派のトップは、イリアス様にお願いしようと思います。イリアス様も、ラウラ様と同じが良いとおっしゃるかしら。

ラウラ様に尋ねてみると、またフットワークの軽さを披露して、「聞いてまいります。」と、飛び出して行ってしまった。あの方、本当に伯爵令嬢よね?段々疑ってかかってしまうわ。

ラウラ様が戻って来るまで、禁止事項の確認をしておきましょう。

怪我をさせたり、命に関わるようなのはやめようと言うことと、中立派の人たちへのお願いをします。

「こちらがしたことにより、予想よりも酷いことになりそうな時は、構わないので、手を出して、結果を変えてください。」いくらエレナ様の望みでも、犯罪者になるつもりはないのです。あくまでも、これは奉仕活動なのですから。

そもそもたかだか男爵令嬢のために、ここまでやる必要があったのかしら。まあ、ラウラ様がノリノリですから、今更手は引けませんが。

殿下に呼ばれて、隣の椅子に座ります。殿下のそばに行くと、少し息をつくことができました。
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