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サミュエル 7歳 ローラ 12歳
視察の日!
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視察の日の前日は楽しみすぎてあまり眠れなかった。いつもはそうは言っても寝てしまってて、今回もそうだったんだけど。でも、ローラを迎えにいって、ふああ、と欠伸をした僕を笑いながら、膝枕をしてくれた時は、ちょっと固まってしまった。髪を撫でて寝てていいですよ、ってローラは言ってくれたけれど、実際は目が冴えちゃったんだ。
だってだって、好きな女の子に、膝枕してもらうんだよ。ドキドキして、眠れないよ。体中が全部心臓になったみたい。ドキドキしちゃって変な汗かいちゃった。
でも、僕も男の子だから、嬉しくて、お言葉に甘えた。
ある程度のところまでは、馬車で移動して、丁度良いところで降ろしてもらうんだけど、今回はどうしても、お揃いで何かを買いたかったから、小物屋さんの前で降ろしてもらった。
手を繋いで、エスコートして降りたつもりが、お店の人には、姉と弟に見えたみたい。
そうだよなぁ、と思いつつ、ショックを受けてしまった。そう、見えるってわかってるんだけどね。早く、お似合いって思われるようになりたいな。
「可愛いねぇ、姉弟かい?」
そう聞かれて、僕は何も言えなかったんだけど、ローラは違った。
「いいえ、私達は、恋人ですわ。」
恋人って言ったんだよ。婚約者ではなくて。恋人って。
王子たるもの、いつも堂々としていて、顔色で感情を悟られたりしてはいけませんよ。よく教育係の先生に言われる言葉。ここに先生がいたら、顔を顰めるだろうくらいには、僕は感情を表に出しすぎていたと思う。
ローラの前に跪きたかったけれど、手が届かなかったので、立ったまま、ローラの手に口をつける。
よく、騎士とかがやるようにしたかったんだけど、どうかなぁ。
ローラは驚いた顔をした後、プルプル震えていたと思ったら、真っ赤な顔をしたんだよ。照れてるのかな?
でも、ローラのことは言えない。僕も多分真っ赤。店員さんのお婆さんが、ふふふ、と笑っていたけれど、またそれで、真っ赤になってしまった。
少しして、落ち着いてくると、ローラが欲しいものを見つけたらしい。お揃いのものだけど、用意するのに、少し時間がかかるんだって。
すぐにはつけられないらしいけれど、見上げたローラが可愛く意気込んでいたから、楽しみに待つことにした。
「サミュ…エル様、先程の、どこで教わったのですか?」
「ああ、騎士の人がよくやるでしょ?見様見真似でやってみたんだけど、変だった?」
「いいえ、すごく素敵でドキドキしましたわ。」
ローラは、僕の髪の毛をなでなでしてくれる。気持ちいい。けれど、僕を撫でながら眩しそうに目を細めるローラは凄く綺麗で、少しだけ寂しそうだった。
手を差し出すと、手を繋いでくれる。ローラに寂しい思いはさせたくないなぁ。
「ローラ、悪いけれどしゃがんでくれる?」
不思議そうに、しゃがんだローラを抱きしめる。ギュッと抱きしめて、ボクの気持ちを伝えたつもり。
「サミュエル様、お嬢様が死んでしまいます。」
冷静な声が頭の上から聞こえる。
手を離すとローラが確かにフラフラしていた。
「お嬢様、今は堪えてください。奇行がサミュエル様に見られてしまいますよ。いいんですか。」
ローラに話しかけている侍女の切羽詰まった表情に、よっぽど焦ったのだと、申し訳ない気になりながらも、ほっこりした。
だってだって、好きな女の子に、膝枕してもらうんだよ。ドキドキして、眠れないよ。体中が全部心臓になったみたい。ドキドキしちゃって変な汗かいちゃった。
でも、僕も男の子だから、嬉しくて、お言葉に甘えた。
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手を繋いで、エスコートして降りたつもりが、お店の人には、姉と弟に見えたみたい。
そうだよなぁ、と思いつつ、ショックを受けてしまった。そう、見えるってわかってるんだけどね。早く、お似合いって思われるようになりたいな。
「可愛いねぇ、姉弟かい?」
そう聞かれて、僕は何も言えなかったんだけど、ローラは違った。
「いいえ、私達は、恋人ですわ。」
恋人って言ったんだよ。婚約者ではなくて。恋人って。
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ローラの前に跪きたかったけれど、手が届かなかったので、立ったまま、ローラの手に口をつける。
よく、騎士とかがやるようにしたかったんだけど、どうかなぁ。
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でも、ローラのことは言えない。僕も多分真っ赤。店員さんのお婆さんが、ふふふ、と笑っていたけれど、またそれで、真っ赤になってしまった。
少しして、落ち着いてくると、ローラが欲しいものを見つけたらしい。お揃いのものだけど、用意するのに、少し時間がかかるんだって。
すぐにはつけられないらしいけれど、見上げたローラが可愛く意気込んでいたから、楽しみに待つことにした。
「サミュ…エル様、先程の、どこで教わったのですか?」
「ああ、騎士の人がよくやるでしょ?見様見真似でやってみたんだけど、変だった?」
「いいえ、すごく素敵でドキドキしましたわ。」
ローラは、僕の髪の毛をなでなでしてくれる。気持ちいい。けれど、僕を撫でながら眩しそうに目を細めるローラは凄く綺麗で、少しだけ寂しそうだった。
手を差し出すと、手を繋いでくれる。ローラに寂しい思いはさせたくないなぁ。
「ローラ、悪いけれどしゃがんでくれる?」
不思議そうに、しゃがんだローラを抱きしめる。ギュッと抱きしめて、ボクの気持ちを伝えたつもり。
「サミュエル様、お嬢様が死んでしまいます。」
冷静な声が頭の上から聞こえる。
手を離すとローラが確かにフラフラしていた。
「お嬢様、今は堪えてください。奇行がサミュエル様に見られてしまいますよ。いいんですか。」
ローラに話しかけている侍女の切羽詰まった表情に、よっぽど焦ったのだと、申し訳ない気になりながらも、ほっこりした。
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