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起
28 レイケツ
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早朝の、日が出る前の時間
海に臨んだ製品工場エリアの立地に立ち、海を眺めるAriz。
「なあ、海で戦わないといけないってマジか?」
「ああそうだ。だが安心しろエム。プロテクタースーツに改良を加えた。溺れる心配はない」
「じゃあアレを起動するね!」
セリアがプロテクターの靴部に触れるとそれは青く発光し、ごく僅かに足が浮いてくる。
「これで海の上を滑ればいいわけか」
「ボクは此処で狙撃しておくのさ」
座り込んでユウは弾を詰める。
「海の上だろうが俺達の叛逆は続く。行くぞ」
皆が海の上を滑って行くと、複数の小型ドローンが扇状に海水の中から姿を現した。
《対象をマークします》
「いつもと形が違うねー」
「どちらにしても怖いですぅ…」
セトにメリルは右へ旋回。
「遊泳型29機。モブを全て寄越したのか。エムセリアは左を頼む。ユウは真ん中を」
「あいあいさー」
「任せなぁ!!」
早速エムが殴る音や発砲の音が聞こえる。
「取り敢えず、ドローンを引きつけよう」
「はいぃ~セトさんに着いていきます~」
ドローンの群れは魚のように口を開き、光線を飛ばしている。
「あだっ!」
「エムちゃん!すぐ治すね」
「悪い、目の前のヤツに気を取られてたぜ」
「おっと危ない」
無防備な2人を狙おうとしたドローンをユウが撃破していく。
「ボクも向こうに行こっかなー?」
アサルトライフルに銃を持ち替え、空を飛んでいく。
「だいぶ向こうの機体と引き離せたかな?じゃあ更にふた手に分かれよう」
「えっ、分かれちゃうのですか~?」
身体を縮めて不安そうにメリルが言うと
「大丈夫。ドローンはみんな僕が惹きつけるから、出来たら後ろからその双剣を奮って欲しいんだ」
「これで…?」
刃が複数の関節に独立した双剣をクネクネと動かしながら群れの最後尾を見る。前回のチーフを元に作り出された新しい武器である。
「さぁ、僕はこっちだよ」
ブラスターを連発して前に加速していく。
「ふぇ、えっえい!」
後ろに回ってドローンを双剣で切り裂く。
「ドローンは攻撃された方向に向かっていく。それをセトは学んだようだな」
「ふぅ…メリルでも倒せるのですね…ふぇ!?」
ひと息ついたメリルの方に近くのドローンが向き直る。
「ああ、メリルを助けないと、うわあ!!」
よそ見をして先頭のドローンの光線を浴びる。
その場で膝をつく。
「おらぁ!ココにもてめえらの相手はいるぞぉ!!」
エムがメリルに襲いかかるドローンに殴りかかる。
「上出来だ。以前よりもモブを一層するのに時間がかからなくなったな」
ー ヴォーーン ー
金属音がした方向を見ると白い鯨を彷彿させるエメラルドの光を放つ巨大なドローンが海水を垂らしながら現れた。
「お、おっきい…のです」
「エアコンみたいな顔なのさー」
「言われてみれば確かに!」
セリアがユウの横に並ぶ。
「大型だな。バスの大きさ、もしくはそれ以上だ」
ー ヴォーーン ー
チーフドローンの尾に四つの太いチューブがあり、幅の広い刷毛のような腕で水を切っている。
「おらぁ!親玉ぁ!」
飛び込んできたエムに頭部の二本の砲台から氷の弾をお見舞いする、が
「【結界】発動!今の衝撃跳ね返すぜ」
氷弾を跳ね返し、砲台にぶつける。
「らああ!!」
砲台を折り壊す。
ー ボシュー ー
「ぶふぉ!?」
チューブから海水が放たれ、エムは振り飛ばされる。
「あのチューブ壊した方が良さそう」
「何か、光ってますよ~」
チーフの頭部の光が強くなり、口が開く。
「なんかあれヤバそうだよ!?」
「皆離れるんだ」
ー シュー ー
