フェミニンちゃん

高級ヒロシ？

クリスさんからヒロシが救急搬送されたとの連絡を受け、家の近くの総合病院に向かった。

「ヒロシ！！」
待合室の長椅子に並んで座る、ヒロシとクリスさんを見つけ、大声で叫んだ。
「お前、うるさいよー。みんなビックリしちゃうだろ？」
言われて見渡すと、他の患者や看護士達が俺に注目していたので、みんなにペコペコしながらヒロシに近づいた。
ヒロシは頭に包帯を巻かれ、ネットを被せられていた。高級桃みたいに丁重に包まれたヒロシも可愛い。
「頭ケガしたの？大丈夫？」
「うん。中身は大丈夫みたいだから、お家に帰っていいみたい」
高級桃みたいなヒロシにニッコリされて、俺は少しだけ冷静さを取り戻した。
「大樹、お前のホテルに連れていってやってくれ」
どうしたのだろう？クリスさんは機嫌が悪そうだ。
「ホテルですか？一緒に居られるのは嬉しいけど、家の方が落ち着くんじゃないですか？」
「駄目だ！家の前には、まだマスコミの奴らがいる。ヒロシは、そいつらにケガさせられた」
「！？」
マスコミが押し寄せているのは俺のせいだ。俺は不甲斐なくて拳を握った。

「あーお前のせいじゃないぞ、あの女優が売名目的で、今一番の有望株のお前を嵌めたんだ。守れなかった事務所の責任だ。あっちの事務所は業界でも力もってるからな……」
えっ？でも機材トラブルで時間できたから食事に行っただけなのに……どこまでグルだったんだろう？

「野坂君、俺は大丈夫だよ。おかげで、久しぶりに野坂君に逢えて嬉しいよ」
なっ、なんていい子！！可愛すぎるよ高級みたいなヒロシ！！（桃、どこ行った？）

「俺、記者会見しちゃダメですか？相手の事務所に潰されますかね？」
「いいや、お前、別に俳優志望って訳でもないし、海外ブランドからも声かかってるから問題ないでしょう。それに俺もこのまま黙っているわけにいかないでしょ？可愛いヒロシ傷モンにされてさぁ」
クリスさんは、綺麗すぎる顔で冷酷な笑みを浮かべた。

事務所の社長に相談して、後日会場を用意してクリスさんと合同記者会見をする事になった。


俺はヒロシを連れて、滞在先のホテルに帰った。
「わぁー凄いお部屋だね？」
事務所が用意した部屋は、もう少しグレードの低い部屋だったが、ここは親父の経営するホテルだ。支配人が飛んできて、勝手にスイートに変更された。

折角のスイートだが、ヒロシの傷が心配なのでエロは我慢だ。でも一人で風呂に入れるのも心配で、一緒に入って体を洗ってあげた。感度が良すぎるヒロシは、洗っているだけなのに勃っちゃって『むしゃぼりつきてぇ！』って思ったけど、傷が開いたら大変なので我慢した。俺の暴れん棒も将軍だったが、腹痛くなるほど我慢した。
スイートなので部屋は一つでは無いが、同じベッドで休んだ。
「頭大丈夫？」
「うん、横向いて寝れば大丈夫そうだよ」
目の前の高級ヒロシが可愛い。傷が治っても、たまにこのアミアミを被せたい。
ヒロシが色の薄い大きな瞳で俺の顔を見つめてくるので、キスしたくて仕方ないけど、ヒロシはキスだけでイっちゃうから、我慢、我慢……
するとヒロシの方からチュッとキスをしてくれた。
真っ赤になっちゃって可愛いー！！
それに初めてヒロシの方からしてくれた！！俺は感動で涙が出そう。
ヒロシは俺の胸にスリスリ顔を寄せると徐々に体温が高くなり、子供みたいに眠りについた。
勃起状態を我慢し過ぎて腹は痛いが、とても幸せな夜だった。