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【外伝】

ライガーと麗しの剣士 3 ※

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「俺、おかしい…… 身体熱い……」
「今頃何を言っている?」

シンのペニスは腹に付きそうな勢いで勃ち上がり、先端からは透明の蜜が糸を引いていた。まだキスをして身体を撫でられただけなのに、既に熱を放出したくて仕方ない。

「自分で擦っていい?よかったらグランドルのも一緒に……」

「ったく、どんな誘い文句だよ? 状況分かってねぇな……」

転生前も挿入不可の相手とは、そうやって欲望を満たしてきた。一人でするより相手の熱や反応を感じた方が気持ちがいい……

だがグランドルはシンのペニスを軽く撫でると、長い指を脚の間へと滑らせた。

「お前はこっちじゃなきゃ満足出来ない筈だ」

「そこはダメだ!使った事がない」

「朗報か?俺を喜ばせてどうするつもりだ?」

グランドルは片側の口角を上げ不敵に微笑むと、シンの蕾にグッと圧をかけた。

「ふぅっ!ぁぁ……なんでぇ……」

潤滑剤も使っていないのにクチュと音をさせ、グランドルの長い指がズルズルと中へ吸い込まれる。クリスから話には訊いていたが、自分のそこが自ら潤うなど、半信半疑だった。
――しかも気持ちいいなんてっ!?

シンのペニスからトロリと蜜が溢れるのを横目にグランドルは指を出し入れしながらシンの首筋に顔を埋め、ネコのようにザラザラした舌でそこを舐め上げた。

「あぁんっ」

「何が『ダメ』なんだ?いい反応をするじゃないか?」

クチュクチュといやらしい水音を響かせながらグランドルの指が内壁を掻き回すと、弱い電流を流されたかのように全身に甘い痺れが走り、シンの腰は自然に揺れた……
あまりにも無意識で、本人は気がついていなかったが、グランドルはその様子を興味深そうに眺めていた。

――中がこんなにいいなんて知らなかった。俺、元から才能あったのか?
……いやいや、流されてはダメだ!

「や……め…… あぁぁっ!!」

シンの言葉を遮るようにグランドルが内側のしこりを強く押すと、正気を保とうと己を律する気持ちが一気に霧散する。
そして、再び唇を塞がれ舌を絡め取られると、甘い快楽だけが脳内を充たした。
いつの間にか三本に増やされた指が、もはや性器になったとしか思えない程グズグズにされた内壁を、更に丁重に拡げていく。

「も……いい……そんなに拡げなくても……」
「俺ももう限界だ……」

――そうか……ここで「もういい」なんて言ったら「もう挿れて」って言ってるようなもんだよな……
何言っているんだ、俺は……

拒否しなければ、前世で三十五歳まで貫いた己の信念を曲げる事になる。なのに今は更なる快楽を求める気持ちしか湧いてこない……

だが、グランドルが下履きをずらし中から自らのペニスを掴み出すと、自然と拒絶の言葉が口をついた。

「無理……そんなの入るワケない」

転生前の自分もソコソコ大きい方だと思っていたが、グランドルのそれは凶悪なまでに大きかった。

――そんなところまで百獣の王なのかよ!!

「心配するな、ちゃんと解したから問題ない。それに今更止めることは出来ん」

「えっ、……なっ!?……うそっ」

グランドルの顔がみるみる内に獣化していく……
見事な鬣と金色の瞳は獅子のようだが、白い毛色と薄い縞模様は白虎である母ラミールから引き継いだのだろう。

――なんて綺麗な獣なんだ……

突然目の前に現れた猛獣に本来なら恐怖心を覚えるべきなのだろうが、シンは只々見惚れた。
そして自分がオメガでなく、元の大男であったとしてもこの男には降伏せざるを得ないと悟った。

「最中に獣化を止められないのは初めてだ。今日は朝まで覚悟してくれ」

「はぁ!?……あ、朝?」

「グルッ」と喉を鳴らしたグランドルはシンの両脚を折り畳むように胸に押し付けると、ゆっくりと蕾に押し入った……

「あ…あぁぁ……ん……」

今まで他人の身体に押し入った事は数あれど、自分の中に他人の熱を迎え入れる感覚は初めてだ。
想像以上の圧迫感と楔の熱さに思わず背中が仰け反る……
逃げを打つシンを逃がすまいと、グランドルは一気に腰を打ちつけた。

「……うぐっ!」

馴染ませるようにゆっくり上下され身体の強ばりがほどけていくと、そのまま少しずつ前後の動きが加わり、本格的な抽挿が開始される。
グルグルと喉を鳴らしながらのし掛かってくる美しい獣を前に、シンはなす術もなく身を揺さぶられた。

「……あぁぁ……はぁ……んん」

――完全に捕食者と獲物だ…… 
でも何故だろう?不思議と安らかな気分だ。死ぬ前にお花畑が見えるって云うアレかな……

「し……しぬぅ……」

「死なないから大丈夫だ。いい子で感じていればいい」

――感じる? そうかこれ気持ちいいのか……
グランドルに促されるまま脳内を満たす快楽物質に身を委ねると、全身が粟立つような凄絶な解放感が訪れた。

「……うん、いぃ……きもちぃぃ……」

「……可愛い奴め」

挿入の衝撃でシンのペニスは芯を失ってしまっていたが、打ち付けられる腰の動きに合わせてプルプルと揺れながら蜜を散らしていた。

――これずっとイッてるのか?
初めてなのに中イキとか……

「あぁ……うぅぅ……」

初めて味わう長すぎる絶頂に、打ち上げられた魚のように身を震わせていると、グランドルはクタリとしたまま蜜を垂らし続けるシンのペニスを掴み、親指で先端を刺激しながら揉み込んだ。