口から放たれた煙立った冷風が水面を凍らせる。
「うわー凍り付けにされるところだったのさー」
「アタシの熱には効かねー!」
ー ボシュ ボシュ ボシュ ー
チューブの海水をかわし滑りながらチーフの頭部に接近する。
「炎のアッパァァアアア!!」
下から一撃を与えようとした時だった
「ぐへぇ…」
チーフは頭部を下に下げ、顎でエムを沈めたのだ。
「大変!エムちゃん平気かな?」
「僕潜って様子を見てくる」
日の光が紺色の空を少しずつ照らしていった。
セトの目元に薄いゴーグルが展開し海の中に潜っていく。
「こんなデカブツならバズーカとかロケラン持って来れば良かったなー」
「ユウお前のウチはそんな高火力の武器まで取り扱っているのか」
「まあねー、本物の弾は売ってないけどねー」
「これで!どう?」
「こんなの~怖くて近寄れないです~」
人の頭程の岩を出現させ、アーム槍で掴み、チーフドローンに投げつけるセリアと逃げ回るメリルに目をやりながらユウはリロードする。
「ボクもねー新しい技を思いついたのさ」
目の前に小さなつむじ風を出現させ、そこにアサルトライフルをフルオートで連射する。つむじ風の中に弾丸が回っている。
「これをぶつけてみようってわけさー」
ー ガン ー
ー グチ ー
岩、弾丸風がドローンにぶつかり、ヒビが入る。
「それを繰り返すと良いかもな」
「待ってくだしゃい。様子がおかしくないですか?」
チーフドローン全体からドライアイスのような煙が立ち篭り、エメラルドの光が激しくなる。
ー ヴォーーン ー
四つのチューブから冷気の水が放たれ、辺り一面が凍り付けされる。
「これじゃあセト君達が出られなくなっちゃう!」
「暴走し出したか」
「(エムはどこに?)」
セトは水中を照らす陽の光を頼りに泳いでいく。
「(あそこに)」
エムを発見して、プロテクターの靴のバネでそこまで飛んでいく。
「(氷の張られていない所に行こう)」
エムを抱えて水面から出る。
「ぷはぁ」
機体から煙と眩い光を放出しているチーフドローンが海を凍らせているのが見えた。
海に臨んだ製品工場エリアの立地に立ち、海を眺めるAriz。
「なあ、海で戦わないといけないってマジか?」
「ああそうだ。だが安心しろエム。プロテクタースーツに改良を加えた。溺れる心配はない」
「じゃあアレを起動するね!」
セリアがプロテクターの靴部に触れるとそれは青く発光し、ごく僅かに足が浮いてくる。
「これで海の上を滑ればいいわけか」
「ボクは此処で狙撃しておくのさ」
座り込んでユウは弾を詰める。
「海の上だろうが俺達の叛逆は続く。行くぞ」
皆が海の上を滑って行くと、複数の小型ドローンが扇状に海水の中から姿を現した。
《対象をマークします》
「いつもと形が違うねー」
「どちらにしても怖いですぅ…」
セトにメリルは右へ旋回。
「遊泳型29機。モブを全て寄越したのか。エムセリアは左を頼む。ユウは真ん中を」
「あいあいさー」
「任せなぁ!!」
早速エムが殴る音や発砲の音が聞こえる。
「取り敢えず、ドローンを引きつけよう」
「はいぃ~セトさんに着いていきます~」
ドローンの群れは魚のように口を開き、光線を飛ばしている。
「あだっ!」
「エムちゃん!すぐ治すね」
「悪い、目の前のヤツに気を取られてたぜ」
「おっと危ない」
無防備な2人を狙おうとしたドローンをユウが撃破していく。
「ボクも向こうに行こっかなー?」
アサルトライフルに銃を持ち替え、空を飛んでいく。
「だいぶ向こうの機体と引き離せたかな?じゃあ更にふた手に分かれよう」
「えっ、分かれちゃうのですか~?」
身体を縮めて不安そうにメリルが言うと
「大丈夫。ドローンはみんな僕が惹きつけるから、出来たら後ろからその双剣を奮って欲しいんだ」
「これで…?」
刃が複数の関節に独立した双剣をクネクネと動かしながら群れの最後尾を見る。前回のチーフを元に作り出された新しい武器である。
