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さわやかな朝に

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隣国の問題が片付いた後、私は自分の未熟さに呆れていた。私はこの国の王家に生を受けてから随分と偏った思考で、生活していたことに気がついた。

自身が側妃の子で第二王子であることを気にしていないはずだったのに、今では誰よりも私自身がその身分に囚われていたことを思い知った。

私はずっと、側妃である母は、王妃に割り込んできた隣国の公爵令嬢を恨んでいたと思っていた。でも、違った。母と王妃は互いに友人だった。当時の婚約者であった陛下に友人を王妃として、娶ってもらい、彼女の身柄を守った。だから、彼女の子の父も知っていたし、知っていた上で、守っていた。

王妃がジャンヌに優しかったのは、自分の姿を重ねてみていたからだし、自分の子に対する愛情は、彼にその父である人の面影を見て、恐怖が蘇ったからだ。

王妃はとても厳しい人生を送ってきた。それを知らなかったとは言え、真実に打ちのめされた。

最初からあの人達の掌の上で、私達はコロコロと転がされていただけだ。それを全て自分達の手柄だと浮かれていたのだから。恥ずかしくて、顔をあげられないでいると、ジャンヌが頭を撫でてくれた。

あまりの気持ち良さに眠くなって、せがむと、もっと撫でてくれた。

さっきから視線が痛い。いや、わかっているんだ。やらなければいけないことがたくさんあるって。

まず第一に、書類をなんとかしなくてはならないし、自国に戻らなかったダミアンとクロエの身分を作ってあげなければならない。隣国では、侯爵家が数々の悪事の露見によって、爵位返上になり、潰れた。

ダミアンとクロエは帰る家がなくなったこともあり、こちらに永住することを希望した。

ダミアンもクロエも貴族社会に疲れていたため、平民としての生活をサポートすることになっている。

どちらも勉強ができるため、将来的には、仕事を手伝ってくれないかなぁ、とか考えていたりした。無理強いはしないけれど、聞くだけなら良いよね?

ジャンヌには、苦笑いされた。

顔を見合わせて、ようやく仕事に取り掛かる。泣いても笑っても、実力がなくても、掌で転がされても、色々な人に助けられながら、これから二人で国を守るしかないのだから。

「ジャンヌは、私についてきてくれる?頼りない私だけれど、一緒に歩いてくれる?」

「私で良ければ是非、ビシバシお尻を叩かせていただきますわ。」

少し痛そうな気がするのは何故だ。しかも、微妙に話が噛み合っていないのでは?


私達の発言に、周りの人達は、生温かい目をして、見守ってくれていた。


終わり

本編終わりです。長々とありがとうございました。番外編として、王妃の過去話とか書こうかな、と思いましたが、暗くなりそうなのでやめて、クロエとかダミアンとかジャンヌとかのほのぼのを番外編として書こうと思います。

もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです。  
               mios
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