「はぁっ!……あっ……やぁ……」
「随分よさそうじゃないか?俺を泣かすんじゃなかったのか?」
「……ふぁ……両方は……ダメ」
「初めてのヒートでこの状況では意識を飛ばしていてもおかしくないのに、精神力も随分鍛え上げているのだな。益々好みだ」

シンはパラシュート部隊で受けた地獄のような訓練を呪った。拷問にも耐えうる強靭な精神修行は、今完全に仇となっている……

――こいつ絶対ドSだっ!

「はぁうぅぅ……もぅ……や……」

人型ならニヤリといった感じで、片側の牙を覗かせたグランドルは、腰の動きを速め、一気にシンを攻め立てた。

「あっ……あぁぁっ!」

シンのペニスが白濁を噴き上げる……それに伴い痙攣した内壁が中のグランドルを締め上げると、硬度と大きさを増したそれから熱いマグマを放出されるのが分かった。

――中に出しやがった…… でも、やっと終わった……

グランドルがズルッと身を引くと、綻んだままの蕾からコプリと白濁が溢れた。
シンにはそれが、完全にグランドルの雌にされた「証」のように感じられ、羞恥と悔しさのあまり憎まれ口を叩いた。

「……はぁ、はぁ……思った程じゃなかった……お前意外と早漏だな……」

「お前は狼のように長い放出が好みなのか? だが安心しろ。ネコ科は一回で終わる事はない。朝までと言った筈だ」

グランドルはシンの身体を反転させると、まだ完全に閉じきらない蕾に硬度を保った太いペニスを突き立てた。

「ひぃぃ……いっ!」

「邪魔な首輪だな……」

グランドルはシンの身体を固定するように、黒革の首輪の上からガブリと首筋に噛みつくと、抽挿を再開させた。

――嘘だろ?本当に朝までするつもりかよ?

「……あぁっ!!」

シンが連日の疲れと中に放出されたことによる体質変化で意識を失うように眠りに就くまで、挿入と放出は続けられた……


 * * *


――腹が焼けるように熱い……
やっぱりあんなにデカイもん身体に入れちゃダメなんだよ。内臓掻き回されたみたいだ。

「もう、目が覚めたのか?」

薄く目を開けたまま首を傾けると、グランドルが片腕を枕にしてこちらを眺めているのが目に入った。

「………絶倫め」

「ククッ……最後のほうはお前が泣きながらしがみついて離れなかったんだ」

「………くそっ」

ヒートの熱に浮かされていたものの泣きながらすがった記憶はしっかりと残っていた。
グランドルに一方的に揺さぶられていた筈なのに不思議な安堵感に包まれて、感極まったシンの瞳からは次から次へと涙が溢れ、気がつくとグランドルの厚い胸板に自ら顔を擦り付けていた。

「腹が熱い……」
「身体が変化しているのだろう。男のオメガは、胎内に精を取り込むと妊娠可能な身体に作り替わるんだ」

シレッととんでもない事を言うグランドルに呆れ、シンは眉をしかめた。

「……なぜ中に出した」
「首輪を外してもよかったんだ……俺はお前を『番』にすると決めた!」

「なっ!!『決めた』ってなんだよ。勝手に決めるなっ!」

「ハハッ、それよりクリスとガキどもが帰って来たぞ」

「……えっ?」

慌てて身を起こそうとするが、腹の痛みと倦怠感で、思ったように動けない。

「あいつらは無事だ。ピンピンしている。だがお前は一週間の絶対安静だ。ガキどもには体調が悪いと伝えてある。安心して休んでろ」

「……はっ!?」

トンと肩を押されただけで力なく寝台に倒れた。絶対安静は伊達じゃないようだ。
グランドルはシンに上掛けをかけると、上からポンポン叩いて寝るように促した。
――子供じゃないのに……

「俺は『番』になるつもりはないぞ。子供達が大きくなっても世話係を続けるつもりだ」

「チッ、言うと思ったぜ。だが、どうせ俺に子供はできない。番う意味が無いっちゃ無いんだが」

「!?」

「知らなかったのか?俺は混血だから二代目は望めない。人間との混血ならノインのように片方の特徴が強く表れるが、同じネコ科でも獅子と虎の混血じゃ、繁殖能力が無いに等しいからな」

「……絶倫なのに」

「ああ『絶倫なのに』だ。まあいいゆっくり考えろ」

そういえばハーレムを持っているグランドルだが、婚姻は誰ともしていないと聞いた事がある。
逆にグランドルのハーレムに入ると、よい嫁ぎ先を見つけて貰えると一種ステイタスのようになっているらしい。

――コイツも色々あるんだな……

考えなきゃいけない事は沢山あるが、今は体質変化の影響で頭が回らない。
シンはグランドルのポンポンの心地よさに負けて、そのまま再び眠りに就いた。



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