公爵令嬢は被害者です

mios

文字の大きさ
上 下
71 / 73

鐘が鳴り響いたら ※無理矢理表現あり

しおりを挟む
司祭様が訪れたのはそれから直ぐのこと。初めて会った司祭様は何だか胡散臭い笑顔を見せている。

「貴女が新しく入った方ですね。」
アメリの全身を舐めるようにみると、また胡散臭い笑顔を貼り付ける。

アメリは気持ち悪くてたまらないのに、周りの修道女達は、普通に接している。

(あれは聖職者と言うより生臭坊主の類ね。)

自分も修道女でありながら、愛欲に溺れている時点で同罪なのだが、だからこそなのか、気持ち悪くて仕方なかった。

ミルアやルーナも、司祭に全身くまなく、下卑た目で見つめられていると言うのに、気がつかない。鈍感な奴らめ。

ルーナにはやっぱりいい感情は持てないアメリだが最近はミルアや他の修道女には嫌な気分になることなく接することが出来ていた。自分なりに考えた結果、ミルアや他の修道女は平民出身なので、自分を知る由もないが、ルーナには子爵家という繋がりがあるため、いつ知られてもおかしくない。だから、なのかもしれない。男爵家の入婿となり、貴族から平民となったアメリを嘲笑うあいつらと同じ立場にルーナはいる。それが、いつまでも悔しくて、悔しい。

司祭様がルーナに何やら熱弁を奮っている中、アメリは司祭様の目から離れて、座っていた。集まりの中から抜け出したミルアを見た瞬間、またあの鐘の音が今度は頭に響くみたいに鳴り響いた。頭を押さえて、周りを見渡すと驚いた顔のミルアと、アメリが蹲ったことにより、驚いた修道女達がわらわらと集まってくるのが見えた。アメリはそのまま意識を無くした。



目が覚めた時、アメリはベッドに寝かされていた。辺りには、少し離れたところにミルアがいて、アメリを見たあと、すぐに人を呼びに行った。

連れてきた人の後ろに司祭様が真面目な顔をして立っていた。

「大丈夫?頭を押さえて倒れたのよ、今は痛くない?」

頭を押さえていたのは、鐘が鳴り響いたからで痛いわけではない。そう言おうとして……やめた。何故かわからないけれど、ここでそれを口にしては不味いと思った。何故かはわからない。ただあの司祭に聞かれてはいけないと。