「さぁ、僕はこっちだよ」
ブラスターを連発して前に加速していく。
「ふぇ、えっえい!」
後ろに回ってドローンを双剣で切り裂く。
「ドローンは攻撃された方向に向かっていく。それをセトは学んだようだな」
「ふぅ…メリルでも倒せるのですね…ふぇ!?」
ひと息ついたメリルの方に近くのドローンが向き直る。
「ああ、メリルを助けないと、うわあ!!」
よそ見をして先頭のドローンの光線を浴びる。
その場で膝をつく。
「おらぁ!ココにもてめえらの相手はいるぞぉ!!」
エムがメリルに襲いかかるドローンに殴りかかる。
「上出来だ。以前よりもモブを一層するのに時間がかからなくなったな」
ー ヴォーーン ー
金属音がした方向を見ると白い鯨を彷彿させるエメラルドの光を放つ巨大なドローンが海水を垂らしながら現れた。
「お、おっきい…のです」
「エアコンみたいな顔なのさー」
「言われてみれば確かに!」
セリアがユウの横に並ぶ。
「大型だな。バスの大きさ、もしくはそれ以上だ」
ー ヴォーーン ー
チーフドローンの尾に四つの太いチューブがあり、幅の広い刷毛のような腕で水を切っている。
「おらぁ!親玉ぁ!」
飛び込んできたエムに頭部の二本の砲台から氷の弾をお見舞いする、が
「【結界】発動!今の衝撃跳ね返すぜ」
氷弾を跳ね返し、砲台にぶつける。
「らああ!!」
砲台を折り壊す。
ー ボシュー ー
「ぶふぉ!?」
チューブから海水が放たれ、エムは振り飛ばされる。
「あのチューブ壊した方が良さそう」
「何か、光ってますよ~」
チーフの頭部の光が強くなり、口が開く。
「なんかあれヤバそうだよ!?」
「皆離れるんだ」
ー シュー ー
口から放たれた煙立った冷風が水面を凍らせる。
「うわー凍り付けにされるところだったのさー」
「アタシの熱には効かねー!」
ー ボシュ ボシュ ボシュ ー
チューブの海水をかわし滑りながらチーフの頭部に接近する。
「炎のアッパァァアアア!!」
下から一撃を与えようとした時だった
「ぐへぇ…」
チーフは頭部を下に下げ、顎でエムを沈めたのだ。
「大変!エムちゃん平気かな?」
「僕潜って様子を見てくる」
日の光が紺色の空を少しずつ照らしていった。
セトの目元に薄いゴーグルが展開し海の中に潜っていく。
「こんなデカブツならバズーカとかロケラン持って来れば良かったなー」
「ユウお前のウチはそんな高火力の武器まで取り扱っているのか」
「まあねー、本物の弾は売ってないけどねー」
「これで!どう?」
「こんなの~怖くて近寄れないです~」
人の頭程の岩を出現させ、アーム槍で掴み、チーフドローンに投げつけるセリアと逃げ回るメリルに目をやりながらユウはリロードする。
「ボクもねー新しい技を思いついたのさ」
目の前に小さなつむじ風を出現させ、そこにアサルトライフルをフルオートで連射する。つむじ風の中に弾丸が回っている。
「これをぶつけてみようってわけさー」
ー ガン ー
ー グチ ー
岩、弾丸風がドローンにぶつかり、ヒビが入る。
「それを繰り返すと良いかもな」
「待ってくだしゃい。様子がおかしくないですか?」
チーフドローン全体からドライアイスのような煙が立ち篭り、エメラルドの光が激しくなる。
ー ヴォーーン ー
四つのチューブから冷気の水が放たれ、辺り一面が凍り付けされる。
「これじゃあセト君達が出られなくなっちゃう!」
「暴走し出したか」
「(エムはどこに?)」
セトは水中を照らす陽の光を頼りに泳いでいく。
「(あそこに)」
エムを発見して、プロテクターの靴のバネでそこまで飛んでいく。
「(氷の張られていない所に行こう)」
エムを抱えて水面から出る。
「ぷはぁ」
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