なのに、ミルアが言った。

「さっき、貴女が倒れる前にどこかで、鐘が鳴ってなかった?あれ、何処の鐘かしら。ねえ、聞こえなかった?」

案の定、その声に反応したのは司祭様。ニンマリと気持ち悪い笑みを浮かべ、その後唐突にアメリを見た。

「ごめん、わからない。」

咄嗟に否定したものの、司祭様がアメリもその鐘の音を聞いたと理解したことはわかった。

ただ嫌な汗が流れた。

安静に、と言われ、周りの人が居なくなって、ふと司祭様がアメリに近づいた。

「ゆっくりおやすみなさい。神は見ていますよ。」





鐘の音を二回聞くと、神様から救済が来る、とは誰が言ったのか。


ああ、あの日、司祭によく似た男に嬲られながら聞いたのだった。

教会の地下には、普通の修道女は入ることができない。司祭様も最近ようやく入れるようになったとか。

「貴女を神の子に認定する。」

そう男は言い、アメリの衣服を剥ぎ取ると、別の衣装に着替えさせる。そこにあったのは、純白のドレス。

貴族だった時に着ていたものとは雲泥の差ではあるが、平民なら喜ぶそのドレスは、何度も使用されているらしく、くたっとしている。

「貴女は生娘ではないのか?」

裸に剥かれて叫び声すらあげないアメリに男は不満そうだ。

「私は生娘ではないわ。」
真実を告げると逃がしてくれるかと思ったが、そうではなかった。

あの気持ち悪い笑顔を張り付けて、「なら、私が確認しても構わないな。」と言い、ドレスを丁寧に脱がせると、アメリの上に跨った。

さっきは突然のことで、叫び声が上げられなかったものの、今はようやく声が出た。

でも、誰も助けには来ない。男はアメリの絶望の表情を見てニヤニヤ笑うと、呟いた。

「確かに、男を煽る悲鳴は中々だ。これは期待できるぞ。生娘は、泣き叫ぶばかりで詰まらん。お前は、神の子として、最高の稼ぎ頭となるだろう。」


どれだけ叫んでも誰かがくることはなく、そのまま、男の好き放題にされたアメリは力なく床に寝かされている。

小さな部屋というには粗末な牢獄に入れられる。そこには、お風呂だけがあり、自由に入っていいという。隣の牢にも人がいて、啜り泣く声が響く。

アメリは神の子に認定された、と男は口にした。神の子とは、何なのだろう。

牢にずっと入っていると、毎日ではないが、司祭のような男達が中を覗いてくることがあった。まるで肉食獣が、獲物を狙うみたいに舌なめずりをしているような錯覚に陥る。

それに加えて、司祭によく似た男は毎日のように、牢に現れ、乱暴にアメリを抱いた。その頃にはいくら抵抗しても無駄だと思うようになっていた。それでも抵抗しないのは、嫌だったので、抵抗し続けると、男は満足だったらしく、アメリの思いとは裏腹に彼女を大切にし始めたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

今更何の御用でしょう? ウザいので止めて下さいませんか?

ノアにゃん
恋愛
私は3年前に幼馴染の王子に告白して「馬鹿じゃないの?」と最低な一瞬で振られた侯爵令嬢 その3年前に私を振った王子がいきなりベタベタし始めた はっきり言ってウザい、しつこい、キモい、、、 王子には言いませんよ?不敬罪になりますもの。 そして私は知りませんでした。これが1,000年前の再来だという事を…………。 ※ 8/ 9 HOTランキング 2位 ありがとう御座います‼ ※ 8/ 9 HOTランキング  1位 ありがとう御座います‼ ※過去最高 154,000ポイント  ありがとう御座います‼

「アイシテル」と話すオウムを家の前で拾ったのですが、落とし主の意図がわかりません

麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
家の前に捨てられていたオウムを拾ったリエル。 そのオウムは「アイシテル」という言葉を覚えているが、そのオウムの持ち主にも心当たりがない。 そんなある日、リエルに結婚の申し込みをしてくる男性がいて、しかも親は相手の言う「もうリエルの意思は確認している」というのを信じ、申し出をOKされてしまう。 しかし、リエル本人はなんの話かさっぱり分からない。 外堀を埋められるような状況に困惑していたが、オウムの存在が婚約の申し入れのきっかけだと知って――。 全5話

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

生まれたときから今日まで無かったことにしてください。

はゆりか
恋愛
産まれた時からこの国の王太子の婚約者でした。 物心がついた頃から毎日自宅での王妃教育。 週に一回王城にいき社交を学び人脈作り。 当たり前のように生活してしていき気づいた時には私は1人だった。 家族からも婚約者である王太子からも愛されていないわけではない。 でも、わたしがいなくてもなんら変わりのない。 家族の中心は姉だから。 決して虐げられているわけではないけどパーティーに着て行くドレスがなくても誰も気づかれないそんな境遇のわたしが本当の愛を知り溺愛されて行くストーリー。 ………… 処女作品の為、色々問題があるかとおもいますが、温かく見守っていただけたらとおもいます。 本編完結。 番外編数話続きます。 続編(2章) 『婚約破棄されましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました』連載スタートしました。 そちらもよろしくお願いします。

もううんざりですので、実家に帰らせていただきます

ルイス
恋愛
「あなたの浮気には耐えられなくなりましたので、婚約中の身ですが実家の屋敷に帰らせていただきます」 伯爵令嬢のシルファ・ウォークライは耐えられなくなって、リーガス・ドルアット侯爵令息の元から姿を消した。リーガスは反省し二度と浮気をしないとばかりに彼女を追いかけて行くが……。

全てを諦めた令嬢の幸福

セン
恋愛
公爵令嬢シルヴィア・クロヴァンスはその奇異な外見のせいで、家族からも幼い頃からの婚約者からも嫌われていた。そして学園卒業間近、彼女は突然婚約破棄を言い渡された。 諦めてばかりいたシルヴィアが周りに支えられ成長していく物語。 ※途中シリアスな話もあります。

裏切りのその後 〜現実を目の当たりにした令嬢の行動〜

AliceJoker
恋愛
卒業パーティの夜 私はちょっと外の空気を吸おうとベランダに出た。 だがベランダに出た途端、私は見てはいけない物を見てしまった。 そう、私の婚約者と親友が愛を囁いて抱き合ってるとこを… ____________________________________________________ ゆるふわ(?)設定です。 浮気ものの話を自分なりにアレンジしたものです! 2つのエンドがあります。 本格的なざまぁは他視点からです。 *別視点読まなくても大丈夫です!本編とエンドは繋がってます! *別視点はざまぁ専用です! 小説家になろうにも掲載しています。 HOT14位 (2020.09.16) HOT1位 (2020.09.17-18) 恋愛1位(2020.09.17 - 20)

処理中です...